第128話 妾VSカルラじゃ!
新作にかまけてました、すみません!!
「さぁ、来るとよいぞカルラ。」
妾が声を掛けると、カルラは血走った眼をこちらに向けたかと思うと、しなやかな脚をバネのように跳ねさせ妾に急接近する。
迫る手刀を腕を交差させることで防ぐが、カルラの攻撃はそれだけには留まらぬ。妾の足元の土が蠢き幾本の槍と化し襲い掛かってきた。先ほどもアースウォールを発動させておったし、カルラの魔法じゃろう。じゃが、妾にだって土魔法ではないが、土を操る術はある。
「止めやれ。」
この地に眠る霊に呼びかけ土の腕に変質させ槍を食い止めさせる。
ふん、この程度造作も……痛いっ!このカルラめが!妾が槍に気を取られてる間に顎に蹴りいれおった!
「痛いじゃろうが!”猫の手””猫パンチ”!」
踏ん張り、地面に倒れることは回避。そしてそのまま仰け反りから戻る反動で妾はスキルを用いその手に黒い猫の手を纏い、手加減猫パンチをカルラに叩き込む。
後方に吹っ飛ばされたカルラだが、空中で一回転し、綺麗に着地。そしてまた妾に攻撃をしかけ――させぬわ!
あまりカルラを接近させるべきではないと察した妾はスキル"火車"で強化した火魔法"レイ・ファイアボール"を放つ。
レイ・ファイアボールは、操作可能の魔法で、コーリィは8個操るのが限界じゃったが、妾であるならその倍の16は操れる。
これであればカルラを止められると思ったのじゃが
「えぇい、少しは止まらぬか!」
奴はそれはもう華麗に火の玉を避けるではないか。
えぇい、もういっそのこと、範囲魔法を放ちたい!じゃが、そんな事をしてしまえば周りの有象無象も影響受けるじゃろうなぁ。流石の妾も範囲攻撃の数か所だけ攻撃しないなんて芸当は無理じゃ。あ、やば。また近づいてきたのう。
うーむ、もうあれ使うしかないかのう。魔法じゃ捉えきれぬ……接近であればまだ妾は一段階上げられるが、この姿でやったらどうなるかは試したことがない。
じゃが、そんな心配しとる場合じゃないわい!
「死んでくれるなよ、カルラ。”バーサク”」
瞬間、妾の体が燃えるように熱くなった。比喩ではなく、”私”がバーサクが使った時よりも体が熱を持ち視界が狭くなったように感じるのじゃ。
じゃが、意識は何とか……保って居るわ。しかし、とてつもなく気分がよい!
「くぁははははははは!」
哄笑する妾を、狂操状態であるカルラは目を滾らせながらも、獣人の本能か妾に向かう足を止め、妾を観察する。
普通であれば正解かも知れんのう?じゃが、脚を止めた時点で妾に対して悪手じゃ。
今度は妾からカルラに近づき、防御態勢をとらせる前に腹に猫パンチを放つ。電車道を作り後退するカルラに妾は追撃を加える。
「”猫招き・雷”」
雷を纏った脚で踵落としを――むぅ避けたか。善し好し、カルラよどうか妾のこの奥底から溢れる熱をもっと高ぶらせておくれ。
「くは、あは、はあっはははははは!」
笑いながらも妾は攻撃に手を緩めない。猫招きにより腕に炎を、脚に雷を迸らせカルラに連撃を加える。
Sランクというだけあり、カルラは避ける避ける。直撃したかと思えば接触場所に土の壁を発生させ炎と雷の追撃を無効にしよる。
くふははは、楽しいのう
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幾度、妾が拳を出し脚を振るい、幾度、カルラが避け、土の壁で防いだであろう。
決着はいつの間にか訪れた。妾の拳がカルラの腹を捉え、カルラが土の壁を出そうと――出なかった。魔力が尽きたか。
妨げられるものが無くなった拳は止まることはなく、彼女の腹に減り込みカルラはその口から血を吐き出す。そして……仰向けに倒れた。
「くふ、どうしたカルラ?まだ妾の熱は収まっておらぬぞ?」
ほれ、どうしたカルラ。そんな無防備に寝ておっては攻撃してくださいと言っておるもんじゃぞ?
意識を失ったのか、瞼を閉じているカルラに妾は雷を纏った脚で踵落とし――
「いやちょ、妾何しとるんじゃ!?」
すんでのところで素面に戻った妾は急いで軌道修正!踵落としはカルラの頭を砕くことなくすぐ横の地面を抉った。
……えぇ、妾こわ。
冒頭にも書きましたが、最近VRMMOものの新作を書いてました。
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