第6話 パーティーを求む
「はぁ……何処か寝泊まりできる場所は…………」
アリアネがパーティーを追い出されて数日が経った。
元々お金などほとんど無いに等しかったが、遂に1銅貨さえ無くなってしまったのだ。
この数日ギルドの前でパーティーを組んでくれる相手を募集したが、残念ながら誰1人として仲間になってくれない。
Sランクパーティーを追い出された人間をわざわざ雇う人間はいないということだ。
しかし、自分のスキルは1人で戦うのには向いていないので、何処でもいいからパーティーを組んでもらうしか無いのだ。
「掃除、洗濯、料理、荷運び……何でもやります!だからどうか私をパーティーに…………」
これを毎日の様にギルドの前でやっているのだ。
むしろパーティーに入れたがらなくなってしまいそうな気もするが………
なんと、彼女に声をかける男達がいたのだ。
「なぁ、嬢ちゃん……俺らのパーティーに入れてやってもいいぜ」
「ほ、ほんとですか!?」
「ああ……だが!お前の取り分は5%だ。それでも良いならな。あと、お前には毎日俺達の夜の世話を………」
「そんなのやるわけないでしょ!大体、取り分5%なんてほとんど赤字じゃない!受けるわけありません!」
「へっへっへ……良いのかな?お前は今ちょっとした有名人だぜ?パーティーに散々迷惑をかけて追い出された屑だってな!まだ居場所を貰えるだけ有難いと思うが?」
パーティーに迷惑をかけた屑というのは間違いである。
しかし、大多数の人間にとってはSランクパーティーを追い出された厄介者という事に変わりはなく、パーティーに誘いたくはない相手である。
少なくともこの街では中々相手はしてもらえない。
「グッ………」
「へっ!分かったらさっさと来い!上手くいけば残飯くらいなら分けてやらぁ……」
そう言って無理やりアリアネの手を引こうとする男達を静止する者がいた。
「待てよ、その子はうちのパーティに入る事になったから」
誰であろう、アルトである。
「ああ!何だテメェ?関係ねぇ奴が勝手にしゃしゃりでてくんじゃねえ!」
「いいや、関係者だ。僕はその子のパーティーメンバーだ!」
「え……」
「え……」
「「「えええええええええー!!!!!」」」
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