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ネコは異世界で闊歩する。  作者:


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第89話 パパっとやってコーリィ達は!?である

「いいねぇ、この尻尾!つけた途端力が漲るのを感じるよ!」


 シローは我輩の尻尾をまるで元々自分の体であったかのようにくねくねと動かしたり、伸ばしたり縮めたりしている。

 我輩の尻尾がどんな効能を持っているかは知らんであるが、奴が強くなったのは何となく分かる。だが、それ以上に不愉快であるなぁ。


「アハハ!この尻尾の使い方も分かったし、じゃあ早速やr」

「"猫パンチ"」

「うぼっ!?」


 奴が喋り終わる前に腹に思いっきり猫パンチを叩き込んでやった。

 青色の肌は鱗もあるため確かに硬かったが、我輩の猫パンチはそれを嘲笑うかのように簡単に打ち抜いた。

 強い衝撃がシローを襲い奴は足に力を籠め踏ん張ったようだが、抵抗むなしく足は地面から離れ、体は宙に浮き、ダンジョンの壁に大きな音を立て叩きつけられた。


「あ、がっ、う、嘘だ。この体がそう簡単にぃ!」


 痛覚は無いようだが、叩きつけられたことの衝撃により、シローはぜぇはぁと荒く呼吸をして動けないようであるな。

 なれば今が好機であるな。


「うるさいである。我輩、急いでいるからさっさと終わらさせてもらうであるぞ。」


 我輩は魔爪を発動させ、奴の四肢を斬り落とした。翼と尻尾も斬りたかったのだが、如何せん背と尻にあるもんで斬り取れなかったである。

 俗にいう達磨状態と化したシローは最初のへらへらした顔はどこへやら我輩を殺さんとばかりに睨みつけている。


「どうした?何か言いたげであるな?」

「うるさい!猫風情が僕をこんな姿にしやがって!くそっ!どうしてくれるんだ、動けないじゃないか!いつもだったら僕が猫の手足を斬り落としてるのにぃ!!!」


 ほー。こいつ前の世界で猫を殺していたとか言っていたが、そんな殺し方をしていたのであるか。

 ……よし、こいつの殺し方を決めたである。とりあえず今は拘束しておこう。

 ギャーギャー喚いてうるさいし、奴の右腕だった石……あぁもう石片と化してるであるな。こいつをシローの口に突っ込んで黙らせてー


「もがっ!?」


 そしてマジックボックスから取り出したるは、先のグラディウスサーベルタイガーの宝箱から入手した2つの牙をシローの体に刺しこん……む、硬くて中々刺さらないであるな。仕方ないので牙に軽く猫パンチをして釘を打ち込む様に刺した。

 この牙、どうにも帯電している様で刺した途端シローの体が電気によりビクビクと動き始めた。……これだけじゃ足りないと困るので火車で電気を追加しておこう。死なないくらいで。


「うぼぼぼぼぼぼぼぼ!!」


 うむうむ。これでこいつは身動きはできないであるな。痛覚は無く、見た目人外のそれでも人間の体としての機能はちゃんとあるようで、良かったである。

 これでシローは無力化に成功したであるな。あとは残りの2人を……

 我輩は急ぎ、コーリィ達のもとへと向かった。



*********************************************************************

【コーリィ視点】


 まさか、フォルとかいうもう一人までこっちに来るなんて……ネコ様に何かあったのでしょうか。

 すぐさま確認したいところですが、今テレパシーに気を取られていては瞬時にやられてしまうでしょう。

 フォルの方はリンピオさんが相手をしていてくれてますが、ロッテの魔法でようやく張り合えてるようですね。あまりよろしくありません。


 魔術師の男も厄介です。あいつは氷魔法や水魔法を使い攻撃してきます。

 火属性を使う私からしたら相性はすこぶる悪いです。何とかポチが魔法を潜り抜けて魔術師を攻撃しようとするのですが、容易く避けられてしまう。


「ふん、中々やるがあくまで中々くらいか。」

「だなぁ!おめーらがどんだけネコにおんぶにだっこかよく分かるぜ!」


 ……否定は出来ませんね。ロッテもリンピオさんも苦々しい表情を浮かべています。

 だからこそ、こいつらだけは私たちで何とかしないと。ネコ様がいるから大丈夫なんて思っちゃいけません。

 ……!魔術師と剣士の男が近づいてる。今なら!


「ポチ!リンピオさん!下がってください!」

「ヴォウ!」

「え、わ、分かった!」


 私の声にポチは一鳴き、リンピオさんは理解できなかったようですが、言われた通り後退しました。

 ポチもリンピオさんも敵から十分離れたことを確認し、私は魔法を唱えた。


 「"フレイムストーム"!!」


 敵2人を中心に大きな炎の竜巻が巻き上がった。

 これは子供のころ、お母様に教えてもらった魔法の一つ。見せていただいたお母様のよりかは小さいけれど人間相手であればこれぐらいで十分なはず!

 

「すげぇなコーリィさん……でもこれならあいつらも!」

「ッ!ヴォウ!!」

「ポチ、どうしたの!?」


 何かに気づいたのでしょうか、ポチがフレイムストームに向かって唸り始めました。

 まさか!

 奴らはまだ生きている――そう思った瞬間、フレイムストームに縦に大きな縦筋が入った。

 するとフレイムストームは徐々に形を崩し消え……いや、あれは!

 炎の隙間から輝く何かが見え、そこに炎が吸収されている……!?


「ほー!いいねぇこの剣。さすが火竜からドロップした剣だけはある!」


 炎の中からあの剣士の男の声が聞こえる。

 フレイムストームが吸収されつくした後、そこに立っていたのは少しだけ服を焦がした魔術師と剣士の姿でした。

 焦がしただけ……自信があっただけに落ち込みますねこの結果は……

 あれを使うしかないのでしょうか……?

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