見知らぬ場所にいつのまにかいた...この謎の空間から脱出せよ!!
「んん...」
男は見知らぬ場所で目を覚ました。周りは鉄で覆われた壁や床、天井以外は何もない。もちろんこんなところ見覚えすらない。
「おーい!!誰か!!誰かぁ!!!」
ドンドンと男は金を叩いてみる。だが全くと言っていいほど無反応だ。数分ぐらい前の事を思い出そうとするが全く思い出せない。
普通、誘拐などなら襲われて車に運ばれて...など知らない場所に来ることになった経緯などが覚えているはずだ。だが、ここに来た経緯など全くと言うほど記憶にないのだ。
「おーい!!誰かいませんか!!!おおーーーいい!!」
またそう叫ぶがやはり返事がない。
「くそ...誰がこんなことを...!!」
そう考えながらどうにか脱出する手立てを考える。色々と調べてもやはり出口と言えるようなものは出て来ず、密室のような状態だ。
「俺はどうなってしまうんだ??いや、悲観してもしょうがない!!どうにか脱出の糸口を見つけないと!!!」
どうにかこうにか脱出しようと試行錯誤をかれこれ1時間はしただろうか。男は何も進展のないこととずっと動き回っていたのでm疲れて果ててしまい眠ってしまった。
「んん?」
少しして男が目が覚めると相変わらず同じ空間だった...のだが、1つ違っていた。そこにはなかった扉がそこにはあった。そしてその扉は開いているではないか。
「よし!よくわからないけどラッキー!!」
男はそう言ってその中に入っていった。少し狭めの道が続き、たどり着いたのはまた同じちうな鉄の天井、床、壁に囲まれた空間だった。
「またこう言うのか...」
だがその空間は先ほどとは違っていた。そこにはテーブルがありお皿が並べてある。そしてなんだか見たことのないような緑のスープや、タコのようだがタコとは程遠い謎の物体が置いてあった。
「そういえば腹減ったな...」
見た目はあまり良くないがなかなかいい匂いが漂ってくる。グゥ〜という腹の音が聞こえ、男は「腹が減っては戦はできぬって言うしな!」と独り言を呟いてついその料理に手を伸ばしてしまった。
「うん!いける!いける!」
見た目は奇妙だがどの料理も口に合うぐらい美味しい。男は料理を堪能してフーッと息を吐いた。
「ふう、さてどうやって脱出するか...」
そう言いながら辺りを見回すとなんだか少し壁に凹んだところがある。男より少し大きめの長方形の形に窪んでいてそれはまるでドアがそこにあるかのようだった。
「これ...何かならないかな?」
そんな事を呟きながら色々と試してみるがダメだった。
「うーむ...何か仕掛けを解くとドアみたいに開くみたいな感じだと思ったんだがなあ?ん?」
近くにあった小さなスイッチのようなものを発見し、男はそれを押してみる。すると読み通りその長方形の大きめの凹みはドアの役割を果たして壁が開く。
「おお!開いた!なんだ簡単じゃないか!」
簡単な仕掛けに男は少し喜びながら先に進む。すると奥の方に何やら光が見えてくる。男がそっちの方向へ向かうと...。
「あれ?」
男はベンチにいた。今まで何をやっていたのかすら思い出せない。
「なんで俺はここに...」
外は夜ということで真っ暗だった。
「まあいいか。帰ろう」
そう呟きながら男は帰路につく。少し向こうの空に銀色の物体がヒュンヒュン飛んでいたが。全く気づくことはなかった.
*
ピロピロという声は先生が来ると鳴り止んだ。そこには人の子供ほどの大きさの頭が大きい灰色の宇宙人が机と椅子に座っている。まるでその姿は学校のようだ。もちろん先生も同じように宇宙人だ。
「では、宿題を発表してもらいましょう」
「はい!」
その先生の声に宇宙人の1人は立ち上がってを発表し始めた。
「ῤ年ῶ組 ピロプラポン。僕は観察日記をつけました。観察したのは人間という奇妙な生物です」
「ほう、人間ですか。よく捕まえましたね」
「お父さんとお母さんが連れてきてくれて買ってきた『人間観察ボックス』というところで少しの間だけ観察しました。今回観察したのは人間という生物です。人間は最初戸惑っていましたがあの空間に慣れたのか睡眠をとり始めました。そして次の部屋へ誘導すると宇宙人の食い物を食べ始めました。やはり人間というのは、とても不思議な生物だと思いました。それから...」
立ち上がった宇宙人がしばらく発表をして、その発表が終わるとパチパチパチパチと拍手の音が聴こえてくる。
「よくできました。人間はとっても凶暴で危険な生物と聞きましたがよく観察日記をつけられましたね」
「いえ...なんというかそこまで人間が危険という印象はありませんでした」
「そうなんですか。ではありがとうございました」
その声と共に発表をした宇宙人はハイ!という声と共に座った。
「その後はその人間はどうしたんですか?」
「もちろん記憶を消して元の場所に戻しました」
「偉いですねえ」
「いえいえ...」
「皆さんも良ければ人間を観察して見ましょう。もしかしたら新しい発見ができるかもしれません。では、次の発表者は...」