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第1話 さあ、出て行け




「アルト、お前はこのパーティーには必要ないんだ。悪いが出て行ってくれ」


友人であり、僕の所属するSランクパーティー、『鮮血』のリーダーであるデントから言われる。

横にいるパーティーメンバーの3人は当たり前だとでもいう顔で頷いていた。


「は?いや……なんで?」


「なんで?だって?分かりきったこと聞くなよ。お前がこのパーティーでお荷物だからだよ。スキルレベルの上限も低くいくせに、一丁前によくわからねぇスキルばっか沢山覚えてきやがって。お前みたいな器用貧乏はもうパーティーにはいらないんだわ」


「……確かに僕には君達のように何か一芸に特化してはいないけど……でもみんなの役に立てるように色々やってるじゃないか!」


「そんなの、ちょっと回復や魔法援護や支援魔法を使ってるだけだろ?それなら魔法使いのクリナと僧侶のカレナに頼めば良い」


そう言うと、隣に立っていた2人が勝ち誇った顔でこちらを見てきた。


「2人の元々の役割である攻撃魔法はどうすんだよ。そもそも、戦闘中2人が動けない時に誰が守ってると…」


「戦士であるドリズが守れば良いだけだ」


「ドリズは前線を支えるんだろ?そんな負担をかけられるか!第一、僕の支援魔法が無くなったらパーティー全体が能力低下する!」


「お前のような出来損ないとは違う、一緒にするなよ。なぁ、出来るような?ドリズ」


尋ねられたドリズは無言で頷く。


「分かったろ、お前がもうこのパーティーには必要ないって事が。さっさと出て行け」


「……パーティーの資金の管理やアイテムの調達、運搬は誰がする?」


「お前程度がやってたことなんてこのパーティーの誰にでも出来るさ。分かるか?お前はこのパーティーメンバー全員の劣化でしかないんだ」


「そんなのお前達に………」


そう言いかけると、デントが僕の首を絞めてきた。本性を見せたのだ。


「なぁ?アルト、いい加減にしろよ?こっちが優しく言ってやってるうちにさっさと出てけよ。あ!それと、迷惑料として退職金はパーティーのものって事で良いよな?」


苦しんでいる僕に漬け込んでとんでもない事を言ってきやがった。


「グッ…う……そ、そんなの……」


「なぁ?お前なら当然、俺たちに最後まで貢献してくれるよな?というか今まで貢献してこなかった分むしろこっちが金をもらいたい気分なんだ。……前から思ってたが、お前のその短剣って中々良いデザインしてんじゃん。銘入りだし、結構な業物だな。これを貰っといてやるよ」


