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オンディーヌ様と挨拶をしていると、ガヤガヤと男の人の声が聞こえてきた。


「あら、バッカス達が来たみたいね」


入り口の方を見ると、三人の身長の高い男性が入ってくるところだった。


「アイテール、君のお姫さまを見に来たよ」


お手紙を送ってきたバッカス様を先頭に二人の男性もこちらへ向かってくる。


バッカス様は、ブラウンの髪の毛にヘーゼルの瞳でとてもハンサムなお兄さんだ。スリーピースのスーツにハットを被りステッキを持っている。


私の前まで来るとハットをとって、膝をついて挨拶をしてくれた。


「はじめまして、お姫さま。俺の名前は、バッカス。会えてとても嬉しいよ」

「はじめまして、レイラです。あのね、今日来てくれるのを楽しみにしてたの」


スカートの端を持って挨拶をすると「かぁわいい」と抱き上げられてしまった。


「見て、バルドル。こんな可愛い子がアイテールの娘なんて信じられる?」


クルリと後ろを向くと、バルドルと呼ばれた男性がフンワリと笑っていた。


尖った耳に白くて長い髪は三つ編みにして横に垂らしている。瞳の色はアメジストのような紫で、着ている服は、白いアオザイの様な服で紫色の綺麗な刺繍が入っている。色が白く中性的で神秘的な神様だ。


「はじめまして。私はバルドルだよ、よろしくね。今日は、お招きありがとうございます。」

「はじめまして、レイラです。よろしくお願いします」


バッカス様に抱っこされたままペコッと頭を下げたら、頭を撫でられた。


「アレス、早くこっち来いよ」


バルドル様の後ろの人にバッカス様が声をかける。


アレス様は、身長が2メートルくらいありそう。黒髪にシルバーのメッシュが1本入っている。切れ長のグレーの瞳は鋭くて紺色の軍服と相まってちょっと怖い。


「こいつは、アレス。見た目は怖いけど優しいやつだから仲良くしてやって」


バッカス様に紹介されてアレス様を見ると、無表情でこちらを見ていてビクッとしてしまった。


「レイラです…。あの…今日は、来てくれてありがとう」


ちょっと緊張したけど、ちゃんと挨拶できてヘラっと笑顔が漏れてしまった。すると、アレス様が私の手を取って少し屈むと


「アレスだ。今日は、来れて良かった」


と言ってフワリと笑ってくれた。それを見たバッカス様が「おぉ、アレスが笑った」と驚いていたから貴重な笑顔だったのかもとジーとアレス様の顔を見ていたら、後ろからアイテール様に抱っこされた。


「私の娘を勝手に連れていくな。それに、勝手に押し掛けてきたのはお前たちだからな」


アイルパパがちょっとご機嫌斜めになっていた。


「早速、何か喧嘩しているの?」


おっとりとした声がする方を見ると花をあしらった薄い緑色のドレスに牡丹のような大きなピンクの花をダークブロンドの髪の毛に飾った背の低い女性がいつの間にか立っていた。綺麗なエメラルドグリーンの瞳をしている。


「あぁ、ティターニアいらっしゃい。喧嘩じゃないよ、今回もバッカスが勝手に押し掛けてきたって話をしてたんだよ」

「フフっ、そんなのいつものことじゃない。それで、腕に抱いている子がアイテールの娘なの?」


そう言われて、アイテール様の腕の中からあいさつする。


「レイラです。今日は、来てくれてありがとう」

「可愛らしい娘ね。ティターニアよ、仲よくしてね」


そう言って、私の頬っぺを指でフニッと押して「プニプニだわ」と喜んでいた。


「みなさん、どうぞお好きな席にお座りください」


と、ディザが誘導するとみんな思い思いの場所にすわって話をし始めた。ウェスタとカネルがサッと来て各自にお酒の入ったグラスを置いていく。途中で、カネルがバッカス様からワインを何本も預かっていた。ちゃんと持ってきてくれたんだ。

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