#20 反撃の反撃の反撃
2年ぶりの投稿です(冨樫よりは短い)
いちご「西覇王ルナ、私もあなたの復讐に協力しよう」
嘉雅梨「マジか!?」
いちご「・・・なにか?」
嘉雅梨「いや、お前はもっと大人しいやつだと思ってたからよ・・・復讐に協力しようなって、ちょっと意外」
いちご「それは嘉雅梨の想像。現に私は、協力しようと言っている」
ルナ「でも、どうして?」
いちご「あなたたちが心配だから。それだけの理由」
ルナ「・・・ありがとう、いちごさん」
いちご「構わない。では、これからの動きを決めよう」
10分後
いちご「・・・あなたの話を聞くに、343プロダクションを追い詰めるには『スキャンダル』を利用するのが手っ取り早いようだな」
ルナ「うん。『森久保』って男が反社との繋がりが強いらしいから、彼を狙うべきだと思う」
いちご「しかし、これらはあくまで裏切り者の『形無ゆとり』による情報だろう」
ルナ「それは・・・そうだけど」
いちご「信憑性のあるものかどうかは疑わしい。あなたが森久保という男の素性を追うことも、彼女のシナリオ通りに動かされているという可能性もある。裏切り者の言葉を頼りに動くのは、私は反対だ」
ルナ「・・・」
いちご「それでもまだ信じたいのか。あなたを騙してきた女を」
ルナ「・・・うん、あの人は散々わたしを騙し利用してきた。でも、あの人も同じ。ゆとりさんも仲間に利用された。あの人は私に似ているから・・・」
いちご「同じ境遇の人間の言葉すべてを否定するのは、自分をも否定することになる・・・と言いたいのか」
ルナ「・・・うん」
いちご「すまないがその気持ちは理解できない」
いちご「だが、それを否定するつもりもない」
ルナ「っ」
いちご「森久保という男の動向を調べよう」
ルナ「いいの?」
いちご「あぁ。なにか問題が?」
ルナ「いや、ないけど・・・っていうか、動向なんてどうやって調べるの?」
いちご「343のネットワークをハッキングして森久保の個人情報を得る。住所を特定すれば・・・なんでも出来るだろう?」
ルナ「ハッキング・・・そんなことができるの!?」
いちご「当然。私は天才だから」
ルナ「・・・でも、ハッキングって犯罪なんじゃ?」
いちご「あぁ、もちろん」
ルナ「いいの?私のためなんかに、犯罪を犯すなんて」
いちご「別に。今回のは正当防衛だから」
ルナ「・・・ごめんね」
いちご「なぜ謝る。気負う必要はない。私がいいと言っているのだから」
嘉雅梨
嘉雅梨「なんかいちごってよ、ルナに甘くね?」
いちご「・・・」
嘉雅梨「もしかして、ルナのこと好きなんか?」
いちご「っっっっっ、そんなことない!!!」
嘉雅梨「・・・なに必死になってんだよ。ジョーダンだよ」
いちご「・・・」
いちご「まぁいい。そんなことより嘉雅梨、お茶淹れてきて。お茶」
嘉雅梨「え、なんでアタシが。客なんだが。」
いちご「私は今からハッキングで忙しい。どうせ暇でしょ、嘉雅梨」
嘉雅梨「んなことねーよ、アタシだって色々とやることが・・・なぁルナ?」
ルナ「ないよ」
嘉雅梨「・・・ル、ルナ?」
ルナ「ないよ」
嘉雅梨「・・・仕方ね
ルナ「ないよ」
嘉雅梨「わ~~ったって!!!もう諦めて行こうとしてたじゃん!!!オーバーキルするんじゃねぇバカルナ!!!(お茶を淹れにいく)」
いちご「・・・」
いちご「西覇王ルナ。あなたは、この復讐が終わったらどうするつもり?」
ルナ「えっ・・・わかんない。そんなの考えたことなかった」
いちご「もう一度、アイドルになる気はないのか?」
ルナ「・・・無理だよ。1度不祥事を起こせば復帰は難しい。いつかプロデューサーさんが言ってたし」
いちご「その不祥事は仕組まれたものだ。自分が被害者であることを証明すれば、あなたの汚名は返上できる」
ルナ「そうかもね。私は失われた名誉を取り戻したい・・・でも、それはアイドルに戻るためじゃない。ただ、不条理に苦しめ続けるのは嫌だったってだけ」
いちご「・・・ではもう、アイドルになる気はないのか」
ルナ「うん、ないよ」
いちご「アイドルに、未練はないのか?」
ルナ「えぇ」
いちご「・・・そうか」
ルナ「どうしたの、急に?」
