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第3話 冒険者ギルド





有り金全部奪われて、残ったのは少しの衣類や防具、父の形見の短剣だけである。

だが、冒険者というのは本来剣一本で成り上がることのできる職業だ。

今夜の食事代と宿代を得る為、迷わず冒険者ギルドに向かうと、都合良く金になりそうな討伐依頼が出ていた。

Cランクの魔物であるポイズンスライムの討伐依頼書を受付嬢のリアナさんに持っていく。


「すみません、この依頼を受けたいのですが……」


「あら、アルトじゃない。またあのSランクパーティーの荷物持ち?」


「いいえ、僕はもう『鮮血』を脱退しました。お金もないのでこれから好き生きる為、ちょっと討伐依頼を……」


「あら、ついに追い出されちゃったの?まぁあんた弱かったしね……良いんじゃない別に。でも無茶はしないようにね」


「はい、分かってます」


ちょっと毒を吐きながらも、なんやかんや僕の事を心配してくれるリアナさん……

元パーティーメンバーと違って根はいい奴なのだ。


僕は短剣を持ってポイズンスライムの生息場所であるポンド沼地に向かう。

正直言って、パーティーを追い出されたのも、有り金持ってかれたのも理不尽だとは思うが、僕が単体ではパーティー内で最弱だったのも事実。

1人で戦えない分今まではサポートに徹して来たが、これからは1人で戦える力を得なければいけない。

現状僕のメイン攻撃手段は魔法系統だ。

レベルと上限が上がって、今では中級者くらいにはなってる。

器用貧乏なだけあって、僕のスキルレベルの上昇は以上に早いのだ。今から練習しても充分強くなれる。

魔法系統のスキルレベルを上げるなら、その魔法を使いまくるしかない。

しかし、魔力量にも上限がある。無限に使って上げ続けるなど出来るはずがないのだ。

本来ならMPポーションで即座に回復してまた魔法を使うを繰り返すところなのだが、残念ながら今の僕には金が無いので買えない。

手持ちもほとんど無いし

こればかりはどうしようも無いので、魔物を倒して稼ごう。

短剣でポイズンスライムを倒しまくり、身体強化のレベルを上げていく。


「よっと……これで5体目か。そろそろ身体強化も上がった頃かな?」


ふとステータスを見てみると、身体強化がLv23になっていた。

あれ?おかしいな……普通こんなに上がらないと思うのだが………

そういえば遥か昔に獲得経験値増加と必要経験値減少なんてスキルを獲得していたな。

あのスキル達はたしか何かのスキルのレベルが上がると一緒にレベルが上がる仕組みだった。

とすると、今まで以上のスピードでレベルが上がるというわけか……


「まぁ早く上がる分には良いか。さて!もう少し魔物を倒そう」


結局その日はポイズンスライムを含めて10匹ほど魔物を倒してギルドへ帰った。


「あら、荷物持ちのアルトにしてはやるじゃない。えっと……討伐対象外の魔物も含めて銀貨10枚かしら」


「あ、ありがとうございます」


「何言ってんのよ。お礼言うのはこっちよ?街の為に命掛けてくれてるんですもの。偶に冒険者なんて無教育な奴のなれ果てだ!なんて言うバカも居るけど……胸張る仕事なのよ」


「そうですね……ありがとうございます。ちょっと元気出ました!」


「べ、別にあんたの為に言ってるわけじゃ無いんだからね!?い、一般論を言ってるのよ一般論を!」


ツンデレかな?

リアナさんは少し赤くなりながら銀貨10枚をきっちり渡してくれた。





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