チート性能
「さて、武器も確保したし攻略するか。」
「さあ行きましょう、凪さん。」
〈マッピングはやっておきます。〉
《一階層》
テンプレのようなダンジョン。見えるところ全てが石でできた迷宮であり、ところどころ崩れ落ちたり謎に光る苔がはえている。罠なども無くただひたすらタナトスの書くマップを頼りに隅々まで探索していく。
「なんだか平和だな。」
「さながら遺跡デートですね。」
「白さんや、その感覚はどうなのよ……」
せっかく手に入れた武器の試しができず、少しずつストレスが溜まり始めたが、互いに"ピー"でピーな妄想をして心を落ち着かせる。
〈右から来ます!!〉
タナトスから言葉が発せられた直後、曲がり角から唐突に何が飛び出して来た。
「ん?ほいっと!」
が、簡単に避けてカウンターをきめる。
〈瞬時に素手の打撃を回るように避けて、遠心力を乗せながら刀を振り抜くとは。本当に人間ですか?〉
タナトスが呆れたようにそう言うが、俺は刀に付着した血を拭き取りながら「当たり前だ」と適当に返す。
「凪さん、コレってゴブリンだったんですね」
白華がアイテムに変わっている最中の死体を見ながら言う。
「……そうだな。」
「どうしました?」
刀を軽く振りつつ、違和感を覚える
「いや、なんか弱くてな」
「次出てきたら、"見て"みましょうか。」
〈……必要無いと思いますよ。マスターたちは初期ステータスからして相手が龍が相手でもない限り総合値では負けませんよ。基準値として見ておいた方がいいかもしれませんが。〉
「なるほど」
「おお、すごいですよこの鞄。」
タナトスの話に納得していると、白華が声をあげた。声の方を向くと白華がドロップアイテムを鞄に入れていた。鞄は始めの部屋で見つけたもので、『格納』のスキルが付与されているらしい。ちなみにドロップしていたのは鉱石だった。
それにしても、ゴブリンに関しては昔師匠に切れって言われた鶏肉の方が切りにくかった。下にいくほど強くなるのか?全く持って謎だ。
のんびりとマップを隅々まで埋めながら進んでいたのだが、出てきたのは兎や猪だけだった。
〈次の曲がり角に一匹います。〉
「了解。と、出たな。白!」
「解析!」
名前:無し
種族:ゴブリン
LV.3
ステータス
HP:10
MP:3
STR:5
VIT:3
AGI:4
INT:3
DEF:2
LUK:1
スキル
棍棒術:LV1
「え、弱すぎないか?」
「これは、いくらなんでも」
〈だから言ったでしょう?さながらチュートリアルダンジョンにエンディング後の裏ボスも倒して、エンドコンテンツまで終わらせた廃人が2週目をやりに来てるようなものですからね?〉
「「バランスおかしいだろ(でしょ)」」
〈マスターたちがおかしいんです。〉
その後も順調に進んで行き、階層守護者だったボブゴブリンもワンパンして下に進む。そももも首切れば大体即死するわ。
〈リザルト〉
第一階層:完全攻略
キル数:ゴブリン23匹
:ボブゴブリン1匹
戦利品:雑鉱石25個
:魔石23個
:魔石
:鬼人のナタ
:焼肉のタレ(エ◯ラ)
:スキルブック(魔法)
経験値
凪:Lv.1→3
:(NEW!!)魔法
白華:Lv.1→3
《二階層》
「コボルトも微妙だったな。」
「可愛いですけどはっきり言って害悪ですね。」
「白華の熱源探知と範囲魔法のおかげでほぼ無力化してたけどな。」
白華は複数で現れては奇襲を仕掛けてくるコボルトにご機嫌ななめなようだ。しかし、むっと頬を膨らませている白華は最高にかわいい。
「それでも、この階層は宝箱が多かったからいいじゃないか。」
「その分、少し広かったですけどね。あと所々にコインもありましたし、トレジャーハントがモチーフでしょうか?」
〈明らかに5倍以上に広くなっていたのですが、少しで済むあたりほんとに人なのか怪しいですね。〉
〈リザルト〉
第二階層:完全攻略
キル数:コボルト52匹
:コボルトリーダー17匹
:コボルトソルジャー1匹
戦利品:小さな袋(内容物ランダム)52個
:ランダムボックス17個
:ランダムボックス(アンコモン以上確定)
:魔石52個
:魔石17個
:魔石
:手入れされていないナイフ17本
:ナイフ
:塩(1kg)5袋
:砂糖(1kg)3袋
:胡椒(500g)2袋
:アウトドアスパイス(200g)10袋
:金貨2439枚
:銀貨15429枚
:金貨2枚
:魔法スクロール(熱源探知)
:スキルブック(偽装)2冊
経験値
凪:Lv.3→12
:(NEW!!)偽装
白華:Lv.3→12
:(NEW!!)偽装
:(NEW!!)魔法『熱源探知』
今回から結構話を増やしております。なんだか味気ないのはキニシナイデネ。頑張って味濃いめの書いてます。
忙しくなるから投稿遅くなります。