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アイドルバスター2 覇道戦線  作者: おでん信用金庫
5/20

#5 distant moon②-バタンキューポリスズ-

前回までのあらすじ


見事な死体蹴り



12:00

七対(ちいとい)派出所



(ひいらぎ)「佐藤!!!」


真水(まみ)「・・・柊さん!」


柊「大丈夫か、怪我はないか?!」


真水「いえ、大丈夫です」


柊「よかった。早速ですまないが、何があったか教えてくれるか?」


真水「はい・・・」






1時間前

七対派出所



部長「はい、こちら七対派出所です。えぇ・・・はい・・・わかりました、すぐに向かいます[電話を切る]」


真水「・・・なんの電話だったんですか、部長」


部長「通報だよ。暴行現場を目撃しました、って」


真水「暴行・・・もしかして、夜中の事件と同一犯・・・?」


部長「かもしれんな。だから念のため現場に行ってくる。すまないが、留守を任せたぞ佐藤」


真水「わかりました。お気を付けて」


部長「うむ・・・[退出]」


真水「・・・」


真水「物騒だなぁ、最近・・・」


???「そうだな[背後から忍び寄る]」


真水「っ、誰!!?」


???「おっと振り向くな。振り向いたら首が切れるぜ[ナイフを突きつける]」


真水「ひぃっ・・・!」


???「くれぐれも騒ぐなよ。騒いだり抵抗したりした時点で殺す。分かったら黙って服をすべて脱げ」


真水「なに・・・痴漢(チカン)なの、あなた?」


???「口動かす前に手を動かせや[ナイフをあてがう]」


真水「うっ・・・」


???「悪いがこっちは急ぐんでなァ。さっさとしてくれるか?」


真水「はい・・・」




真水「・・・脱ぎましたけど」


???「なに言ってんだ。まだ下着が残ってんだろ」


真水「えぇっ、下着もですか!?」


???「言ったよな、『全部』って」


真水「・・・はい[下着を脱ぐ]」


???「よし。それでいい」


真水「・・・何が目的なの?」


???「お前が知る必要はない[首をしめる]」


真水「はぐぅっっ!!!?」


真水(誰か・・・たす・・・け・・・)


真水「」



―――――


―――





柊「・・・で、首を絞められ、俺が電話をかけるまで気絶してたと?」


真水「はい。目が覚めたら、服も警察手帳も奪われていました」


柊「顔は、見えなかったのか?」


真水「すみません。確認しようにも、ナイフを向けられてたので・・・」


柊「ま、そうだよな。俺だって同じ状況になったら、振り向ける自信ないからな。そんでもって防犯カメラもないし・・・ったく、いい加減全ての駐在所にカメラを付けろって話だよ」


柊(・・・そうやって佐藤に成りすまし、警察官を装って被害者の病室に忍び込んだ。そして彼の喉と手を潰した。用意周到すぎる上に犯人の証拠はゼロ。警部の言う通り、犯人は狂気に満ちているな)


真水「・・・もしかして()()()()も、部長を外出させて私を一人にするためのものだったのかも?」


柊「まさか。たまたまだろ、それは・・・っていうか、その部長はまだ帰って来てないのかよ?」


真水「たしかに・・・遅いですね」


固定電話「プルルル♪」


柊「っ」


真水「あ、私が出ます。はい、こちら七対派出所です・・・えっ!?」


真水「部長が重傷で・・・病院に!?」


柊「なっ!?」


真水「わかりました、すぐ向かいます!」


柊「どういうことだ、部長が重傷って!?」


真水「わかりません・・・ただ、先ほど倒れているのを発見されたらしくて」


柊「ったく、次から次へと・・・まぁいい、行くぞ佐藤!!」


真水「え、柊さんも行くんですか?じゃあ私残ります・・・」


柊「なんでだよ、お前も行くんだよ!!」


真水「ぇ、だって、私まで行ったら派出所に人がいなくなっちゃうし・・・」


柊「お前を1人にできるわけねぇだろうが!!」


真水「っ!」


柊「いいから行くぞ。さっさとしろ」


真水「・・・はい///」





12:30

東雲大学病院



柊「警部!」


片桐「おぉ、柊。誰だその子は?」


柊「さっき言ってた後輩です」


片桐「ほう」


真水「どうも。七対派出所の佐藤です」


片桐「初めまして。はてさて、君は()()の『佐藤 真水』なのかな?」


柊「警部っ!!」


片桐「フフ、冗談だよ。気を悪くしないでくれ、Ms(ミス).佐藤」


真水「はい・・・それより警部さん、部長の容体は!?」


片桐「安心しなさい、先ほど意識が戻ったよ。軽い脳震盪(のうしんとう)らしい」


真水「そうですか、よかった・・・!」


柊「・・・警部、これも同一犯による犯行なんでしょうか?」


片桐「あぁ、そうだろうな。本当に素晴らしい犯人だ」


柊「犯人褒めてどうするんですか」


片桐「そうだな。でもよ、考えてみろよ柊。この犯人は、入院させた被害者が証言するのを防ぐために警察に成りすました。それも成りすますために派出所の部長をおびき寄せ、あらかじめターゲットを1人にしてな。おかげで犯人を追う手がかりは1つもない。警察のメンツ丸つぶれだ。完璧すぎて、逆に尊敬しちまうよ」


柊「たしかに・・・完全犯罪ってやつですね」


片桐「・・・なァ柊。犯人は誰だと思う?」


柊「さぁ。皆目検討もつきませんが・・・」


片桐「そうか。俺は一人だけ心当たりがある」


柊「えっ、本当ですか!?」


片桐「あぁ。ま、ほとんど偏見だが」


柊「誰です、それ?」


片桐「西覇王(にしはおう) ルナ」


柊「・・・あ~、なんか聞いたことありますけど・・・どうして彼女が犯人だと?」


片桐「()()()()だ」


柊「・・・え?」





同時刻

河川敷



ルナ(警察は混乱、事件の手がかりは何も掴めず・・・か。我ながら完璧なムーブメントだったぜ)


ルナ(やはり自分の身体はいいな。自分の思うがままに動いてくれる・・・証拠など1つも残すことなくなァ・・・!)


ルナ「さ~てと、そろそろ帰るかね」


???「・・・西覇王か?」


ルナ「っ!!!」


???「やっぱそうだ、西覇王ルナだ!久しぶりだな~オイ!!」


ルナ「・・・あァ、誰だテメェ?」


???「おいおいそりゃ~ねぇだろ。短い間だったとはいえ同じ釜の飯を食った仲間じゃねぇか」


ルナ「あ~たしか・・・橘だったか?」


???「お前から名字で呼ばれるなんて初めてだな。前みたいに『カガリ』って呼べよ」


ルナ(カガリ・・・っ、あぁ完全に思い出した。『(たちばな) 嘉雅梨(かがり)』、少年院でルナと仲が良かった女だ)


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