ハンターと車両の墓場恐怖の山間部・拘束されるヴェルナ
車両の整備や装備を1から揃えるのに2週間、賊や小さいフリークの拠点を3つ壊滅させて更に2週間、約1ヶ月経過後、蓄えとなる資金も200億貯まり、モルト街から旅立つ、総隊長と隊員、ギルドマスターと職員達、ロンブル商会支部長達に見を送られ東を目指す。
ヴェルナ)モルトの町は、フリークや賊に脅かされる事はもうなさそうね、周辺に拠点があった場所はPTと組んで共同戦線で壊滅させたから、此れからは外へ街を広げて行くみたいだし、装備と弾薬は豊富だから大丈夫でしょ、あの若いパルム街長がしっかり街を盛り立てて行くわよ、セレンさんも居るしね。
マールは賊やフリークが移動してこない限りは問題ないでしょうと返答して来た。
あれからマルゲスとパルムの父親が奴隷に落とされ、他の都市へ運ばれていたが南西1200kの地点で消息を絶った事をマールが報告して来た。
気になって衛星で監視ししていた、彼等は賊に襲われ女以外男は皆殺しされたようだと。
今はモルトから東へ150k地点、ヴェルナが転移した場所から200kの場所。
夜も暗くなり、夜営をする事に、食事は安全を期して主にコンテナレストランの中で食べる事になって居る。
この一ヶ月でロードトレインのコンテナが増えた、迎撃戦闘コンテナ1両、レストランコンテナ、就寝コンテナ、入浴コンテナ、戦闘機や軍用ヘリを乗せる発着用ロング低床式8輪車両1両、系5車両のコンテナが増えた、動物と家畜のコンテナも過ごし安い様に改造を施した。
旅をするのだから食事、寝床、風呂は欠かせないと周りから力説され追加する事になった改造費用は200億、中はガストがこだわり、とても贅沢な作りになってしまっていた。
夜営をして居るのだが、車両達副砲による射撃が止まない、この辺りはフリークだけなく、ファイトスマッシャーと呼ばれるマシン兵器のモンスター?に襲われている。
元々はトンネルを掘る工業用掘削マシンパイルバンカーだったのだが、作業プログラムマスターAIが何者かに、ハッキングされ書き変えられ人を襲う様になったらしい。
これも戦争の名残で、今も命令を変更される事も無く、この辺りの周辺地域を彷徨っている。
他にも作業用だったと思われるマシンが幾つもあった。
山が近い場所では多く見られるとの事。
特に気になったのは整備マシン14体のボール型整備マシンの残骸が転がっている。
ランカ)整備マシンだ!買うと物凄く高いんだ1台7000万もする、ね?整備マシン直して使ってもいい?。
マールの話では今直すのは危険、AIの暴走を止めないで直したら暴れだす、と言う事をヴェルナが伝える。
ランカ)そっか~やっぱり駄目か・・・・書き換えハッキングも難しそだね。
マイス)だろうな~何せマスターAIだ、この辺りも今の初級駆け出し兵器じゃ、普通なら抜け出すのも無理だろうぜ、戦おうにも山の警備兵器は大尉ランク、どう引っ繰り返っても勝てねぇ。
武装が厄介だ掘削用の小型ブレードロール、特に特殊兵装はマックソルベとおっかねぇの持ってやがる、取り付かれたら自爆されて一発アウトだ、中の人間も一瞬で凍るし車両に穴が空くし装甲は壊れる、幸い持ち場から離れる事は無いのが唯一の救いってとこだな。
なるほど掘削は凍らして砕いてたんだな。
サルパ)いや、でもよ囮使えば中も何とかなるんじゃないのか?。
クレア)あんたアホ?あの中にも警備兵器居るのよ?おまけに見た限りフリークも混ざってるわ。
多分人間と認識されていないから攻撃対象になってないのね。
アルド)余考えたくはありませんな、多分あの鉱山坑道はマシンとフリークのオンパレードです。
その分中にあるお宝は大変割が良いと思われます。
しかしあの中に進んで入りたい等と言う者は、自殺願望や変態以外はいませんね。
安全を期する場合中佐ランクなら何とかなるかもしれません、ミクリヤ装甲で固めたPTなら行けるでしょうね、弾切れになら無らない事が前提になります、肉弾戦は死を意味しますよ。
あ、そう言えば1人りいらっしゃいましたね。
ヴェルナ)それは私よね?明らかに私を指してるわよね?皮肉?変態?私変態扱いなのかしら?。
クレア)ヴェルナっちどうどう。
ヴェルナ)私は馬じゃないわ?。
クレア)馬はかどうかは置いといて収まったみたいよ?。
と思いきや警報が鳴り出す、マールから端末に通信が入り危険を知らせる、狩りきれないので温存の為迎撃を止め、この場所を離れる事が提案され、即座に移動を開始する、幸い外に出て居る者は1人もおらず全員が食堂で食事をしていた。
翌朝、一気に山間部を無事抜けた一行は、緊張と寝不足の為就寝コンテナで、ヴェルナを残し深い眠りについている。
マールは昨日の件を説明、モルダーと呼ばれる大型掘削マシン4台が迫っていた、今の兵装では太刀打ち出来無いと判断、次の移動の目的地であるゲント集落を目指し進む事を選んだ、到着は昼との事。
