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アイドルバスター2 覇道戦線  作者: おでん信用金庫
2/20

#2 中野くんを許さないの会

前回までのあらすじ


夜中に恫喝



東雲駅 バスターミナル



中野「・・・[メモを書く]」


中野(西本ハルカ:24歳、医療事務、好きなものはイケメン。ふっ、こいつは次の案件のカモとして使えそうだな・・・よし、次の合コンでアプローチをかけることにしよう)


中野(それにしても、なかなかタクシーが来ない。深夜2時過ぎ、都心から離れた街とはいえ、駅に行けばタクシーの1つくらい拾えると思ったんだが・・・仕方無い、歩いて帰るか)


ルナ「見ぃ~つけたァ・・・」


中野「っ!!?」


ルナ「よ~ぅ中野くん。元気だったかァ?」


中野「だ、誰だお前!?」


ルナ「んぉ~、おいおいそりゃあねぇだろ。自分が()めた女の名前のことも憶えてねぇのかよ。それとも、嵌めすぎていちいち憶えてらんねぇってかァ?」


中野「なんだと・・・?」


中野(こいつ、俺が女を標的に金銭や社会的地位を奪っていることを知っている・・・しかし俺はこんな女知らない。自慢じゃないが、俺は嵌めた女のことは全員憶えている。だが、こんなやつは見たことがない・・・!)


ルナ「うぉ~いマジで忘れたのかてめぇ。しゃーねぇ出血大サービスヒント。最初の3文字は『にしは』だ」


中野「・・・」


中野(『にしは』、ねぇ。『西畑』とか『西原』とかそんな名前なんだろうが、あいにく俺が嵌めた女の中に、そんな名字のやつはいない。まぁ強いていうなら『西覇王(にしはおう)』とかいうトリッキーな名前の女がいたが・・・っ!?)


中野「ま、まさかお前・・・西覇王ルナか!?」


ルナ「お~なんだ憶えてんじゃねぇか。危うく自分の見た目に自信無くすとこだったぞ、ゲハハ!!」


中野(・・・いや、名前を思い出すまでまったく分からなかった。俺の知ってる西覇王ルナは、自信なさげで常にオドオドしてる貧弱な女のはず。それがどうだ、いま俺の目の前にいる西覇王ルナは、悪党のような目つきをしながら下品に笑う女だ。あの時とはまったくの別人。まるで人が変わったような・・・)


ルナ「というわけで中野、ちょっと来いよ」


中野「っ。あ、あぁ」


中野(・・・って、なに素直に返事してんだよ俺!無視してさっさとタクシーを拾えよバカ!)


ルナ「くれぐれも、抵抗なんかするんじゃねぇぞ・・・?」


中野「っ!!」


中野(いや、今は素直に従うのが正解かもしれない。要求を拒めば殺す・・・こいつは今、そんな目をしている・・・)






東雲駅 地下道



ルナ「この辺でいいや。人通りもねぇしな」


中野「・・・何が目的だ、金か?」


ルナ「あ?」


中野「それともアイドル生命を奪われた腹いせに、俺をボコボコにするのか?」


ルナ「あァ、それもいいかもな。一生車いすでしか生活できねぇようにしてやるのも悪かねぇ。でも俺は寛容だからよ、そんな手荒い真似はしねぇよ」


中野(嘘つけ。そんな殺意丸出しの目をしておいて、よく言うよ)


中野「じゃあ、何の用なんだ?」


ルナ「『形無(かたなし)ゆとり』って知ってるよな?」


中野「・・・あぁ」


ルナ「どこにいる?」


中野「・・・」


ルナ「おいおい、黙ってちゃあお話にならねぇぞ~。何か言え~?」


中野「それを知って、どうする気だ?」


ルナ「はぁ~」[みぞおちを殴る]


