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ダンジョン荒らし

《五階層》

「白っ!そっち行ったぞ!」


「了解!『フレアボム』!!」


半透明のゼリー状の生き物…スライムを白華と一緒になって追い回す。スライムは進行方向で爆発が起こってもスーパーボールみたいなバウンドで方向を変えて爆発から逃れる。


5階のモンスターはスライムなのだが、これがかなりの曲者なのだ。

AGIが高く、攻撃が当たりそうになったら体を液状化してすぐに避ける。その上、一部は金属の体で重量と防御力を生かして攻撃をもろともせず突っ込んでくるのだ。

それだけならばよかったのだが、ボスである『ヒュージスライム』は俺たちがボス部屋に入った瞬間に体の一部…というより体の大半を魔力に変換して、通常のスライムの4分の1程度の大きさになって逃げ回り始めたのだ。ついでに体感ではあるが小さくなったことで速度も速くなったように感じる。

タナトス曰く、「圧倒的な差を確信して逃げ回っている」らしい。全く迷惑である。

刀や棍で直接砕くのは面倒くさいので、2人で追い立てつつ範囲攻撃で粉砕する作戦をとっていた。


「よお、待ってたぜ。『忍術:爆』!!」


白に追い立てられてこちらに迫ってきていたヒュージスライムは、唐突に現れた俺の脇をすり抜けようとして突っ込んでくるのを忍術の爆風で打ち上げる。

単調な範囲攻撃では逃げられてしまう。逃げ回るやつを封殺するためにどうすればいいのか、そこで考えたのは打ち上げて、地面を這い回るスライムでは身動きの取れない空中で撃破することであった。


「おーらーい、おーらーい。ドンピシャですっ!『マジックミサイル』!!」


回避ができないように打ち上げたヒュージスライムの核を視覚誘導が可能なマジックミサイルで破壊し仕留める。戦闘が始まって30分、やっと討伐である。


「時間だけは無駄にかかったな。」


「凪さん!宝箱が出てきましたよ!これ突破報酬宝箱ですよ!」


宝箱を見てキャッキャとはしゃぐ白華はとても可愛いのだが、発言が筋金入りのゲーマーなのがなぜだか残念だ。


「ミミックかもしれないんだから気をつけろよ〜」


「わかってますよ!『解析』……安全確認、ヨシっ。ごーまーだーれー。」


ネタが古いな、と思いながらも俺も中身の確認をしに白華に近づく。


「……こ、これは!!」


「ゲームによくある露出度高めの高性能防具、ではなく普通に下着だな。…ちょっとえっちな。」


中から出てきたのはちょっと際どい下着が複数枚。白華は下着を取り出して広げた体勢まま固まってしまった。刺激が強かったのかもしれない、かわいい。


〈ボスモンスターのリポップ時間が近づいています。移動を推奨します。〉


「あいよ。白、階段まで移動するぞ!」


「は〜い。」


白華はそう言いながら突破報酬を取ってきた………宝箱ごと。


〈リザルト〉

第三階層:完全攻略(薬草全滅/ラビット系絶滅)

第四階層:完全攻略(森消滅/ボア系絶滅寸前)

第五階層:完全攻略(隠し部屋『錬金術師の隠れ家』/『魔道書庫』/『転職の神殿』消失)

キル数:ホッピングラビット39匹(三階層)

   :グラスラビット24匹(三階層)

   :キルラビット1匹(三階層)

   :フォレストボア25匹(四階層)

   :グラスボア23匹(四階層)

   :ファングボア6匹(四階層)

   :エレファントボア1匹(四階層)

   :スライム132匹(五階層)

   :メタルスライム52匹(五階層)

   :マナメタルスライム23匹(五階層)

   :レアメタルスライム25匹(五階層)

   :ヒュージスライム1匹(五階層)

戦利品:うさぎ肉(1キロ)64個(部位ランダム)

   :野菜ボックス(根菜系ランダム)24箱

   :キルラビットの刃耳2個

   :猪肉(1キロ)55個

   :野菜ボックス(キノコ系ランダム)25箱

   :野菜ボックス(葉物野菜系ランダム)23箱

   :牙猪の剛牙6本

   :大猪の極上肉(1キロ)

