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18 森のピクニック

目が覚めると新しいお部屋のベッドの中だった。窓からは日の光が差し込んでいて大分寝坊してしまった、と一瞬焦ってしまったけど隣にはディザがまだ眠っていてホッとした。


「ふわぁ。レイラ起きていたの?おはよう」


ディザがあくびをしながら起きた。


「ディザ、おはよう。レイラも今、起きたの」


ディザは、私の寝癖を手櫛で直すと


「着替えて朝御飯にしよう」


と言って私のクローゼットで一緒に着る服を見て着替えも手伝ってくれる。背中のボタンは自分じゃ留められないからね。


今日は、水色のワンピースにした。半袖のパフスリーブに胸の下で切り換えがしてあってふわりとしたスカートの裾部分と襟回り、袖口に白い糸で花柄の刺繍がされている。髪の毛はサイドを編み上げてハーフアップに結ってワンピースと同じ水色のリボンを付けてくれた。ディザは、髪の毛も結えてビックリしちゃった。


ディザの服装は、濃い緑色の膝丈ズボンにサスペンダー。半袖のシャツに黒いリボンタイをしている。


ーーーーー


「レイラ、おはよう。良く眠れたかい?」


顔を洗ってから一階に行くと、私に気づいたアイテール様が来てサッと抱き上げてくれる。


「アイテール様、おはよう。すこし寝過ぎちゃったみたい」


そう言うと、ダイニングの私用の椅子に座らせてくれながら


「昨日は、色々あって疲れただろうから。これくらいのお寝坊が丁度良かったんじゃないのかな。レイラ、今日の水色のワンピース可愛いね」


そう言って、私の頭を撫でるとキッチンへと入っていくアイテール様は、昨日と違ってスラックスにワイシャツと言う洋装だ。


「今朝もウェスタが朝食を用意してくれたよ」


そう言って、アイテール様とディザがテーブルに朝食を並べていく。


今日の朝食は、サラダと森のキノコのクリームスープ、テーブルの真ん中には少し薄めにカットされたフランスパンがカゴの中に入っていて自分で取るスタイルだ。ヨーグルトにはベリー類が沢山乗っていてハチミツがかけてある。私にはオレンジジュース、皆は紅茶を飲んでいるようだ。


「おいしそう。いただきます」


早速、スープをふぅふぅして飲んでいると。隣でディザがクリームチーズをフランスパンに塗ってお皿に乗せてくれる。


「はい、レイラの分。まだ、おかわりあるから言ってね」

「ありがとう」


クリームチーズを塗ったフランスパン、とっても美味しいよね。


「後でハーブを摘んで来てハーブバターを作ろうかな。他にもハーブティー用のハーブも探してみよう」

「レイラもお手伝いしたい」


と、手を上げると


「勿論、一緒にハーブを探しにいこうね」


とディザが笑ってくれる。


「後で、世界樹の廻りの様子や泉の周辺を見に行くから。その時に探すといいよ。ランチはバスケットに詰めてピクニックにしようか」

「ピクニック、行きたい」


早くピクニックへ行きたくてウズウズしてきた。


「レイラ、ちゃんとご飯食べちゃって。アイテール様もレイラの気をそらさないでください」


ってディザに注意されちゃった。


「アハハ。お兄ちゃんは厳しいな」


アイテール様が笑うとディザにちょっと睨まれていた。私は、残りのスープを急いで飲んでデザートのヨーグルトを食べ始める。


「あぁ、そんなに急いで食べると垂れちゃうよ」


急いでヨーグルトを食べたらお口の回りが白くなっちゃってディザが笑ながら拭いてくれた。


「賑やかな食事も良いものだね」


アイテール様は、先に朝食を食べ終わって私たちを優しい目で見ながら紅茶を飲んでいる。ディザは、私がまた溢さないか見ながら自分も食事をしている。


こんな楽しい朝食を取ったのは何時ぶりだろう、と考えて。これからはこんな毎日が続いていくと思うと嬉しくて、少し多目にヨーグルトを口に運ぼうとしてディザに止められてしまった。昨夜の悪夢が嘘みたいに幸せな朝食だった。

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