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町に戻ると商店街を散策する。和洋折衷の町並みに興奮しながらディザと調べたお店を探して町を歩く。


まずは、調味料屋さんを覗くことにした。色々な調味料が瓶詰めになって並んでいる。


「あった、七味…と山椒!」


七味や山椒ってあまり使わないから香りが飛びやすい。でも、冷凍庫で保存をすると香りが何年も保つんだよね。香り物の調味料の保存場所は冷凍庫に作って貰おう。隣の棚を見ると白ゴマ発見。次々に欲しかった調味料が見つかった。


「使い道を知らないと、調味料って手が出ないからね。今度は、ウェスタと一緒に来ようね」と、ディザと約束をした。


調味料は、家で消費するからとアイテール様がお金を払ってくれた。


お店を出てすぐに酒屋さんがあったので、バッカス様とバルドル様、アレス様へ約束のお土産を買う。バルドル様には、日本酒の甘口。アレス様には、辛口を。バッカス様には、焼酎、芋焼酎、麦焼酎の飲み比べセットにした。


酒屋さんでお勧めの和食器屋さんを教えてもらって行ってみた。最近、和食にハマっているウェスタの為にも何枚か和風のお皿と今まで無かったどんぶりを購入した。これで、丼ものが作れるね。そうそう、忘れずに急須と湯呑みも買ったよ。


近くのお茶屋さんで、緑茶とほうじ茶、玄米茶の三種類を購入した。和食には、お茶が欲しい。


皆で少し町をブラブラ歩いているとフワリといい匂いがした。キョロキョロしてヴァンに聞く。


「ヴァン、今いい匂いしたの気がついた?」

「花の香りか?」

「そう、それ!」


「それならあの店だ」と、通りすぎたお店を指差して教えてくれた。


「アイルパパ、ちょっとあそこのお店に行ってくる」


そう言うと、ルミエールがヴァンから私を引き取って「私と行きましょうね」と微笑んだ。


「なんで?」と首を傾げているとヴァンが謝ってきた。


「レイラ、悪いが。香りものは俺の鼻にはキツくて駄目なんだ」

「あっ、そうなんだ。じゃあ、行ってくるね」


ヴァンは、鼻が良いから香りが強いものは辛いよね。気がつかなかった。


「ルミエールは、大丈夫なの?」

「私は毎日、薬草を扱っているので耐性がついているのですよ」


そうなの?と思ったけど、お店に辿り着いて考えるのを止めた。だって、可愛いガラスの入れ物に入った練り香水が売っているんだもん。


「可愛い、いい匂い」


ルミエールに降ろしてもらって匂いを嗅いでみる。ローズの香りやラベンダーの香り、和風の桜や柚子の香り等、沢山の種類がある。


「ルミエール、あのね。オンディーヌ様とティターニア様にこれをお土産にしようと思うんだけど喜んでくれるかな?」


安物の練り香水なんていらないかな?


「こちらの品は、お値段は安いですが大変質の良い物ですし入れ物も可愛らしいので喜ばれると思いますよ」


良かった。それじゃあ、どの匂いにしようかな。沢山あって選ぶのが難しいな、と悩んでいたらお店のお姉さんが声をかけてくれた。


「いらっしゃい。練り香水を選んでいるの?」

「うん。知り合いのお姉さんたちにお土産に買っていきたいの」


そう答えるとお店の中に案内して、カウンターの椅子をすすめてくれた。


「ここの練り香水は、ブレンドも出来るのよ。お姉さん達のイメージを教えてくれたらオリジナルの練り香水を作るわ。あっ、ちなみに私はここの店長よ」


店長のお姉さん素敵です。早速、オンディーヌ様とティターニア様のイメージを伝えて練り香水を作って貰う。


オンディーヌ様は、リリーをベースに爽やかさの中にも甘さのある香りを。ティターニア様には、ミュゲの香りをベースに繊細で優しい香りが仕上がった。


「お姉さん、ありがとう!」


もぅ、大満足。と思っていたらルミエールがコソコソっとお姉さんに耳打ちすると「ちょっと、待ってね」と、練り香水をもう1つ作り始めた。


「はい、あなたの為の練り香水よ。ジャスミンの香りをベースにムスクを入れて少し甘くしてみたの。どうかしら?」

「すっごく、いい匂い。この匂い大好き」


前世では、あまり香水をつけるタイプではなかったけど。この匂いなら、お出掛けの時とかつけてみたいと思える。


「良かった。この練り香水は、このお兄さんからプレゼントですって」


お姉さんに言われて、ルミエールを見上げる。


「せっかく素敵な着物を着てるんだから、匂いも素敵な方が良いですよね」


そう言って微笑んでくれるルミエールに「ありがとう」と、抱きついてお礼を言ってしまった。


お会計をしてお姉さんにお礼を言ってお店を出るとアイテール様達を探す。


「おや、あそこですね」


ルミエールが言った通りすぐに見つかった。




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