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妖精の羽って付け替え自由な感じなのかな?と不思議に思っていたらティターニア様が説明してくれた。


「妖精の羽は生え変わるのよ。知らなかった?」


知りませんでした。良く分からないけど脱皮的な?と1人悩んでいたらティターニア様が優しく説明してくれた。


「妖精の羽は、成人すると生え変わるのよ。後は、出世して位が上がると美しい羽を妖精王から授かるのよ。妖精の女王である私にも羽を授ける力があるわ」


へぇ、位によって羽のデザインが変わるとかお洒落だぁ。と目を輝かせていたらシェルの背中を撫でてキスをした。


すると、シェルは羽化した蝶のように背中を反らせるとパァッと虹色の羽を少しずつ広げた。


「わぁ、綺麗…」


うっとりと見とれていると、プルプルと細かく動かして羽を確認したシェルがティターニア様にお礼をいっていた。


『女王様、素敵な羽をありがとうございます』


微笑んで「いいのよ」と言うとティターニア様は「飛んでご覧なさい」とシェルを乗せた手をそっと開いた。


フワリと虹色の羽を光らせながらシェルが部屋の中を飛び回ると私の目の前に来た。


『小さなお姫様。助けてくれてありがとう。この羽は、お礼にあげるね』


何と、エルフの王に取られた羽を私に差し出している。


「えっと?これは、大切なものなんじゃ…」


貰って良いのか分からずにいるとティターニア様が側に来て私の頭を撫でてくれる。


「貰ってあげて頂戴。レイラが受けとるのが一番よいと思うわ。虹色の妖精の羽は、宝石として貴重なのよ」

「それじゃあ…。シェル、ありがとう」


シェルにお礼を言って受けとると、とても喜んでくれた。


「レイラ、シェルを助けてくれて本当にありがとう。それから、番が見つかって良かったわね。心からお祝い申し上げるわ。まさか、行方不明の王子だとは思わなかったわ。また、お茶会をしましょう。いろいろ聞きたいわ」


ティターニア様がニコニコしながら、抱き締めてくれた。


「さあ、シェル。妖精の森へ戻ってご両親を探すわよ。皆さまにご挨拶して」

『小さなお姫様。助けてくれて本当にありがとう。アイテール様、世界樹様、それから皆さま。失礼致します』


シェルは可愛らしくお辞儀をすると、ティターニア様と一緒に帰って行った。


「お父さんとお母さんに会えるといいね」


私の呟きに皆が頷いてくれた。


「レイラ、私からもお礼を言いますわ。イネスを助けてくれてありがとう。怖い思いをしたわね。大丈夫?」


オンディーヌ様が私を抱き締めてくれる。


「とっても怖かったけど、もう大丈夫」


私が返事をすると「良かったわ」と微笑んでくれた。


「それから、番が見つかって良かったわね。私からもお祝い申し上げるわ。そうねぇ、番に関して少し学ぶ必要があるかしら?でも…放っておくとアイテールが嫉妬して変なこと教えそうだわ」


オンディーヌ様がそう言うとアイテール様がスッと目をそらした。


「もし良ければ、私の母上に教わるのはどうだろうか?」


ジェラルドが遠慮がちに提案をしてくれた。


「そうね、ミレイユに番について教わると良いわ。義理のお母様になるんですもの、それがいいわね。私も同席するから、それなら良いでしょ?」


アイテール様が渋々頷くと「しょうがないわねぇ」と笑って「男親には聞きにくいことも有るのよ。レイラの今後の為にもミレイユにちゃんとお願いするのよ!」と釘を刺されていた。


「私は、イネスを連れて帰らないといけないから。レイラ、日を改めてミレイユとお茶しましょうね」と約束をしてイネスさんとは、お手紙を送る約束をした。


二人が部屋から出ていくと「さて…」とアイテール様がキアランさんの前に座った。


「いくつか、聞いておきたいことがある」

「私に答えられることでしたら、何でも聞いてください」


アイテール様は、キアランさんの双子の妹リリアンについて質問をしていった。


魔王がリリアンを番であると気づいたのは、リリアンがまだ幼い頃だったそうだ。その為、魔王は【空の国】の皇王を通して正式にリリアンと婚約を結んだ。


リリアンの成人の儀が終わり次第【魔国】へと嫁ぐことが決まっていた。しかし、リリアンの両親は自分達の娘が【魔国】へ嫁ぐことを良しとしなかったという。そこで、皇王に相談した両親はリリアンの成人の儀が終わると同時に時空牢へと自分達の娘を入れてしまったのだ。


もちろん、【魔国】から【空の国】へと迎えに来た魔王は正式に抗議したがリリアンは精神を病んでしまい療養中だと伝えられたそうだ。魔王は、自分の番を世界中探したが見つけることは出来なかった。


「それが、300年ほど前の話です。私は、リリアンが精神を病んでいない事は知っていましたから父に反発し家を飛び出して時空牢の情報を集めていたのです」



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