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07

張り切って世界樹のお爺ちゃんの所へ駆け寄る。


「では、愛し子様お願いしますよ」


世界樹のお爺ちゃんが世界樹の実を持って


「どの辺りに植えましょうかね。やはり、泉の側が良いですかな」


と辺りを見回して泉の為にへこませた所から10メートルくらい離れた場所で私を呼んだ。


「愛し子様、この辺にしましょう」


どうやら、植える場所が決まったみたいです。


私の魂に刻まれた知識によると世界樹は、このスウェンターレの世界に12本あって順番に世代交代をしていくことになっている。


通常であれば、同じ場所に世代交代をした新しい世界樹が誕生するんだけど。今回は、ランディローザ国の王様が世界樹の実を取ってしまって世界樹が枯れてしまったと言う特殊条件だ。


「通常なら老いた世界樹の知識と記憶、それから栄養分を新しく誕生する世界樹に渡すんだけど。今回は、栄養分の所は私があげるから心配しなくて大丈夫だよ」


アイテール様がフォローしてくれるそうなので早速、始めることになった。


「愛し子様、私はここでお別れですが。新しく誕生する世界樹にちゃんと記憶は受け継がれますから、これからもどうぞよろしくお願いいたしますね」


と世界樹のお爺ちゃんから言われてちょっと寂しくなってきてしまった。


「大丈夫だよ。すぐ、また会えるから」


アイテール様が頭をナデナデしてくれる。


「うん。お爺ちゃんレイラ頑張るね」


そう言うと、世界樹のお爺ちゃんはとても嬉しそうに笑ってくれた。


「では、始めるとしましょう」


世界樹のお爺ちゃんが世界樹の実を砂の上に置く。世界樹の実は金色のリンゴみたいな形をしている。但し、大きさはカボチャくらいあって私が一人で持ち上げると少しフラフラしてしまう。


「愛し子様、ここに手を置いてください」


世界樹の実の上に手を置くように言われる。


言われた通り手を置くと、その上から世界樹のお爺ちゃんが手を添える。すると、金色の光の粒が世界樹のお爺ちゃんからフワッと溢れ出し目を開けていられないほど眩しくなる。


「愛し子様、最後にあなたに会えてとても嬉しかったですよ。新しく誕生する世界樹の事、頼みますね」


世界樹のお爺ちゃんの声が聞こえたと思ったら光が世界樹の実に吸い込まれていく。


「世界樹のお爺ちゃん、ありがとう。待ってるね」


ちゃんとお爺ちゃんに聞こえたかな。

そんな事を考えていると、後ろからアイテール様が私の手の上に自分の手をそっと重ねた。


「ほら、レイラ。そろそろ来るよ」


光輝く世界樹の実をじっと見つめる。


それは、突然始まった。


世界樹の実から芽がニョキッと出たと思ったら、凄まじい勢いで育ち始めた。ほんの一瞬で5メートルほどの高さまで育っている。しかし、アイテール様にガッチリと手を押さえられている私は、どんどん大きくなる世界樹に飲み込まれそうだ。


「アイテール様、このままだと世界樹に飲み込まれちゃう」


涙目で後ろのアイテール様に訴えると


「大丈夫だよ。手を離さないように頑張って」


と励まされてしまった。

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