中野「うぐぅっっ!!?」


ルナ「あのなァ、いま質問してるのは俺なんだよ。質問を質問で返しちゃダメだって今やもう色んな人が言ってるから、とっくに分かってるハズだろ。なぁ?」


中野「ぅ、ぐぁ・・・」


ルナ「う~んこれでも優しく殴ったんだけどなァ。呼吸乱されると話できねぇんで、次からはもう少し優しく殴るわ。いや、つーかそもそも俺に殴らせるなっていう話だわな、ケハハ」


中野「・・・自分を陥れた女を、見つけ次第ぶっ殺すってところか?」


ルナ「は~」[眉間(みけん)を殴る]


中野「あがぁっっっ!!?」


ルナ「ねぇ。状況分かってる中野くん?いまお前は、俺の質問に答える立場なの。お前の質問を自問自答する時間じゃないンだよ。俺の質問の答え以外は一切口にするな、わかったか?」


中野「ぐ・・・」


ルナ「はぁ遅ぇなァ。なに、もう一発ほしいの?」


中野「ま、待って・・・知らないんだ!」


ルナ「あ、知らないの?じゃあ調べろ」


中野「無理だ・・・俺はメール越しでしか形無さんと接点がないから、どこにいるかなんて皆目見当も付かない・・・」


ルナ「あーそう。じゃあ質問を変えよう。俺を嵌めるよう指示したのは形無ゆとりで間違いはないか?」


中野「・・・あぁ、あの反社(はんしゃ)パーティで『会場に招かれた西覇王ルナっていう女に薬を盛った酒を飲ませろ』と指示された」


ルナ「だろうな。じゃあ次に、形無ゆとりはどこの組織の人間なんだ。お前の所属してる『三代(みしろ)新聞社』とかいう組織の人間か?」


中野「い、言えるわけないだろ・・・!」


ルナ「ん~ん」[脇腹を蹴る]


中野「ぶふぇっっっっっ!!!」


ルナ「いい加減学べよ、回答以外はボコられるって」


中野「ま、待ってくれ、こればっかりは本当に言えない・・・無関係の第三者に口外してはいけない約束なんだ!」


ルナ「知るか言え」


中野「頼む、それだけは勘弁してくれ。これを漏らすと本当に消されるんだ・・・」


ルナ「・・・そうかァ、そりゃあ気の毒だな」


中野「あぁ、だから申し訳ないが・・・」


ルナ「だが知ったことじゃねぇ」


中野「っ!」


ルナ「言ったら形無ゆとりに消される。でも、言わなかったら俺に消される。どっちみちお前は消されるんだ。今消されるか追々消されるかの違いだな。どっちがいい、中野く~ん?」


中野「うぅ、この通りだ・・・許してくれ!」[土下座]


ルナ「あ~いらないいらない。保身のための土下座とかこの世でもっとも見苦しいから」


中野「・・・っ」


ルナ「いつまで土下座してんの。言っとくけど、土下座の長さによって結果が変わることは一切ないからな?」


中野「ぅ・・・」


ルナ「よしわかった」[背に足を乗せる]


中野「んぐっ・・・!」


ルナ「5秒以内に土下座やめろ。やめなきゃ背骨潰す」


中野「・・・!!!」


ルナ「はい、い~ち♪」


中野「うぅっ・・・」


中野(ハッタリなんかじゃない。こいつはきっと実行する。あと5秒以内に、確実に俺の背骨を潰しにくる・・・!)


ルナ「はい、にぃ~♪」


中野「・・・言えば、許してくれるのか」


ルナ「あ、何を言うの?」


中野「形無ゆとりの、属する組織を・・・!」


ルナ「あァ。それが信憑性のあるものなら、な」


中野「そうか。なら1つだけ約束してくれ。絶対に口外しないと・・・!」


ルナ「うんうん。約束するよ」


中野「『343(サシミ)プロ』だ」


ルナ「っ、343って・・・あのアイドルプロダクションの?」


中野「そうだ」


ルナ「おいおい。343プロが、俺たち『New(ニュー) Desires(デザイアーズ)』を潰すために反社会的勢力であるお前らを操ったってのか?まるでヤクザじゃねぇかよ」