   :下級万能錬金液132本

   :液体錬金金属52本

   :液化ミスリル23本

   :レアメタル(200グラム)(種類ランダム)25個

   :中級万能錬金液1本

   :魔石キルラビット

   :魔石ファングボア6個

   :魔石エレファントボア

   :魔晶石スライム132個

   :魔晶石メタルスライム52個

   :魔晶石マナメタルスライム23個

   :魔晶石レアメタルスライム25個

   :魔晶石ヒュージスライム

   :セリア草136本(三階層)

   :ロセリア草210本(三階層)

   :マナローズ351本(三階層)

   :ヒールローズ325本(三階層)

   :マナリリィ352本(三階層)

   :ヒールリリィ341本(三階層)

   :蒼薔薇2本(三階層)

   :魔香木251本(四階層)

   :誘引木32本(四階層)

   :ニセトレント1523本(四階層)

   :金剛樹52本(四階層)

   :寝袋(2人用)

   :鎧一式(鋼鉄製)12組

   :魔導ピッケル13本

   :錬金術師の単眼鏡(モノクル)4個

   :静音指向性爆弾(サイレントボム)18ダース

   :金貨ダンジョンポイント1826415枚

   :金貨ルイステット10000000枚

   :迷貨交換機

   :取引端末

   :古びた地図

   :簡易錬金板2枚

   :錬成台

   :錬金釜

   :本『錬金大全』

   :本『付与魔法』

   :本『下級魔法』

   :本『中級魔法』

   :本『上級魔法』

   :本『生産魔法』

   :本『軍事魔法』

   :スキルブック『亜空間格納庫』

   :スキルブック『スタッシュ』

   :論文『神聖魔法と神の関係性について』

   :論文『魔導科学文明』

   :論文『魂の縛りを行う魔法とその効果』

   :論文『神と神殺しの戦争について』

   :論文『迷宮と呼ばれる生物について』

   :論文『星渡りの秘術について』

   :小説『永遠の愛』

   :小説『神殺し戦争』

   :小説『魔王と勇者』

   :論文『錬金生物』

   :論文『世界樹』

   :転職の書

   :宝箱(突破報酬)

   :魅惑の下着(突破報酬)

経験値

 凪:Lv.13→50(MAX)

  :(解放!!)オプション

  :(NEW!!)スタッシュ

 白華:Lv.13→50(MAX)

  :(解放!!)オプション

  :(NEW!!)亜空間格納庫



下へと続く階段を降りていると、しばらくして開けた場所に出た。そこは地面が土になっており木や石、水場などがあった。


「休憩スペース……セーフゾーンってやつですかね?」


「多分そうだろうな。ふむ、トラップもなさそうだしここで休憩にするか。」


眼を使ってトラップの有無などを確認してから足を踏み入れる。白華の解析と俺の理眼×観測者のコンボでほぼ全ての情報を読み取れるのでトラップや毒には無敵なのだ!




「「ごちそうさまでした」」


セーフゾーンに足を踏み入れてから数時間後、白華作の兎肉のステーキを綺麗に食べ終えてゆったりとしていた。


「いやー、錬金術って便利ですね。」


白華が肉を焼いたフライパンを魔法で洗いながらそんなことを言う。


「そんなこと言ったらスキル全部便利だろ。それよりもタナトスが頭一つ以上抜けて便利だがな。」


「それもそうですよねぇ。このフライパンも錬金術でささっと作ってくれましたし、今はお洋服も作ってくれてますしね。」


俺たちの中でタナトス万能論が唱えられ始めていた。そもそもとしてマッピングやアドバイスをくれるだけでもかなりの規格外だったのに俺たちの保有スキルであれば自由に使うことができるのだ。

ちなみに、錬金術スキルは迷貨交換機で購入した。お値段なんと金貨1枚で2つ、タナトス曰くお安いらしい。やはり万能ではないか我がスキルは!


