35
今日は、アイテール様がお仕事で居ないけど。お勉強はお休みで、カネルとウェスタとディザと私の四人でパーティーのお料理を考えることにした。
「レイラは、何を作ろうと思っているの?」
ディザに言われて、私の頭に浮かんでいるのは前世で良く作っていた《手まり寿司》だ。一口で食べれるのは、パーティーに合ってるし見映えも良くて一品として悪くないと思う。
「手まり寿司って言う、私が居た国の一口サイズで食べられる物にしようかと思っているの」
『手まり寿司…聞いたことないな。どんな料理か楽しみだ。材料は、言ってくれたら用意するよ』
ウェスタが興味津々で乗り出してくる。
「お米と、具材は何が良いかな…。サーモンとアボディ、海老と。いくらって皆食べるのかな?それから金糸卵と生ハムとクリームチーズも美味しいかな」
指折り数えながら材料を口にすると、ウェスタがメモを取りながらウンウンと聞いてくれる。
『米は、獣王国の狐族のところが美味しいからそこから取り寄せよう。それから、いくらと言うのは魚卵で合っているか?』
「そう。鮭のたまご」
お米は、少し多目に取り寄せてもらう事にした。だって、私が食べたくなっちゃったから。まずは、塩おにぎりが食べたい。
「あと、お醤油が欲しい。本当は、お味噌汁も飲んで欲しいけど…あっ。お吸い物なら出きるかな」
『お吸い物。それも、異世界の食べ物か』
そんな感じでウェスタと相談をして手まり寿司と貝のお吸い物を作ることにした。ただ、私が心配しているのは酢飯を食べなれない人にはどうだろう?と言うことだったんだけど。レモン汁とはちみつで代用して香りも爽やかにして作ることにした。
『飲み物は、どうしましょうね』
カネルがアイスティーやレモネードは作ってくれる予定だからその他に考える。
「ねぇ、カネル。炭酸水ってある?シュワシュワするお水」
『タンサンスイですか?聞いたことないですね』
炭酸水無いんだ。何となくそんな気はしていたんだけど残念。でも、炭酸も無性に飲みたくなるよね。でもビールとかもないのかな。
「麦酒とかって無いの?」
『麦酒はありますよ。あれは、シュワシュワしてますね。でも、水でシュワシュワしているのは聞いたことないですね』
残念。お酒が飲める年になるまでは炭酸は飲めないかも。
「レイラ、水のことならエレインに聞いてみたら」
確かに、水の精霊であるエレインに聞いたら分かるかも。
「うん。ちょっと聞きに行ってくる」
ディザと一緒に泉へ行って、エレインを呼んでみる。
「世界樹様、レイラ様。どうなさったんですか」
「あのね、エレインはシュワシュワするお水って知っている?」
エレインに炭酸水の説明をすると、あっさり返事が帰ってきた。
「稀に、そう言った泉が出来ることがありますね。お望みであれば、オンディーヌ様にお願いしてタンサンスイの泉を作ることは可能ですよ」
「お願いしたいです!」
ちょっと食いぎみにお願いすると、エレインさんはオンディーヌ様のところへ行ってきますと泉の中へ消えていった。
「ディザ、ありがとう。炭酸水があるなら、ジンジャーエールを作りたい」
「へぇ、初めて聞く飲み物だけど。楽しみにしてるね」
手を繋いで家に帰ると、カネルとウェスタに炭酸水が手に入りそうな事とジンジャーエールの説明をした。
『デザートは、どうしますか?』
「どうしようかな、見た目が可愛い物が作りたいな」
見た目が可愛いと言えば、ベリー系のフルーツが乗っているものを想像するよね。ホームパーティーだから…
「ベリーのトライフルにしようかな。森にベリー系の実が一杯熟していたからそれと。スポンジケーキと生クリーム。後は、クリームチーズとシリアルがあれば出来るよ」
『まぁまぁ、簡単に出来るデザートですね』
そうなの。スポンジケーキがなくてもホットケーキやバームクーヘンなんかで代用しても美味しいんだよね。
「じゃあ、レイラの担当するのはその位でいいかな。後は、ウェスタとカネルに任せていいかな」
『ああ、任せてくれ』
『大丈夫ですよ』
二人ともメニューが決まったら教えてくれるそうだ。




