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ネコは異世界で闊歩する。  作者:


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第41話 初の仲間である!

「この子が私の従魔、ブラックウルフのポチよ!」

「ヴォウ!」


 自分の名前を肯定してか、はたまた挨拶のつもりなのか分からんであるが、ポチとやらが一鳴きする。……いやしかし、ポチであるか……この世界にも前世の定番ネームが存在するのであるな。


「で!コーリィ、あなたなのよね?最近登録した見たことも無い従魔を連れた冒険者って!どこどこ?」

「最近登録はさておき、見たことない従魔を連れているという点では私だと思いますが……あ、この子が私の従魔、黒魔猫のネコです。」

「にゃあ。」


 ポチに倣って吾輩も一鳴きすると、きょろきょろと吾輩を探していたラカロッテはようやく吾輩を視認したのか、吾輩を抱え、まじまじと観察するように見つめる。

 ……ここまで見られると気恥ずかしさすら感じる。


「ふぅーん、確かに見たことない魔物ねー。でもちょっとちっちゃくない?強いのこの子?」

「……強いですよ。」


 ちっちゃいは放っておけ。確かに貴様のポチよりは小さいであるがな……狼より大きいネコなんて見たことないである。ネコ科であれば知っているが。

 ラカロッテの観察から解放され、コーリィの肩に飛び乗る。


「まぁいいわ。で、パーティ組まない?私、今までソロだったからろくに知り合いいないのよねー……で、魔物使い同士、どう?」

(ネコ様、どうしましょうか?)


 パーティを組むこと自体は、断る理由はないであるな。いや、あるであるな。割と大事なことが。コイツが魔物使いというのであれば聞いておくことがある。

 テレパシーでコーリィに聞いてみるよう頼む。


「組んでもいいですが、一つお聞きしても大丈夫ですか?」

「ん?何よ。」

「あなたにとって、ポチは何ですか?」

「家族よ。……何か文句ある?」


 即答、であるか。それもコーリィの目をしっかりと見たうえでハッキリした口調で言ってのけたであるな。

 こいつは信用してもよさそうであるな。それに、女性冒険者であればコーリィもやりやすいであろう。


(コーリィ、コイツと組むである。)

(ですね。私もこの人はネコ様を無下にはしないと思います。)

「いいえ、文句なんてありません。ラカロッテさん、パーティを組んでいただけないでしょうか?」

「本当!?決まりね、コーリィ!」


 感極まったようにコーリィの手を掴み、ぶんぶんと腕を振るラカロッテ。安心したような顔から、断られるとでも思ったのだろうか。

 あまりにもぶんぶん振り、コーリィ自身も揺れるので、吾輩は一時地面に避難するである。……そんなに嬉しかったのであるか?目に涙まで溜めて……

 呆れ半分でラカロッテを見つめる吾輩に、近づく影……いやまぁ、ポチなのであるが。


「ヴォフ。」

「んにゃ。」


 暗によろしくと言われた気がしたので、吾輩もよろしくという意を込めて鳴いておいた。っておい、舐めるな舐めるな。動物の親が子供を舐めるみたいに舐めるのをやめるである。くすぐったい!


「あら、ポチとネコ。もう仲良くなったのね!」

「そうなんですか……?」


 え、これ仲良くなったサインなのであるか?今も舐められているのであるがいい加減ベタベタになってきたのであるが?いやでも……うぅむ、仲良しの儀式というのであれば甘んじて受け入れるべきなのだろうか。


「それでは、ラカロッテさん。改めてよろしくお願いします。」

「えぇ、よろしく!――あぁでも、敬語は止めない?少しの間だけど仲間なんだから。あ、あと私の事はロッテでいいわ!一々ラカを付けたら面倒でしょ?」

「えぇと……口調に関しては努力してみま……るわ。ろ、ロッテ。」


 そう言えば、コーリィはずっと敬語であったな。これを機に敬語じゃなくても話せる友人を作ってほしいものであるな。ロッテ自身、オープンな性格の様だからそれにつられてコーリィも心を開くといいのであるがな。


「さ!これで2人パーティになったけど……あと一人ね。コーリィ心当たりある?」

「無いで、無いわ。私も基本ソロだったから。」


 ふむ。まさか他の冒険者と関わりがないことがここで響いてくると思わなかったである。見たところ何人かの冒険者がチラチラとこちらを見ているが、話しかけてくるような感じにも見受けられない。

 む?誰か近づいて……ゲッ、奴は……


「や、やぁ昨日ぶりだね、コーリィさん。昨日はどうも……。」


 どこか凝り固まった挨拶をしてくるやつにコーリィは返事を返さず、顔をしかめた。まぁ当然なのであるが……


「あら?コーリィの知り合い居たんじゃない!」

「知り合いという程ではありま……ないわ。昨日はどうも。あなたのおかげで、オークの事を報告できましたよ。」

「ゔっ」


 皮肉めいた発言に奴は図星を突かれたのか見るからに怯んだ。まぁ確かに?ある意味コイツのおかげでオークを狩ることが出来たし、報告もできたのであるからな。


「私達に何か御用でしょうか?……リンピオさん。」

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