暫く苦しんだ後手を離され、僕の愛用の短剣を奪っていった。


「はぁはぁ……ふざけんな……それは僕の父さんの形見だ!返せ!」


そう言って突っかかるが、軽くあしらわれてしまう。


「なぁ、いい加減ウゼェって。なに?もっと苦しみたいの?ドMか」


「返せ!」


「ハッ、そんなに返して欲しけりゃ返してやるさ。ただし、お前の有り金全部出せ」


有り金全部だと!?正気かよコイツ……

一文なしになったら今夜の寝床も確保できないぞ………

だが父さんの短剣の為だ。仕方ない……

僕はコツコツ貯めた有り金を全部渡した。

すると、短剣を僕の元に落とした。

一応は約束を守ったかと思ったが、直後に短剣を踏み躙った。


「ひゃはは!バーカ。こんなもんの為に本当に有り金全部出しやがったぜコイツ!しかも結構溜め込んでんじゃねえか」


「おいおい、後で俺らにも分けろよ」


「ええ〜私も欲しいんだけどぉ〜」


「デント、当然私達の分もあるのよね?」


「向こうのレストランで1番良い食事くらいなら奢ってやらぁ。おい、さっさと行けやクソアルト、目障りなんだよ」


怒るな……父さんの形見が返って来ただけでも良しとしろ……


「まさか5年も続いた冒険者パーティーがこんな所でこんな風に終わるとは思っていなかったよ。クソ野郎が」


「フッ…終わらないさこのパーティーは。お前が抜けるだけで今まで通りに続くんだ」


僕は反論も出来ずにとぼとぼとみんなの輪から出て行った。


「あははは、見た?今のアルト…随分可哀想な顔してたわよ!」


「言ってやるなよ。アイツなりに悔しいのさ……フフフ」


「でもアイツがいなくなったおかげでパーティーの空気良くなったことない?」


「おいおい、それは流石に…………あるかもな!」



「「「「あっはっはっはっは」」」」



元パーティーメンバーの4人は何がおかしいのか、かなり離れてもその笑い声を出し続けていた。

聞いているうちに泣きそうになる。

今までどれだけ惨めで悔しくても、絶対に弱音を吐かなかった……

でも今、裏切られたという悔しさからついに涙を流す。


「クソッ!クソッ!クソーーー!」


地面に座り込み叩く。

どうして……どうして……

大粒の涙が地面を濡らし、怒りが情けなさな変わっていく……

5年間も、パーティーメンバーのサポートや管理、戦闘で役立てるよう色々なスキルを手に入れて少しずつ貢献していたと思っていたのに……


そう思っていると、頭に声が聞こえてくる。



【条件を達成。隠しスキル『泣けば泣くほど強くなれる』が発動します】



これは…天の声!

天の声とは、なんらかの条件を満たしてスキルを獲得した時や、特殊なスキルを発動した時に自分にだけ聞こえてくる謎の声だ。その原理は未だ解明されてはいないのだが……


つまり、今スキルを獲得したか、発動したということだ!

一体なんのスキルが?


気になったのでステータスを開けてみる。


「ステータスオープン!」



【アルトのステータスを表示します】





名前 アルト


体力 300


攻撃力 210


魔力量 420


防御力 170


素早さ 240




スキル一覧

火魔法Lv20/20 →Lv30/70

火耐性Lv15/15 →Lv25/65

水魔法Lv18/20 →Lv28/70

水耐性Lv13/15 →Lv23/65

風魔法Lv13/15 →Lv23/65

風耐性Lv12/15 →Lv22/65

雷魔法Lv30/30 →Lv40/80

雷耐性Lv25/30 →Lv35/80

回復魔法Lv4/5 →Lv14/55

光魔法Lv3/5 →Lv13/55

光耐性Lv15/15 →Lv25/65

闇魔法Lv7/10 →Lv17/50

土魔法Lv12/15 →Lv22/65

探知魔法Lv10/10 →Lv20/60

精神魔法Lv15/15 →Lv25/65

攻撃力上昇魔法Lv20/20 →Lv20/70

防御力上昇魔法Lv20/20 →Lv20/70

素早さ上昇魔法Lv20/20 →Lv20/70

音魔法Lv5/15 →Lv15/65

重力魔法Lv5/5 →Lv15/55

空間魔法Lv25/25 →Lv35/75

鑑定Lv15/15 →Lv25/65

俊足Lv12/15 →Lv22/65

剛力Lv15/15 →Lv25/65

鉄壁Lv15/15 →Lv25/65

操気Lv12/15 →Lv22/65

罠設置Lv6/10 →Lv16/60

交渉Lv24/30 →Lv34/80

暗算Lv45/45 →Lv55/95

身体強化Lv10/10 →Lv20/70

縮地Lv4/5 →Lv14/55

料理Lv15/15 →Lv25/65

テイムLv3/15 →Lv13/65

錬金術Lv15/20 →Lv25/70

呪術Lv15/15 →Lv25/65

魔法付与Lv25/25 →Lv35/75

アイテムボックスLv10/15 →Lv20/65

高速詠唱Lv20/20 →Lv30/70

魔法威力増加Lv15/15 →Lv25/65

消費魔力減少Lv25/35 →Lv35/85

獲得経験値増加Lv35/35 →Lv45/95

必要経験値減少Lv25/25 →Lv35/85

NEW ! 泣けば泣くほど強くなれるLv50/∞






「……え?」





今日は沢山投稿します!

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