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結晶を私にしっかり持たせるとアイテール様は私を抱き上げた。


「それじゃ、しっかり結晶を持っていてね。世界樹の上まで行くからね」


アイテール様はにっこり笑うと上昇し始めた。

だんだん高くなる視線に5歳児はキャッキャと大はしゃぎです。


私とアイテール様が一休みしたり結晶を作っている間も世界樹はグングンと成長していて70メートルくらいの高さになっていた。


「この辺でいいかな。レイラ、結晶に結界を作って下さいってお願いしてごらん」


まだまだ成長すると思うから世界樹よりもう少し高いところまで来るとアイテール様が私の結晶を乗せた両手に手を添える。


「結晶さん。結界を作って下さい」


結晶にお願いすると今度はキーンッと鋭い音と一瞬激しい光が放たれる。目を開けると先程まで両手で持っていた結晶はアイテール様が作った結晶を中心に花のような形になって宙に浮いており、薄いベールのように世界樹の上から半円球に結界が出来上がっていた。


「ふわぁ。アイテールさま、綺麗だね」


「良く頑張ったね。私達には薄く虹色に見えているけど、他の人には砂漠が続いているように見えるからこの場所を見つけることは出来ないはずだよ」


成る程、さっき結晶にお願いした認識阻害の効果はちゃんと出ているらしい。


「そろそろ世界樹に会える頃なんじゃないかな」


ゆっくり下に降りながらアイテール様が嬉しそうに言っていた。ある程度の大きさになって安定すると世界樹から出てこれるみたい。今から会えるのが楽しみだな。


下に降りてみると泉の方からパシャンと水の跳ねる音がする。何だろうとそちらを見るとアイテール様が私を抱っこしたまま泉の方に歩いていく。


泉の中を見ると何かが凄い勢いで泳ぎ回っている。


「大きいお魚?」


そうアイテール様に聞くと声を挙げて笑い出す。


「アハハ。あれは、魚じゃないよ。魚っぽいけどね」


そんな話をしていると凄い勢いで泳ぎ回っていた何かが方向転換をしてこちらに向かってくる。

ちょっと怖くてアイテール様の首にギュッてしがみついちゃう。


近くまで来た何かが水の中から水飛沫を上げながらバシャッと出てきた。


ガラス細工のように透き通った水色の髪の毛に同じく透き通った水色の瞳の女の人だった。耳がちょっとだけ尖っていて全体的に色素が薄めで肌の色も白い。上半身はインドの女性がサリーの下に着るチョリのような胸下辺りまでの綺麗な刺繍の服を着ている。そして、腰から下は魚だった。


「ふぉぉ。人魚さん」


私は、怖かったのも忘れて大はしゃぎです。



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