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蓮華異譚  作者: ジェーン
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prologue:なんだこの姿は!?

初投稿になります。

prologueなんので短いです。

Prologue:なんだこの姿は!?


「な、な........なんなのこれぇぇぇぇええええええ!?」


爽やかな風が吹き抜ける綺麗な草原で、その美しさには似つかわしくない少女の絶叫が木霊した.....。


少女の正体......それは、美しい白銀の髪と、真紅の瞳を持つレンゲという名の少女。本名.....乙坂 戀華。ごく一般的な()()()()()だ。


そう......()なのである。



時間は1時間ほど前に遡る。


俺.......乙坂 戀華はいつものように学校から帰ってすぐに愛用のPCの電源を入れていた。今日は俺がハマり込んでいるオンラインゲーム.....ムーン・スフィア・オンラインのアップデートの日だった。


メンテナンスは既に終わっている時刻。アップロードも5分ほどで終わり、すぐにログインした。


そこまでは良かったんだけど.........ログインボタンをクリックしたと同時に、俺は急激に意識が遠くなり.....次に目が覚めた時には、何故か広大な草原の中に立っていたんだ。

何を言っているのか分からないだろうけれど、事実......今も草原に立ったままなんだからしょうがない。


いつまでも呆けていても仕方ないので、俺は取り敢えずメニューを開くことにした。

もしかしたらメニュー自体が無い可能性もあったけれど、杞憂だったらしく念じただけで出てきたので一安心。

真っ先に確認したのは、ログアウトボタンがあるかどうかだった。けれど.....流石にそう都合よくは行かないみたいで、押せなくなってるとか以前にログアウトボタンそのものがなくなっていた。


次に確認したのは、自分のステータスだ。

もしも、レベル1になっていたりしたらここにずっと留まるのはマズイ。なにせ、俺の記憶が正しければこの草原の名前はスーシー大草原。適正レベル35の、中級者向けのフィールドだからだ。

けれど、これも杞憂だったみたいで、“レンゲ”という名前の隣にはLV:120と書かれていた。

多少の誤差があったとしても、この辺りのモンスター相手に負ける事はないだろうと思い、ホッと胸を撫で下ろした。


では......アイテムなどはどうだろうか?そう思って確認すると、しっかりと集めた武具やアイテムが入っていてもう何度目かの安心感を覚える。

所持金もゲームの時のままで、野宿の心配もなさそうだった。


「取り敢えず、武具の装備をしとこう......か、な?」


うん.......?なんか.......声が変なきがするぞ?


「あー.......あー........私はレンゲ」


明らかに高い........い、いや.....そういうレベルじゃない。どう考えても、女の子の声だ!?


俺は恐る恐る.......視線を下にずらして自身の体を確認した。

すると、動きに連動するように落ちる長い白銀の髪.......そして視界に入ってくる、大きいわけじゃないけど、男には無い胸の膨らみ.......。更には、今更ながらに感じた股の間の違和感.......。


俺はゆっくりと、視界に映る膨らみに手を当ててみた。すると、ふにゅん.......という柔らかい感触が返ってきて、俺は慌ててアイテムボックスに入っている筈のリメイクミラー(容姿を変更するための課金アイテム)を探し出すと、自分の顔を映し出した。


鏡に映されたのは、長く美しい白銀の髪と真紅の瞳。まだ幼さの残る可愛らしい顔を驚愕の色に染めた美少女だった。

だが......間違える筈もない。この美少女こそが、俺がムーン・スフィア・オンラインで操作していたアバターそのものなのだ。


つまり..........。


俺は現実の体でこの世界に来たわけではなく、魂のような物だけがゲーム内のアバターに入った状態という事.......。


な、な.........なんじゃこりゃぁぁぁあああああ!?


「な、な..........なんなのこれぇぇぇえええええ!?」


しかも悲しい事に.......実際に声に出る口調は女性のそれになってしまうらしい。


こうして、俺のあまりにも嬉しくない異世界?生活が幕を開けたのだった........。

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