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ギルドのランクについて、ジーノさんが説明してくれた。


ランクはS,A~Fと有るそうだ。基本的なゲームと一緒で分かりやすい。カードの色は、F~Dがブロンズ、Cがシルバー、Bがゴールド、Aがプラチナ、Sがブラックと変わるそうだ。


これは、採取や討伐の依頼をこなす事によってランクが上がる仕組みになっている。


「ヴァンは、どのランクなの?」


何気なく聞いたらジーノさんがビックリした。


「知らないんですか。ヴァンはSランクの有名な冒険者ですよ」


あ…ごめんなさい。とショボーンとした私の頭をヴァンが撫でてくれる。


「昨日、会ったばかりなんだから知らなくても可笑しくないだろ。ほら、これが俺のギルドカードだ」


ヴァンのカードは、ブラックで金文字浮かび上がっていて格好いい。


「ブラックのカード格好いいな」


何気なく私が溢した言葉にディザが反応した。


「たぶん、レイラも少し頑張ったらSランクになれると思うんだよね」

「ふぇ?」


私から出た変な声はスルーされてヴァンが応える。


「特殊採取とその内、防御魔法と攻撃魔法の練習も始めるからな」

「うん?」


首を捻る私に二人が教えてくれる。


「俺とディザ、あとルミエールと一緒に練習を兼ねて依頼を受けていれば、すぐにランクが上がってしまうだろうし。レイラの居る環境が特殊だからな、何がおきるか分からん」


ヴァンの説明によると、回りの人たちのレベルが高いから嫌でもレベルが上がるだろうと言うことらしい。


「すまん、待たせたな」


オディロンさんが、何枚かの依頼用紙を持って帰ってきた。


「この依頼を頼みたい」


ジーノさんが依頼用紙を何枚か見てオディロンさんを止める。


「オディロン、流石にこれは危ないんじゃないか?こんな辺境や危険地帯にしか生えていない薬草の採取なんて、全部Aランクですよ」


依頼用紙を見ていたディザがケロッと答える。


「ご心配ありがとうございます。この依頼の薬草は世界樹の回りに全てありますから今日中に納品できると思います」


私もビックリしたけど、ジーノさんと依頼用紙を持って来た本人のオディロンさんまで驚いている。


「今後、こう言った特殊採取の依頼が来ましたら優先的にヴァンへ連絡を貰えますかね」


ディザがそう言うと、二人はガクガクと首を縦に振っていた。ディザが黒い。


「じゃあ、俺たちは帰るからな。今日は助かった」


私を抱き上げるとヴァンがオディロンさんとジーノさんにお礼を言う。


「あぁ、また遊びに来いよ」


オディロンさんにそう言われて部屋を出た。ギルドの1階に行くと先程騒いでいたお姉さん達は居なくてホッとした。


「取り合えず、腹ごしらえをしてからカゴを買いに行くか」


ヴァンは、ギルドの裏側に向かって歩き出す。すると、両側にお店が沢山ある商店街のような道に出た。


「何か、食べたいものはあるか?」


おすすめを聞くと、バンガーズ&マッシュが無難だろうと言われた。フィッシュ&チップスと言われるかと思ったけど、そこはヴァン。魚より肉を取ったらしい。


お店に入るとウェイターさんがすぐにオーダーを取ってくれた。


「わぁい。異世界初グルメ」


とテンション高めに言ったら、ヴァンが「マジかよ」と困っていた。それなら、もっと美味しいお店にすれば良かったとぼやいていた。


バンガーズ&マッシュは、ソーセージとマッシュポテトのことでオニオングレイビーソースがかけられている。ここのお店では、牛肉と豚肉の二種類のソーセージが出てきた。太めで大きいソーセージに本当はかぶり付きたいけど、大きすぎるからナイフで切っていただきます。


「おいしぃ。肉汁たっぷり」


マッシュポテトはソースと少し混ぜて食べるとバターとちょうど良い味になる。お皿の半分くらいでお腹が一杯になってしまったけど、ヴァンが残りを食べてくれた。


「美味しかった!」


そういうと「よかったね」とディザが言ってくれる。ちなみに、ディザはフィッシュ&チップスにキッシュを食べていた。


「腹ごしらえも出来たし、買い物に行くか」


ヴァンは、私を抱き上げるとレジでお会計をする。腕に嵌めている腕輪を精算機に近づけるとギルドカードと連動していてお金が払えるらしい。電子マネーと同じ仕組みだね。


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