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エレインさんによると泉の中には大小様々な魚や水中植物、水中に棲む虫などが棲息しているらしい。それから、もう少ししたらこの泉から水の妖精達が生まれて賑やかになるらしい。とても楽しみだね。


「さて、そろそろ夕飯の支度が出来たようだよ」


アイテール様に言われて周りを見てみると夕日に照らされてオレンジ色になり始めていた。砂漠の日没はちょうど夕飯の時間だ。エレインさんとのお喋りに夢中になってしまったみたい。また明日、会う約束をして世界樹のお家に帰る。家の中に入ると良い匂いがしてお腹がグーって鳴っちゃった。


ダイニングには、美味しそうな夕飯が並んでいた。出来立ての様で湯気が立っている。


「レイラの椅子はここだよ」


ディザに呼ばれて行ってみると、ちゃんとお子様用の椅子が用意されていた。もちろん木製でとてもかわいい。お皿やカトラリーもお子様仕様で用意されていた。


「ディザ、ありがとう」


ディザに椅子に座らせてもらうとお料理が良く見えた。今夜のメニューはお野菜ゴロゴロのトマト風味のスープにチキンのハーブ焼き、それに焼きたてのミルクパンだった。


「こうやって誰かと一緒に食事することは【人の国の世界樹】の時は無かったからとても楽しいよ。レイラ、僕のところに来てくれて本当にありがとう。これからよろしくね」


ディザが急にそんな事言うからとっても嬉しくて


「私もディザと一緒でうれしいよ。これから一緒に色々な事をしようね」


そう言ってから、ふと正面に座るアイテール様をみると何だか微笑んでいる。


「レイラ、言ったでしょ。世界樹を育てるのは楽しいって」


アイテール様、世界樹を育てると言うより私の方がディザにお世話されっぱなしなんだけど大丈夫なのかな。


私の魂に刻まれた知識によると世界樹であるディザは、ある程度まで世界樹の実の栄養で成長した後。この砂漠の下を通る地脈から力を得て成長をするそうだ。と言うことは、私が育てなくても世界樹は勝手に育つんじゃ、と考えていたらアイテール様がこう言った。


「まあ、どちらかと言うとレイラをディザに育ててもらうって言う方が合ってるかもね。アハハ」


正に今、考えていたことをそのまま言われてちょっとショックを受けちゃう。


「アイテール様。自分を仲間に入れて貰えて無いからってレイラを虐めないで下さい。レイラは、この世界に来たばかりでまだ幼いんだから僕に沢山甘えていいんだからね」


ディザがアイテール様を注意した後、とても良い笑顔で甘えていいんだよと言われてとても嬉しくなってしまう。でも、アイテール様は仲間外れで寂しかったんだね。


「ディザ、ありがとう。アイテール様、明日からも一緒にご飯食べれる?」


首を傾げてちょっと可愛く言ってみる。


「もちろん一緒に食べようね。忙しくて来れない時もあるけど、なるべく来るようにするよ」

「レイラ。良かったね」


ディザがフフっと笑いながらよく出来ましたと頭を撫でてくれる。うん。ディザにお世話されるの嫌じゃない。




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