#15 ランナウェイで笑って
前回までのあらすじ
ゆとりからの脱出
ゆとり邸脱出から30分経過
ルナ「そっか。ゆとりさんの刺客から私の居場所を・・・」
嘉雅梨「あぁ。お前を捕まえようとしてたらしいぜ。誰なんだあいつら?」
ルナ「・・・」
嘉雅梨「答えられねぇのか。ま、少なくとも味方でないんだろうけど」
ルナ「ごめん・・・」
嘉雅梨「気にすんなよ。とにかくお前が無事でよかったぜ~」
ルナ「・・・」
ソエル<へっ、こいつは敵じゃなさそうだな。ゆとりとは違って、なァ?>
ルナ「・・・うるさい」
嘉雅梨「ん、なんか言ったか?」
ルナ「あっ、違うの!!嘉雅梨さんに言ったんじゃないの!!」
嘉雅梨「アタシに言ったんじゃないのなら・・・誰に言ったんだ?」
ルナ「そのっ、それは・・・独り言だよ」
嘉雅梨「なんだ独り言か~、ならいいや!てっきりオバケと話してるんじゃねーかって心配したぜ~~!!ははは!!!」
ルナ「は、ははは・・・」
嘉雅梨「つーか腹減ったんだけど。ルナ、お前もう飯くった?」
ルナ「・・・まぁ食べたっちゃあ食べたけど」
嘉雅梨「食べてないっちゃあ?」
ルナ「食べてない」
嘉雅梨「よーしじゃあラーメンいくぞ~~!!近くにうまい味噌ラーメン屋が・・・」
ルナ「待って!!!」
嘉雅梨「ん、どうした?味噌より塩派だったか?」
ルナ「・・・嘉雅梨さん、もう私から離れたほうがいい。私のそばにいたら、あなたも危険な目に遭う」
嘉雅梨「なんだそれ、殺されでもするのか?」
ルナ「それは・・・わからないけど」
嘉雅梨「あっそ。でも関係ねぇなそんなこと。追われてるお前を見捨ててノコノコ帰れるかよ」
ルナ「・・・ねぇ嘉雅梨さん、どうして私を助けてくれるの?誰から追われてるのか、なんで追われてるのかも知らないのに!」
嘉雅梨「いや、さっきから聞いてるけど何も答えてくれないんじゃねえか」
ルナ「じゃあもっと詮索しなよ!!確証がないだけで、本当の私は極悪人なのかもしれないんだよ!?そんな善か悪かもわからない人間を、どうしてここまで庇えるの!?」
嘉雅梨「なんだ、詮索してほしかったのか?」
ルナ「いや、そうじゃなくて~~~~!!!」
嘉雅梨「・・・なにを心配してるのか知らねえけどさ、お前はとにかく何か悩んでるんだろ?」
ルナ「・・・うん」
嘉雅梨「じゃあいいじゃねぇか。それ以外に助ける理由なんていらねぇだろ?」
ルナ「!!!」
嘉雅梨「お前が何も言わないならそれでいい。これは、アタシが勝手にやってるだけだから気にすんな・・・それにお前は、悪い奴にはどうしても見えねぇよ。少年院にいたときも、今も変わらず、な」
ルナ「・・・」
嘉雅梨「それはそうとラーメンいこうぜ。え、味噌派?塩派?」
ルナ「・・・うっ」
嘉雅梨「えっ、どうした?なんで泣いてんだ・・・?」
ルナ「ううううぅぅぅぅ・・・!!!」
嘉雅梨「どうしたどうした!?もしかしてアレか、お昼ラーメンだったか!?それなのにアタシがラーメン勧めたから嫌になって泣いちゃったってことか!?」
ルナ「違うよぉ・・・嘉雅梨さんが優しすぎるから・・・何も言わない私を信じてくれたから・・・」
嘉雅梨「お、おう・・・じゃああれか、ラーメンじゃない方がいいってことか?」
ルナ「大丈夫だよラーメンで!!!」
嘉雅梨「よし、そうと決まれば早速行くぞ!!ほら、いつまでも泣いてんじゃねぇよ。泣いてたらラーメン食えねぇだろ!?」
ルナ「いや、泣いててもラーメンは食べられると思うけど」
嘉雅梨「バッカ。泣きながらラーメン食うやつがいるかよ。せっかくの味噌ラーメンが塩ラーメンになっちまうじゃねぇか」
ルナ「・・・ふっ、ふふふ!!」
嘉雅梨「ハッ、そうだよ。ラーメン食うときは笑うんだよ!いい笑顔じゃねぇかよルナ」
ルナ「・・・うん!」
ソエル(・・・。)
ソエル(橘 嘉雅梨・・・前々から知ってはいたが、相当なバカだなこいつ。だがまぁ、嫌いじゃねぇぜ、そういうの)
