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アイドルバスター2 覇道戦線  作者: おでん信用金庫
13/20

#13 ゆとりに裁きを②-イリュージョニスタ-

前回までのあらすじ


お湯アツゥイ!



ルナ「一緒に343を倒しましょうよ、ゆとりさん」


ゆとり「・・・えっ?」


ソエル<ルナ、てめぇ・・・!!>


ゆとり「なにを言っているの・・・まさか、そのために私の家に?」


ルナ「いいえ。元々はあなたを人質に343を脅すつもりでした」


ゆとり「っ!」


ルナ「・・・ですが、気が変わりました。本当のゆとりさんは悪い人じゃないと感じた。だから、あなたと一緒に戦いたいと思った」


ソエル<おいてめぇ、自分がなにやってんのか分かってんだろうなァ・・・!?>


ルナ「だからお願いです。私と一緒に、343を倒しましょう」


ゆとり「本気で言ってるの・・・本気で私を仲間にしようっていうの?」


ルナ「本気です」


ゆとり「私は一度、あなたをハメた。それでもあなたは、私を信用してくれるの?」


ルナ「信用します」


ゆとり(・・・)


ゆとり「じゃあ協力するとして、私は何をすればいいの。もう人質にするつもりはないんでしょう?」


ルナ「私に343の情報を流してください」


ゆとり「なるほど、『逆スパイ』か」


ルナ「協力してくれますか?」


ゆとり「・・・」


ゆとり「私ね、アイドルになりたかったの」


ルナ「っ!」


ゆとり「アイドルになるために昔から勉強してた。周りからはアイドルオタクだって笑われてたわ。でも気にしなかった。だって憧れてたんだもん」


ゆとり「それでようやく343プロに所属した。やっとアイドルになれたって思ったわ。嬉しくて嬉しくて、気がつけば子供みたいに街を走り回ってた」


ゆとり「・・・でも、私はアイドルにはなれなかった。343プロから課せられた仕事は、他者のアイドルを蹴落とすことばかり。気がつけば30目前。いつのまにか敏腕スパイとして、一部の界隈(かいわい)から恐れられるようになった。おかしいわよね、私はただアイドルになりたかっただけなのに」


ルナ「・・・」


ゆとり「私は同じくアイドルを目指すあなたを騙し、社会的に抹殺した。そんな子と協力する資格なんて私にはないと思うの」


ルナ「それは・・・」


ゆとり「でも、あなたが信じてくれるなら・・・私を必要としてくれるのならば、私は協力する。いや、させてほしい・・・!」


ルナ「・・・じゃあ!」


ゆとり「えぇ。一緒に戦いましょう、ルナちゃん」


ルナ「はい!!」


ソエル<・・・おい、どういうつもりだ。形無ゆとりを仲間にするなんて>


ルナ「仲間は多いほうがいいでしょ。それに、人を傷つけるのはやっぱり嫌だ。必要のない暴力は、なるべく避けたい」


ソエル<俺は警告する、あいつは危険だ。このまま、人質として利用するんだ>


ルナ「聞いたでしょ。ゆとりさん、アイドルになりたかったって」


ソエル<・・・だから?>


ルナ「同じ道を夢見た人が、私と同じように343プロに苦しめられている。これ以上あの人を苦しめたくない・・・」


ソエル<バカが、どうしてその話を信じられる。相手は俺たちを絶望にたたき落とした張本人だぞ。あれくらいの話、いとも簡単にでっち上げられるだろうが>


ルナ「でも・・・!」


ゆとり「・・・あの~、ルナちゃん?」


ルナ「はっ!」


ゆとり「そろそろ拘束を解いてもらってもいい?」


ルナ「あぁそうでした、すみません!(拘束を解く)」


ゆとり「ありがとう。それと、脱衣所にある服も持ってきてもらえる?」


ルナ「はい、今取ってきます!」


ゆとり「・・・」


ソエル<・・・心底見損なったぜ。お前がここまでアマちゃんだとは思ってなかった・・・!>


ルナ(黙って)


ソエル<っ!?>


ルナ(・・・。)


ソエル<ちっ、どうなっても知らねぇからな・・・!!>


ルナ(・・・。)




10分後


ゆとり「・・・さぁ。服も着たところで、今後の動きについて教えてもらってもいい?」


ルナ「私が動くのは、あくまであなたが『何かしらの情報』を手に入れてからです。343プロを貶めることができそうな情報を」


ゆとり「具体的には、どんな情報?」


ルナ「・・・そうですね。上層部のスキャンダルとか、面白そうですけど」


ゆとり「いいわ。上層部とのコネクションは十分あるし、何かしらのボロは出てくると思うわ。で、それを録音でもすればいい?」


ルナ「そうですね、お願いします」


ゆとり「で、それを武器に343を脅す、と?」


ルナ「343に属するあなたにとって、この作戦はどうですか?」


ゆとり「・・・悪くはないわ。あなたが何をするかにもよるかと思うけど、343の名を地に落とすことはできるとは思う」


ルナ「そうですか、よかった・・・ちなみに、現時点でそういうボロを出しそうな人っていますか?」


ゆとり(・・・。)


ゆとり「そうね。経営戦略部にいる『森久保(もりくぼ)』っていう男かしら。343の人間は基本的に反社会とのコネクションはある。とはいえ直接的な関わりはほとんどない。なぜならリスクが大きいから」


ゆとり「前に私があなたをハメた時も、裏で中野に指示をしていたけど、メールでのやり取りだけで直接対面することはなかった。でも森久保は違う。彼はしょっちゅう反社会の人間と食事をしている」


ルナ「なるほど、自らリスキーな行動をしている人間なら、証拠も掴みやすいと」


ゆとり「そういうこと。まぁ今後は、森久保を注意深く観察しておくわ」


ルナ「お願いします」


ゆとり「・・・」


ゆとり(19時半か、そろそろ来るわね・・・『救援部隊』が!!!)



インターホン「ピンポッッッッン!!!」



ゆとり(来た!!)


ルナ「・・・誰でしょうね、こんな時間に」


ゆとり「さぁ、宅急便かしら?」


ゆとり(お前を捕らえにきた私の仲間よ、バーーーカ!!!本当に騙しやすいわねぇ、西覇王ルナ・・・同じ奴に二回も騙されるなんて才能あるわよ、あなた・・・!!)


ゆとり(しかも今回は、『協力しましょう』などと自分から騙されにきた・・・そういう人情くさいところも、あなたのいいところよ・・・!!!)


ゆとり「・・・私が出るわ、ちょっと待ってて」


ゆとり(しかし、私をここまで陥れたのは敬意を表してあげる。たかだか小娘ひとりに全てを奪われるところだった・・・だがあなたの勝機もここで尽きる。いまインターホン越しにいる刺客によってね・・・!!!)



ゆとり「は~い?」



インターホン音声『西覇王ルナさんっていますか~?』



ルナ・ゆとり「・・・え?」



インターホン音声『(たちばな) 嘉雅梨(かがり)なんですけど、西覇王ルナさんいませんか~?』



ゆとり(誰だよお前!!!??)


ルナ(どうしてここにカガリさんが・・・!?)


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