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「紅茶もサンドイッチもとても美味しかったよ」


そう答えると


『やったね』

『良かったです』


双子はそう言って喜ぶと突然、消えてしまった。


「妖精は、気まぐれだからね」


突然、目の前で消えてしまった二人にビックリしたまま固まっていた私の頭をディザが撫でてくれた。


「彼女はカネル、お菓子作りが上手な家事妖精なんだよ」


ディザが紹介してくれる。


『先程は、息子達が驚かせてごめんなさいね』

「ちょっとビックリしたけど、大丈夫だよ」

『今度、愛し子様の好きなお菓子を教えてくださいね。また、明日のティータイムに来ますね』


そう言うとカネルも、フッと消えてしまった。キョロキョロとまわりを見回していると


「彼女は、帰ったみたいだよ。レイラも精霊達の気まぐれに早く慣れないとね」


と、またディザに慰められてしまった。


「カネルさんにお茶を用意してくれたお礼が言いたかったんだけど」


アイテール様が「また明日来るよ」と言いながら紅茶を飲んでいた。ちなみに、食事の準備はウェスタさんと言う妖精さんが作ってくれるらしい。会う機会があったら挨拶しよう。


美味しいアフタヌーンティーを満喫したところで泉の様子を見に行くことになった。外に出てみると世界樹を中心に植物や小さな樹が育ち砂漠の砂を覆い始めている。ディザによると世界樹の恩恵でここ一帯に森が出来てその内、森の管理者として精霊が生まれる予定らしい。早く森が出来て動物に会えるといいな。小さなリスさんやウサギさんとお友だちになりたいな。


泉まで行ってみると先程見た泉とは全く違っていた。


「綺麗。凄く透明」


富士山の麓にある忍野八海をご存知だろうか。水の透明度が高すぎて魚が浮いて見えるのだ。水中にある水草の緑と水の青さが相まってとても幻想的な場所なのだけど、前世で一度行ったことがあったが確かあそこは富士山の涌き水で出来ていたはずだ。


今まさに目の前に広がっているのは透明度が高く、砂地に這う緑の水草と中央に行くほど深くなる青い水がとても美しい泉だ。その中を小さな魚達が泳いでいるのが見える。


「これは、美しい泉を作ってくれたな」


後ろからゆっくり来たアイテール様は、とてもご満悦の様子。


『お褒めの言葉を賜りまして、恐悦至極に存じます』


そう言って、泉から現れたのはアッシュブロンドの髪に水色の瞳をした人魚さんだった。オンディーヌ様とは違い鱗は薄い紫色でとても綺麗だ。


『オンディーヌ様よりこの泉を任されましたエレインと申します。ご用命頂ければ対応致します』


エレインさんはそう言って頭を下げている。

アイテール様の側に行ってお耳を貸してもらってお願いをする。


「アイテールさま。エレインさんにもう少し普通にお話ししてもらってもいいかな」


エレインさんの話し方はアイテール様達に対しては満点の対応なんだろけど、これから毎日のように顔を合わせる私としてはもう少しフレンドリーにしてもらえるとありがたい。


「そうだね。ディザもそれで構わないかな」

「そうですね。その方がレイラも接しやすいでしょう」


アイテール様とディザの許可が下りて良かった。難しい言い回しをされると堅苦しいし意味が難しくなっちゃうからどうしようかと思っていたんだ。


「エレインさん。はじめましてレイラです。レイラって呼んでね。これからよろしくね。アイテール様とディザが言った通り普通に話をして貰えると嬉しいんだけど」

『レイラさま。ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いしますね』


そう言ってエレインさんは、にっこり笑ってくれた。

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