家系ラーメン・にごり
店員「いらっしゃいまっっっっせぁぁぁぁぁぁぁ!!!(120度おじぎ)」
店員「ハイ2名様っっっ!!2名様のご来店っっっ!!!こちらのお席どうぞ!!!はいお水お水!!(水をタンクで提供)」
店員「ご注文はいかがなりささりますかっっっっ!!!!?(全力の甘噛み)」
嘉雅梨「『にごり』2つ」
店員「麺の固さ麺の固さ麺の固さは!!!?(固さが命)」
嘉雅梨「カタメ」
店員「はぁんっっっっ!!『にごり』2丁いただきましたどうぞっっっっ!!!(絶頂)」
厨房「「「どういたしましてっっっっっ!!!!」」」
ルナ「破滅的に気持ち悪いお店だね」
嘉雅梨「大事なのは『味』だぜぇ、ルナ?」
ルナ(雰囲気もけっこう大事だと思うんだけどな・・・)
嘉雅梨「なぁ、食ったあとどうすんだ。家に帰んのか?」
ルナ「まぁ、そうなるね」
嘉雅梨「大丈夫か。さっきの奴らが押しかけてきたりしねぇか?」
ルナ「まさか。それはないと思う・・・」
ソエル<甘いな、ルナ>
ルナ「っ!」
ソエル<343のことだ、俺たちの個人情報くらい持ってるだろうよ。で、俺たちは343にちょっかい出そうとして逃げてんだから、当然追ってくる。母さんが危ねえ、正直こんなトコで油売ってねぇでさっさと帰るべきだと思うんだが・・・?>
ルナ(・・・!)
ルナ「嘉雅梨さん、トイレ行ってくるね」
嘉雅梨「ん、おお」
店内トイレ
ルナ[自宅にダイヤル]
電話音声『ただいま留守にしております。御用の方はピーと鳴りましたら・・・』
ルナ「おかしい、この時間なら家にいるはずなのに・・・どうして?」
ソエル<ケータイは?>
ルナ「・・・そうか![母:真理奈のケータイにダイヤル]」
ダイヤル音『prrr…prrr…prrr…ガチャッ』
ルナ「っ、もしもしお母さん!!!?」
???『は~ぁいお母さんですよぉ~』
ルナ「・・・!?」
???『もしもしぃ~ルナちゃ~ん?どうしたのかな~?』
ルナ「誰・・・あなた?」
???『だ~からぁ~お母さんですってぇ~』
ソエル「誰だって聞いてんだよゴミが!!!!!」
???『あ~ら怖~ぃん。どこでそんな汚い言葉覚えたのかしらァん?』
ソエル「343の回し者か、テメェ・・・!?」
城ヶ崎『あら、バレちゃってましたか~~・・・そうです、アタスが343の回しモンです』
ソエル「俺に逃げられたから、俺の母さんに手を出す・・・やっぱりなァ、実に上手いやり方だよ。さすがはヤクザ」
城ヶ崎『いやですね~ヤクザなんかと一緒にされるのは・・・まぁいいや、大事なお話しましょっか~?』
ソエル「・・・その前にテメェ、今ドコにいやがる?」
城ヶ崎『日本!!!』
ソエル「奇遇だなァ、俺もだよ」
城ヶ崎『いいですよね~日本。特に四季があるのがいい、うん』
ソエル「そうだな・・・そのうちプレゼントしてやるよ、『シキ』」
城ヶ崎『ぬはは、季節をどうやってプレゼントするんですか~?』
ソエル「死期をやるって言ってんだよ」
城ヶ崎『あ~らそんなこと言っちゃっていいんですか~?こっちには人質ちゃんがいるんですよ~?いまおぶってますけど、その辺に叩き落としちゃったりするかもですよ~?』
ソエル「・・・ちぃっ」
城ヶ崎『ま、お母さんを傷つけられたくたかったら・・・大人しく出頭してくださいね~さもないと痛~い目グホボギャアアア!!!!??(打撃音)』
ソエル「っ、なんだ!!なんの音だ!!?」
片桐『俺だよ、ルナ』
ソエル「っ、親父・・・!?」
片桐『母さんは俺が守る。だからお前は安全な所へ逃げろ』
ソエル「待てっ、お前いまどこに・・・」
[通話終了]
ソエル「・・・くそっ!」
ソエル(ったく、イマイチ状況が読めねぇ・・・が、母さんには親父がついてる。ひとまず、一安心ってとこか・・・)
ソエル「さぁて、親父は安全な所へ逃げろって言ってたが、どこへ行こうかねェ。ルナァ?」