いちご「なんでもない。気にするな」
ルナ「・・・?」
嘉雅梨「お~う戻ったぜ」
ルナ「あ、嘉雅梨さん。おかえり」
いちご「ご苦労。お茶そこに置いといて」
嘉雅梨「あ悪ぃ。お茶どこにあるか分かんなかったから、冷蔵庫から適当に飲み物もってきたわ」
いちご「そう・・・で、それはなに?」
嘉雅梨「あん、カルピスだけど?嫌いだったか?」
いちご「・・・割るものは?」
嘉雅梨「悪者?」
いちご「・・・」
ルナ「嘉雅梨さん動いて疲れたでしょ?私たちはいいから、嘉雅梨さん飲みなよそれ」
いちご「!?」
嘉雅梨「なんだよ結局いらねぇのかよ。いいのか、アタシ全部飲んじまうぞ?」
ルナ「どうぞどうぞ」
嘉雅梨「そうかい。ほないただきます(がぶ飲み)」
いちご(え、いやそれカルピスの『原液』・・・)
嘉雅梨「おぎゃああああああああああああ(カルピスを吐き出す)」
ルナ「大丈夫!?嘉雅梨さん!!!?」
嘉雅梨「なんじゃあぁ~~~このカルピス!!!?腐ってんじゃねぇのコレまっずまっずおえええええっっっ!!!?」
ルナ「大丈夫そうだね。よかった」
嘉雅梨「いやどこがだよ!!全然大丈夫じゃねぇわ!!オメーも飲んでみろマズいから!!!」
ルナ「また今度ね」
嘉雅梨「なんでだよ!!分かち合おう!?この苦しみを今ともに分かち合ってくれよ!!!!」
いちご「ふっ、くく・・・」
ルナ「えっ?」
いちご「ふふふ・・・カルピスの原液がぶ飲みして『おぎゃああ』って・・・ふっ、バッカじゃないの・・・!」
嘉雅梨「あぁ!?誰がバカだとコラァ!?」
いちご「ダメだコレ、ツボ入りそう、入った・・・あはははははは!」
嘉雅梨「い、いちご・・・?」
いちご「ふふふ・・・あははははは!!!」
嘉雅梨「お、おめー、そんなに笑うキャラだっけ?」
いちご「わ、私だって、笑うときは笑うわよ・・・」
ルナ「普段が大人しいだけに、ギャップがすごい・・・」
嘉雅梨「だな、コイツが笑うところアタシも初めて見たぜ。なに考えてるのかわかんねー奴だったけど、なんか安心した」
いちご「ぷっ、『おぎゃああ』ですって・・・バカじゃねーのコイツwww」
嘉雅梨「あぁダメだコイツ殺す。コイツだけは生かしておいちゃダメだ!!!(いちごの胸ぐらを掴む)」
いちご「ぐはっ、やめてやめて、カルピスがかかるwww」
ルナ「まぁまぁ落ち着いて嘉雅梨さん!!」
嘉雅梨「誰がカルピスさんじゃコラァァァァァ!!!!」
いちご「あははははははは!!!」
ソエル<・・・>
ソエル(やけに楽しそうだな、ルナ。実に平和らしくて素晴らしいことだが・・・いつまでもふざけてられねぇぞ)
ソエル(なんだか嫌な予感がする・・・今にでも、何かが起きちまいそうな・・・)
執事「お嬢様!!!!(電波暗室に入ってくる)」
いちご「ふふっ・・・ど、どうしたの・・・ぷっ、執事の三峯・・・www」
執事「ええっ、お嬢様がスゲー笑ってる!?スゲーレアだ、写メ撮りたい・・・ってそんな場合じゃない!!」
執事「何者かが屋敷内に侵入してきました!!」
ルナ「えっ!?」
いちご「何人?どこにいる?」
嘉雅梨(急に元に戻った)
執事「何人かは分かりません・・・大型トラックで特攻してきたものですから・・・」
いちご「なに・・・っ」
執事「運転手は未だ降りてこず、正体は不明です。ただ、車内から延びるメガホンを通して、『西覇王ルナさ~~ん、いますよねぇ~~~?』と連呼しています・・・!」
ルナ「ま、まさか・・・(電波暗室を飛び出る)」
嘉雅梨「ま、待てよルナ!!ここから出るな、危ねぇぞ!!!」
いちご「仕方無い、アレを使うしかない・・・三峯!」
執事「承知いたしました。」
嘉雅梨「お、おい。アレってなんだよ!?」
いちご「・・・」
嘉雅梨「おいって!」
いちご「ぷっ、くくく・・・『おぎゃあああ』だってw」
嘉雅梨「うん。あとで絶対シバく」
ルナ「ソエル・・・あの口調は・・・」
ソエル<あァ、間違いねぇ>
ルナ「お母さんに手を出した、電話の・・・!」
ソエル<だろうな。名前は知らねぇが、ノコノコ俺たちの前に出てきたってんならァ、とりあえずプレゼントしてやらねぇとな・・・>
ソエル<死期を・・・>