マールに乗り込んだヴェルナ。
ヴェル)魔法で付与しても、流石にあの大群相手にするのは、今はまだまだ無理な話ね、37mm主砲や7mm副砲、特殊兵装の単発式ノーマルロケット2発じゃ勝てないわね。
この世界の駆け出しって厳しすぎるわ、まだあっちの世界の方が優しい。
お金も馬鹿みたいに飛んでいくし、物の価値の値が酷すぎるわ、土地が痩せすぎてるわ、物が独占されすぎてるわで救い様がないわね。
他所も強欲な長達によって市民が苦労してるんでしょうね。
マールは、いい方もいらっしゃるかも知れませんよと言うが、今一信じられないヴェルナ、モルトの街で体験している失敗事件は既に身に沁みている、他はもっとガメツイのではと予想する。
運転をマールに任せ到着の昼まで仮眠を取ることにした。
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集落
見張りA)おい!土煙だ!またマルバラ強奪車両がやって来たぞ!・・くっそ~俺達集落の連中を攫ってもまだ足りないのか!。
見張りB)なんだって!昨日来たばかりじゃないか早すぎる!ハンターか旅の車両じゃないのか?、おい!双眼鏡持って来い!急げ!マルバラ賊団じゃなければいいが。
子供見張りA)双眼鏡です!。
見張りB)んん?見た事も無い車両だな・・・・戦車が3台?いや5台!・・・トラック2台に・・・無駄に長いトレーラーが1台?・・・消防・・・水タンク!?・・おい!?水タンクがこの集落に来るようだぞ!。
見張りA)何だって!貴重な水を積んだタンクだと!?!じゃあれはマルバラじゃ無い!。
見張りB)そうだ!だが味方でもない、まずは様子を見よう、もし襲ってくるなら最後の力を振り絞るしか無い・・・・勝てる見込みなんて無いがな。
子供見張り)もし・・・・もし味方になってくれたら・・・・お父さん助けてくれるかな・・・。
見張りA)それは・・・分からん・・・そうだな通り過ぎるかもしれないな・・・・・もしハンターで賊を討伐してくれる奴が居て助けてくれたらいいな・・・・・こんな辺境にありえんが。
見張りB)いや・・・分からんぜ双眼鏡には戦闘機とヘリが乗ってるのが見える・・・もう何処を捜しても無い筈なんだが・・・幻でもみているのか?・・まさか要塞級水陸両用戦艦の中にでも残っていたのか?・・・・。
見張りB)ああ、あれか?ここから北に30kの錆ない要塞戦艦な、入れない、高くて登れない、装甲は剥がせないの戦争時代の遺物か?・・・しかし西から来るって事はコーラル山を越えてきたのか?まさかありえない。
あそこの山間部はフリークとマシンが大量にいて道を塞いでいる・・・・抜けてくるなんて絶対に無理だからな・・・。
マール達が糸の針を縫う様に、最も安全なコースを衛星を介し進んで越えてきた事を、彼等はまだ知らない。
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マールに起こされるヴェルナ、物々しいお出迎えに驚きを隠せない、戦車から出てハンター証を見せる。
見張りA)動くな!女だと!・・・・こんな女が伍長?信じられん、貴様は何処から来た!。
ヴェル)私はモルトの街からやって来ました、名前はそのドックタグに書いてあると思うのですが?。
見張りB)そんな事見ればわかる・・・・遥か西にあるモルトの街と言ったな、あのコーラル山を越えてきたのか?。
ヴェル)ええそうよ、フリークとマシンに囲まれそうになって何とか抜けてきたけど?。
見張りA)ありえん!あそこはハンターや車両の墓場と呼ばれている場所だ!抜けてくる等信じられんな。
見張りB)貴様は東のギュスタバルガから来たのではないのか?・・・・怪しいなマルバラのスパイの可能性も否定できん、すまないが拘束させて貰う、車両は一時預かりだ。
ヴェルナ)どうぞお好きに、・・・・あ、こら此処の兵士を脅しちゃ駄目、はい仕舞って仕舞って、直ぐに戻るから大丈夫よ。
兵士さん?中の物資と奴隷、仲間には手を出さないでね、今は疲れて眠ってるから、もし手を出したらこの子達が貴方達を血祭りに上げるわ、扱いには気をつけて。
それと私がこのPTのリーダーで車両のマスターよ、さっさと牢屋にでも案内してちょうだい。
見張りB)誰も乗っていないのに車両が勝手に動いている・・・・・まさか!まだ残っていたのか!人工知能AIユニットが。
ヴェル)何を勘違いしているかしら無いけど、その子達は上位の独立型戦闘支援ユニットを積んでいるわ、もう一つの呼び名は自立型マルチユニットね、その辺の人工知能AIと一緒にしないでね、その子達は自分の考えで動いて常に最善を尽くすわ。
見張りA)ばかな!それは・・・・いやなんでもない、中に居る彼等を起こして聞き取りを行なう、身柄を拘束させて貰う暫くは牢屋に居て貰うことになる、その端末も預からせて貰う。
牢屋へと連れていかれ、光の無い真っ暗な牢屋に閉じ込められる。