49 お勉強の日〔精霊召喚-3〕
いつもお読みいただきありがとうございます。
今日は、2話一緒に投稿しています。
ヴァンに言われて、二人の日常生活が気になってきた。
「ねぇ、ヴァンとルミエールはいつもどんな生活をして居たの?お仕事もするの?」
私の質問に二人とも驚いている様子だ。
「あぁ、ごめんね。レイラは、この砂漠からまだ出たことがないんだ。どんな職業があるかとか知らないから教えて上げて貰える?」
ディザが説明して、立ち話もなんだからとなってお家でアフタヌーンティーを飲みながら話をすることになった。
「それで、職業だったか?」
カネルが入れてくれたダージリンの紅茶を飲みながらヴァンの話を聞く。
「俺は【空の国】神聖フォルテーティアで冒険者をしている。精霊であることは伏せて、人に紛れて生活をしているんだ」
「やっぱり、冒険者なんだ!」
身を乗り出してヴァンにそう言うと、ビックリしていた。
「レイラは今度、ギルドに登録しに行く予定なんだよね」
ディザが頭を撫でながらヴァンにギルド登録をすることに至った経緯を説明している。
「小遣いを自分で稼ごうなんて立派な志だな。ますます気に入った。良ければ、俺がギルドに連れて行ってもいいぞ」
ヴァンが申し出るとアイテール様が「うーん」と唸っている。
「アイルパパ、どうしたの?」
心配になって顔を覗き込むと、眉を寄せてこう言った。
「レイラがギルドに登録にいくのに私も付き添いたかったけど。最近、忙しくて行けて無かったし。ヴァンの方がギルドに詳しいだろうから任せた方がいいと言うことは分かっているんだけど…レイラのギルド初登録が見たかったなってね」
うん。安定のアイテール様だったので大丈夫そう。
「僕が一緒に行って、メモリーキューブにしっかり納めて来ますよ」
ディザがアイテール様をなんとか落ち着かせて話は決まったみたい。はじめてのおつかい的な事になるのかな。
「ルミエールは、何のお仕事をしていたの?」
「私はですね【エルフの国】で、薬の開発の仕事をしているのですよ」
おぉ、薬学のお仕事をしているんだ。それにしては、服装が魔導師ぽいのはなぜだろう?この世界には、薬師とか回復術士と言う職業は無いのかな?
「ルミエールは魔導師なのかと思ってた」
「私は、光の眷属ですから浄化や癒しの精霊魔法が使えますから。そちらのお仕事もしているのですよ」
光属性の綺麗なお兄さん。モテそうですね…多方面から。と考えていたらルミエールがニッコリ笑って
「何か、良からぬ事を考えていませんか?」
と言われてしまった。笑顔が怖いです。
「それで、二人は今後どうする?ここに住む予定?」
と、ディザがサラッと聞いている。どういうことか聞くと、メルは鳥の姿が気に入っているから世界樹の枝に立派な巣を作って旦那さんと生活をしているそうだ。そうやって、契約した精霊は契約者の近くに住むのが一般的なんだって。
「そうだな、俺はここに住まわせてもらおうかな。転移が出来るから【空の国】の部屋も残しておこうと思う」
「ええ、私もこちらに住まわせて頂いて【エルフの国】から仕事の依頼があれば受けるようにしましょう。家も残しておくことにしましょう」
二人とも世界樹のお家で住むことを希望すると言うことで、ディザが4階に部屋を作ってくると言うと。「手伝います」と二人が付いていった。ついでに、家の中を案内してくるそうだ。
「レイラ、家族が増えたみたいで良かったね。それでも、寂しいときは、ちゃんと私を呼ぶんだよ」
アイテール様はそう言って頭にキスをすると、ウェスタを呼んで住人が増えた事と、私の精霊契約が成功したから今夜はお祝いするよ、と伝えていた。
精霊契約が成功したら家族みんなでお祝いするんだって。ウェスタがカネルも呼んでパーティーのような夕飯を作ってくれた。最後には、私の大好きな苺の可愛いケーキが出てきて大満足だった。
幼い頃に両親を亡くしたから誕生日以外にお祝いされてとても嬉しかった。私は、新しい家族が増えたことに感謝して眠りについた。