〈マスター、頼まれていたものは全て完成しました。〉


ひとりでに動いていた錬成台が動きを止め、その傍らには服が積み上がっていた。


「わかった。タナトスご苦労様。」


〈それほどでもありません。それよりも転職なさるのでは?〉


「そうですよ凪さん。ジョブチェンジといきましょう!」


冷静なタナトスとテンション高めな白華に急かされながら五階層の神殿から貰ってきた転職の書を取り出す。古めかしく百科事典レベルの厚みを持ったそれは表紙に宝石(正しくは高純度の魔晶石らしい)がはめ込まれており、何かに反応して煌々と輝いていた。


「えっと、開ければ自動的に表示されるんだったか?」


〈ええ。開ければ自動的に使用可能なジョブが表示されます。〉


「ほい、白からな。」


ずっと隣で目を輝かせながらもじもじとしていた白華に転職の書を渡す。


「いいんですか?いいんですね!?開けますよ!」


「ああ、いいよ。」


勢いよく開けられた転職の書は自動的にページがめくられていき、止まると同時に空中にステータスウィンドウと同じようなものが開かれた。


「は?本は飾りなのかよ!?」


「ふむふむ。良さげなのは『傾国の美女(クニオトシ)』と『魔法師』、『戦闘師』、『良妻』ぐらいでしょうか?」


「ゑ?なんか変なの混じってない?」


「ねぇ、凪さんはどれがいいと思います?やっぱり『傾国の美少女(クニオトシ)』ですよね?よね!」


「あっ、うん。イイトオモウヨ。」


「ではでは、ポチッとな。」


そう言って白華が『傾国の美少女』に転職すると、転職の書から光が溢れて白華に吸い込まれていく。光がだんだんと消えていき現れたのは何一つ変わってない俺の彼女だった。


「むふふ。どうです?さらに可愛くなったあなたの彼女は!」


えっへん、と胸を白華が張るのだが何一つ変わったように思ず『眼』を使ってみたりもしたのだが、俺的には何も変わっていなかった。


「なんにも変わってないぞ?」


「ん???あれ?専用スキルは?パッシブでフェロモンとか色々出してるはずなんですけど?」


〈マスター。そもそも魅了系スキルはスキル効果以上に溺愛してる人に使っても効果はありません。〉


「え?意味なかったんですか?取り損じゃないですか〜!!」


膝から崩れ落ちる白華を尻目に俺も転職の書を使用する。同じようにウィンドウが表示された。


「俺のは『戦闘師』に『戦鬼』、『忍者』、『錬金術師』か、とりあえずは『戦鬼』かな。それにしても白には錬金術師がなかったのに俺にはあるのか………タナトスは俺の所有スキル判定なのか。し____」


声をかけようとしたその時、世界に響くような声が届く。


《ワールドアナウンス:規格外職業 『クニオトシ』 が 誕生しました。》


「「っ!」」


「タナトス!今のは!」


〈『世界の声』だと考えられます。基本的には個人にしか聞こえないはずですが、今回は異例中の異例でしょう。〉


予想外だった、個人情報がこんな形で流出してしまうとは。昔を思い出して苦虫を噛み潰したような顔をする俺に白華は心配そうな顔で告げる。


「これで私のジョブは簡単には明かせなくなりましたか。また、人付き合いが難しくなりましたね。」


「それでいいだろ。今までも、そしてこれからも、俺たちは2人だけでいる方がいい。」


「凪さんっ!」


ハイテンションになった白華が勢いよく抱きついてくるのを受け止め頭を撫でてやる。人と関わるのなど最低限でいいのだ。俺たちは2人でいればいい、それだけで幸せなのだから。


〈マスター。早急に睡眠を取られた方がいいです。〉


いい雰囲気に水を差されてしまった。


「どうしたタナトス。」


〈マスターは現在、3日間に渡り不眠活動を行いました。なので冷静な判断を下せない可能性があります。ゆえに早急に睡眠することを推奨します。〉


「そう言われれば眠くなってきたような?」


「ちょうど寝袋もありますし、一緒に寝ましょうね、凪さん。」


「そうだな。タナトス、周辺警戒を頼んだ。」


〈ゆっくりとおやすみください。〉


俺たちは寝袋の中で抱き合って睡眠を取った

ふっかーーーつ!!すんごくお待たせしまってすいません。受験生なので受験が少し忙しかったのですよ!とりあえず1箇所目は終わったので無事内定が出たらペースを戻したいと思います!

体育祭準備なんかもあるので死ぬ気で書く時間を作りますよ!!

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