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グランピングは、グラマラスとキャンピングを合わせた造語だったはずだ。


「たしか、豪華で優雅なキャンプて意味でこんな風にティータイムしたりデザート食べながらゆっくりお喋りしていて過ごすキャンプなんだけどね。キャンプでソファを用意したり寝心地の良いベッドがあったりでキャンプて言って良いのかちょっと分からない」


実際に私は、グランピングを体験したことは無かったから説明もちょっとあやふやになってしまう。


「それは、楽しそうだね。森の中でグランピングしてみたいね」

「このデッキに、そのグランピングが出来るようにして。たまには外で食事も良いと思いませんか?」


アイテール様とディザが相談をして、この泉の上にあるデッキをグランピング仕様にして寛げる空間にすることが決まったようだ。外でバーベキューとかしたいな。今からとっても楽しみ。


「あっ。そろそろ始まるよ」


ディザは、そう言うと夜空を指差した。つられて、夜空を見上げると満点の星空に3つの月が輝いている。目の端でチカチカッと星が瞬いたと思ったらヒュッと泉に向かってきた。


「えっ、流れ星が落ちてくる」


思わずアイテール様にしがみついてしまう。


「アハハ、大丈夫。全部、泉に落ちるから」


アイテール様が笑ながら私を膝の上に座らせる。アイテール様にしがみつきながら見ると、沢山の流れ星がヒュンと泉の上まで来るとポチャンポチャンと落ちていく。たまに、水の上をダンスするように滑っていく星たちもいる。泉に落ちた流れ星は、私の拳程で泉の底で青白く光っている。


「流れ星、落ちちゃって大丈夫なの?」


泉に流れ星が落ちたのは、わずか10分程の間で泉に落ちきると辺りは静かになった。泉の中は、青白く光る星によってボウッと浮かび上がって見える。すると、泉の中から青白く光っていた石がスッと水面に上がってきた。


「見てごらん。水の妖精が生まれてくるよ」


アイテール様の指差す先には水面に上がってきた星から青白い光を放ちながら羽化する妖精が居た。水色の髪に青い瞳の妖精は水色の硝子の様な羽根で水面を飛び回っていた。まるで、沢山の蛍が飛んでいるようだ。


「レイラ、泉の中も見てごらん」


ディザに言われて泉の中を覗き込むと、水中を泳ぎ回る青い光が沢山あることに気づいた。

よく見ると10センチに満たない大きさの人魚のような妖精達が泉の中を泳ぎ回っている。


「泉の中を泳ぎ回っているのが泉の妖精で、空を飛んでいるのが水の妖精だよ」

「凄く…綺麗」


目の前にある泉では、沢山の妖精達が飛び回り楽しそうな笑い声が聞こえてくる。


『アイテール様、世界樹様、小さなお姫様。こんばんは』


生まれたばかりの妖精達が挨拶に来てくれる。こちらが挨拶をする前にキャッキャとはしゃいで何処かへ飛んで行ってしまうので、好きなようにさせている。


「レイラ、どうだった?」

「あのね、流れ星が落ちてきたときは怖かったけど。妖精達が生まれてきた瞬間はとっても綺麗だった。それからね、お星様から妖精が生まれるなんて知らなかった」


ディザに聞かれてまだ、興奮したまま伝える。妖精が生まれた瞬間は、本当に綺麗で言葉を失ってしまったくらいだ。


「妖精の生まれかたは様々だけど、どれも綺麗だからね。また、機会があったら見に行こうね」


ディザと約束をした。また、妖精さんが生まれるところを見れたら良いな。


「レイラ、妖精の生まれる所を見れて良かったね。さて、もうだいぶ遅い時間だから寝る準備をしようか」


アイテール様に言われてお家に帰って寝る準備をする。


「仕事があるから、明日と明後日はここに来れなくてごめんね。3日後に森の精霊の様子を一緒に見に行こう。おやすみ」


アイテール様に「おやすみ」を言って、おでこにキスをして貰うと。今夜も直ぐに眠ってしまった。

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