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ディザと朝食の後片付けを済ませると、ピクニック用にサンドイッチを作り始める。


「サンドイッチの具材は何にしようかな」


と呟きながら、ディザが冷蔵庫の中を物色している。


こちらの冷蔵庫は、保冷の魔法陣と氷の魔石を組み合わせて作られている魔道具だ。この世界では基本的に魔道具を使うから家電品とか電気で動く物は今のところ無いみたい。コンロも火の魔石と魔法陣が組み込まれていて、魔石に触れるとガスコンロみたいに火が出る仕組みだった。

冷蔵庫の中には保存の魔法陣も組み込まれていてお野菜とかも長持ちするんだって。冷蔵庫の中身はウェスタが色々入れておいてくれているみたい。


「とりあえず、卵とハムは使うでしょ。後は、アボディの実とエビもあるな…」


ディザが独り言を言いながら食材を出していく。アボディは見た目、アボカドなんだけど。味も同じなのかな。


「レイラは、このパンにバターを塗っておいてね」


ディザが卵とエビを茹でながら私にお手伝いをさせてくれる。薄切りの食パンにバターを塗っていく。


隣ではディザがアボディを切っていた。


「ディザ、それちょっと味みたい」


そう言うと、アボディを小さく切って口に入れてくれた。


「お味はどうですか、そのままでも美味しいと思うけど。少し青臭く感じる人も居るからね」


ディザが説明してくれる。


「うん、アボカドだ。このアボディ、レイラの世界にもあってアボカドって名前だったの」

「へぇ、食材の名前とか大体同じかと思っていたけど。違うものもあるんだね」


そんな話をしていたらアイテール様が


「大体の食材は同じだと思うけど、魔物の肉や魔力を蓄えた植物は無かっただろうから。その辺は、初めて食べることになるんじゃないかな」

「えっ魔物のお肉って食べられるの」


まだ、魔物自体を見たことないから実感は湧かないけどビックリした。


「泉の魚も魔力を持っているから魔物だよ」


ディザが気づいてなかった?と言う感じで聞かれて意外と身近にも存在することにまた、ビックリしてしまう。


そんな話をしながら出来上がったサンドイッチと飲み物なんかをアイテール様がアイテムボックスのなかに入れてピクニックの準備は完了した。


「はい、この靴を履いて」


ディザが出してくれた靴を履いて準備万端です。手を繋いで玄関の外に出ると、昨日とは全く違う景色に驚いてしまった。


「わぁ、森が出来てる…」


昨日の夕方の時点では、まだ砂漠の砂地が見えていて樹木も細い若木がある程度で虹色の結界が見えていた。


玄関から見渡すと、世界樹の廻りは下草に覆われて至るところに花が咲き乱れている。少し離れた辺りからは、見上げるほどの樹木が成長していて結界が見えないほど遠くまで樹木が生い茂っている。


「世界樹の根が地脈に届いたから、世界樹の廻りにもマナが行き渡ったみたい」


私の魂に刻まれた知識によると、この世界にはいくつか地脈が通っていて世界樹はそこから栄養を得て成長をするようだ。地脈から得た栄養は世界樹を通してマナとなって放出される。マナは魔法の力の源と言われている。魔法を日常的に使うこの世界では無くてはならない物だろう。


今回は、そのマナが砂漠の砂地や成長を始めた植物に作用して一晩で森が出来上がったと言うわけだ。


「この辺りは、順調に育っているね。泉の廻りも見に行ってみよう」


世界樹から泉へは歩きやすいように背の高い植物は生えていなくて遊歩道のような道が出来上がっていた。その道は泉の廻りをぐるりと一周出来るようになっているようだ。


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