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いつもお読みいただきありがとうございます。
今日は、2話一緒に投稿しています。
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私を…呼ぶ声…
優しい声…あなたは誰…
黒い生き物…傷が増えている…
傷つけるのは…アイツ…
許さない…絶対に…
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フッと目を覚ますと…
ディザとヴァン、ルミエールが心配そうに私を見ている。
ルミエールが私の脈を測りながら頭のこめかみ辺りに指を二本添えている。
「レイラ。今、見た夢を思い出せますか?」
お医者さんの質問みたいに聞かれて、えっと…と夢現に思い出す。
「誰かが私の事を呼ぶの。真っ暗な所で…鎖に繋がれていて…それから、えっと…」
ルミエールが「ゆっくりでいいですよ」と言ってくれる。
「瞳の色が瑠璃色で…怪我をしているの。助けてあげたいんだけど…動けなくて。あれ?前にも夢で見てるかも…足元に今日見たような魔法陣があった気がする」
ディザが私の頭を撫でながら「他にも思い出せる?」と聞いてくる。
「初めて私を見た時、泣いたの…。優しい声をしていた……それから…アイツが…」
その辺りで私は、また眠ってしまったようだ。
~Sideアイテール~
深夜、ディザから連絡が来た。レイラがまた夢を見たと言うが、今は穏やかに眠っている。
ルミエールが記憶を引き留めて内容を確認出来たようだ。
「それで、夢に干渉してきているのは誰なんだい」
少しイライラしながら聞くと皆が曖昧な顔をした。
「レイラの夢を垣間見れたのは、ほんの一瞬だったので特定までは出来ていませんが」
と前置きをしてルミエールが説明を始めた。
レイラが見る夢は、暗い地下と思われる石造りの比較的大きな部屋であること。黒くて大きな魔物が鎖に繋がれ、魔法陣によって身動きが取れない状況に陥っていると考えられること。怪我をしており、その怪我が夢に見るたび増えていっていること。
「夢の中の魔物は、レイラに危害を加える様子は無いようです。瑠璃色の瞳をしていて、優しい声のどうやら雄のようでした」
腕を組んで眉間にしわを寄せながら話を聞いていたアイテール様が顔をあげる。
「干渉してきた者の所在地は、分かったのか?」
ルミエールは、少し考えるとこう言った。
「この大陸内に居るのは間違いないと思います。方角は、【砂漠の世界樹】より南方。私の予測では【水の国】か【エルフの国】と思われます。【森の国】では無いと思いますので古代エルフの里も違うと思います」
アイテール様は、ひとつ頷くと心配そうにしているヴァンとルミエールにレイラが来た初日の夢について話をした。
「あれは、闇に蠢く奴らが魂の定着前にレイラを連れ去ろうとしたものだったが。今回の夢に干渉してきている者は別のものだろう。今後もレイラの護りを頼むよ」
そう言うと、調べものがあるからと帰っていった。
~Sideディザ~
アイテール様が帰った後、レイラの眠る顔を見ながら三人で今後の護りについて話をすることにした。
「先日、レイラをアイテール様と懇意にしている方達に御披露目したんだけど。その時にも夢を見て、アレス様が気づいて教えてくれたんだ。内容までは分からなかったけど、来てくださった神様達がレイラに加護をくれたんだ」
二人が息を飲む音が聞こえた。普通、神様や精霊は滅多なことでは加護を与えない。相当気に入った者か、何か大きな理由がある時だけだ。
「ちなみに、アレス様以外には誰が居たんだ?」
「バッカス様が言い出して、バルドル様、オンディーヌ様、ティターニア様だよ。特にアレス様がレイラを気に入ってね、ウトウトし始めたレイラの添い寝をしてくれたんだ」
今度は、二人とも目を丸くする。うん、僕もビックリしたからね。アレス様は、気性が激しく大人でも近寄りがたいお方だ。
「それから、オンディーヌ様とティターニア様とは狐族領の甘味処を調べてくるから一緒に食べに行こうって約束してたな」
ちょっと、遠い目をしないでほしい。
「取り合えず、レイラが規格外なのは理解出来ました」
ルミエールがため息混じりにそう言うとヴァンも頷く。
「それだけの加護を潜り抜けて入ってくる思念だから、相当の執念か相性が良いかだな。俺もアイテール様がいない日はここで寝ていいか?フェンリルの姿で隣に寝る」
そう言うと、小さめな狼の姿になるとレイラの隣に横たわって尻尾で顔を撫でる。すると、レイラがスリスリと顔を擦り寄せると尻尾を抱き締めてホウッと顔を綻ばせた。
「どうやら、抱き枕に就任したようですね。私は、部屋にいますが気付いたら今日のように転移してくることにしますね」
アイテール様に恨まれるのは嫌ですから。と言ってルミエールは部屋に戻っていった。