中野「あぁ、あながち間違っちゃあいない」


ルナ「んだと?」


中野「343プロ・・・表向きは大手アイドルプロダクションだが、その内部は地獄だ。自分たちの利益のためなら汚い手も(いと)わない、悪魔どもの巣窟だ。もはやヤクザに等しい。いや、下手したらそれ以上かもしれない・・・」


ルナ「・・・ふ~ん」


中野「343プロは競合相手の456を落とすために、スパイとして形無ゆとりを456プロに送り込んだ。そしてお前に不祥事をでっちあげさせた。俺たち反社を使ってな」


ルナ「へぇ。じゃあなにか。俺が形無ゆとりを憎むのはお門違いで、本当に憎むべきは343プロダクションそのものってことか?」


中野「あぁ。そういうことになる」


ルナ「・・・なるほどなァ」


中野「これで満足か?」


ルナ「あぁ、十分だ」


中野「じゃあ1つだけ聞かせてくれ。改めて、お前はこれからどうする気なんだ?」


ルナ「あァ?んなモン1つしかねぇだろ・・・復讐だ」


中野「なっ!?」


ルナ「俺は343プロを潰す。そして俺が受けた以上の屈辱を、アイツらに味わわせてやるんだ・・・」


中野「・・・」


中野「やめておけと言っても、無駄そうだな」


ルナ「たりめーだ。お前ごときに止められるような俺様じゃねぇんだよ」


中野「だろうな・・・ところで、質問は以上か?」


ルナ「あぁ。もう帰っていいぞ」


中野「そうか。じゃあな・・・」








東雲駅 裏路地



中野「はぁ・・・はぁ・・・」


中野(くそ、なんて凶暴な女だ。本当にあいつはあの西覇王ルナなのか?)


中野(だが、とにもかくにも今のあいつは343にとって大きな危険因子だ。343はウチの組織にとっても大きな収入源。これを失うわけにはいかない。とりあえず、上に報告しておかないと・・・)


ルナ「中野くん」


中野「・・・はっ!?」


ルナ「忘れ物だ」


中野「え?」



ルナ[中野の右足を刺す]



中野「っぐぎゃあああああっっっっ!!!!?」


ルナ「地下道から解放されて、無事に帰れると思ったか?悪いけど、俺を嵌めた張本人が343プロとはいえ、お前を許したわけじゃねぇんだわ」


中野「あぁぁっっ、ああああああ!!!!」


ルナ「あぁそうだ、1つだけ謝らねぇといけないんだ。俺さぁ最初に、『一生車いすでしか生活できないようにするなんて手荒な真似はしないって』言ったよな」


中野「はっ、ぅぐはあぁ・・・」


ルナ「悪ぃ、その約束守れそうにないわ。あぁゴメン、マジでゴメンなぁ~~~~~~~~~~~~っっっアハハハハハハ!!!」[傷口を抉る]


中野「ぎぃあああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!」


ルナ「あぁいいねいいねぇ・・・俺を地獄に叩き落としたクズ野郎が、痛みに耐えきれず発狂するその様。実に無様で惨めで美しくて・・・興奮しちまうじゃねぇか、なァ~~その悲鳴、もっと聞かせてくれよ中野!!!!!フヘっ、フヘハハハハハハ!!!!」


通行人「なっ、なにをしている!!?」


ルナ「いっけね。外野のお出ましだァ[逃走]」


通行人「待て、逃がすか!!![追跡]」


ルナ(いいや、逃がすよ)


中野「うああああああああっっっ!!」


通行人「っ、いかん。追うより先に、彼の出血を止めなければ・・・おいしっかりしろ!!!」


ルナ(ほ~らな♪)






西覇王邸 前



ルナ(はぁ~~~なんて清々しい気分なんだ。あいつの悲鳴、思い出すだけでも軽くイッちまいそうだ・・・)


ルナ(しっかし、今日は久しぶりに動いたからクソほど疲れた。あとは任せるぜ、ルナァ・・・)


ルナ「・・・ん」


ルナ「あれ、私・・・いつの間に家に帰ってきてたんだっけ?」


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