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アイドルバスター2 覇道戦線  作者: おでん信用金庫
10/20

#10 sparkle moon②-月光詩-

前回までのあらすじ


親父は娘を守りたい

片桐「刑事として胸を張って死ぬだァ・・・冗談じゃねぇ!!胸張ってきた結果が今なんだ・・・その結果、お前たちを苦しめてきたんだ。だから、最後の最後だけでいい・・・最後だけでも父親らしく生きたいんだ・・・!!!」


ルナ「・・・」


片桐「ルナ、わかってく


ルナ「うるせぇ!!!(胸ぐらを掴む)」


片桐「っ!?」


ルナ「さっきからゴチャゴチャと、結局は自分の都合を押しつけてるだけじゃん・・・なにが私を守るよ。それは私のためじゃない、ただのお父さんの()()()()よ・・・!」


片桐「そうだな、結局は俺の傲慢だ。間違っているのは分かってる、でも・・・」


ルナ「ううん、お父さんの考えが間違っているとは思わない。ただ、『ゴール』が間違ってるだけ」


片桐「ゴール?」


ルナ「お父さんは私を守りたいんだよね。私の罪を隠蔽する・・・それで終わりなんだよね?」


片桐「・・・何が言いたいんだ?」


ルナ「私を守りたいのなら、最後まで面倒見てよ。まだ終わってないんだから」


片桐「は?」


ルナ「は、じゃないよ。私とお母さんを苦しめた奴らに報いを受けさせるまで、私を守ってよね・・・お父さん」


片桐「報いだと、それってまさか・・・?」


ルナ「私は343(サシミ)プロを潰す・・・!」


片桐「なっ、なにをバカなことを・・・!!あいつらの正体を知ってて言ってるのか!?」


ルナ「知ってるよ。反社会的勢力すら駒として使う、卑劣な会社でしょ?」


片桐「そうだ。だったら分かるだろう!?お前にそんなこと出来るわけない!!奴らに手を出そうとすれば、女子供だろうと容赦なく返り討ちにされるんだぞ!?」


ルナ「そうかもしれない・・・でもね、ここで逃げるわけにはいかないの。逃げたら一生後悔すると思うから・・・」


片桐「逃げなかったら、お前は後悔することすら出来なくなるかもしれない!」


ルナ「それでもいい。逃げるよりマシだよ」


片桐「・・・ルナっ!!!」


ルナ「いつまでも守られるのは嫌なの!!!」


片桐「っ!!」


ルナ「誰かの言葉に従って、誰かの判断に委ねて、今までそうやって自分の身を守ってきた・・・でもそんなのうんざり!!私の判断に従って、私自身の意志に委ねる!!私はそうなりたい・・・!」


片桐「・・・」


ルナ「だから、守ってもらうのはこれが最後。これが終わったら、私は自分の力で自分を守る。もちろん、お母さんのことも・・・」


片桐「・・・1つ聞く。それはお前の意志か?ソエルに唆されてるわけではない、お前自身の意志なのか?」


ルナ「うん、そうだよ」


片桐(・・・。)


片桐「そうか・・・だが残念ながら、そろそろ時間だ。今日はこれで失礼する」


ルナ「待って、はぐらかさないでよ!!」


片桐「机の上に連絡先の紙を置いておいた。用があったらかけてくれ」


ルナ「お父さんっ!!!」


片桐「・・・動く日が決まったら連絡しろ」


ルナ「っ!それって・・・」


片桐「じゃあな」


ルナ「・・・」


ソエル<フフ。よく言ったぜ、ルナ>


ルナ「うん。これでもう後には戻れない」


ソエル<あァ。派手にやってやろうぜ、相棒>


ルナ「・・・改めてよろしくね、ソエル」


真理奈「た、ただいま~・・・」


ルナ「っ、おかえりお母さん・・・遅かったね」


真理奈「う~ん、なんか玄関で寝ちゃってたみたい。余程疲れてたのかしら?」


ルナ「寝てた・・・お母さん、買い物行ってたんじゃなかったっけ?」


真理奈「・・・ああああっっっ!!お肉買ってきたの忘れてた!!!冷蔵しないと冷蔵!!!!」


ルナ「・・・」


ルナ(ごめんね、お母さん・・・)





東雲(しののめ)大学病院



片桐「よっ」


(ひいらぎ)「警部・・・どこ行ってたんです?」


片桐「あァ。娘に会ってきたんだ」


柊「娘って、さっき犯人だって疑ってた『西覇王(にしはおう) ルナ』ですか?」


片桐「そうだ」


柊「どうでした。娘さんは犯人っぽかったですか?」


片桐「全~然。犯人の『は』の字もねぇ。普通の娘だったよ」


柊「でしょうね。女子高生にあんな犯行できるわけないですから」


片桐「・・・しっかし、不思議なもんだな。娘ってのは父親がいなくても、立派に育ちやがる」


柊「逆でしょ。父親がいないからこそ、強く立派になるんですよ」


片桐(・・・。)


柊「・・・えっ、警部。もしかして、泣いてます?」


片桐「っ、バカ。んなわけねーだろ」


柊「だって、涙が出てるじゃないですか」


片桐「これは、お前アレだよ・・・イソジンだよ。さっき目を洗ったからな」


柊「うがい薬で目を!?」


片桐「あぁ、最近ハマってんだ。『イソジン目洗い』・・・」


※イソジンは用法用量を守って正しく飲みましょう


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