誓約を迫られるんです。
誤って完成していないのに投稿してしまいました。
申し訳ないです。
「うーん、これはもうベロニカさんにスライディング土下座決めてお願いしなきゃないかなぁ」
俺がぼやくと皆の視線が一気に集まった。え、何ですかその顔は。
「魔女ベロニカに助けてもらうなんて、出来るのかい?相手は誓約の魔女だろう?」
「……俺という尊い犠牲が出ますがね……まぁ、出来ないことはないと思いますよ」
首輪外してくださいお願いしますとか言ったら、またお得意の躾タイム入るかもしれないし。それが嫌なことには変わりないけど、それは首突っ込む前に覚悟していたことだから別に構わない。いや、構うけど我慢、する。
「やはり、魔女ベロニカは己の召し使い相手であっても『誓約』を迫るのは変わりないか」
「……はい?」
なーに言ってんだディックさんは。誓約?それってベロニカさんの二つ名的なあれですよね?誓約って、なんかを誓うみたいな意味だった筈。ってことは何、お願い事したら何かしらの条件みたいなの言われたりとかするのかな。でもなぁ。
「ただでお小遣いくれちゃったりするのに、このお願いは『誓約』ってのが必要になるの?」
「お前、魔女にお小遣い貰うって何やってんだ……」
それは俺も思うよファーちゃん。いくらゼルさんにご馳走するためとは言ってもね、俺ってパシリちゃんな訳ですよ。そんな俺がご主人様からお小遣い貰うっておかしいよね?まぁ、堂々とお小遣いくださいって言った俺も俺だと思うけど。
「てゆか『誓約』って、具体的になんの事なの?」
「『誓約』とは、魔女ベロニカに何かを依頼するにあたり、提示される条件を必ず達成することを誓う。そのことを『誓約』言うんだ」
「条件が成されずとも依頼は魔女の手により達成されるが、その場合は誓約違反により罰が科される。エルフも昔、魔女ベロニカに依頼しとんでもない罰を受けた経験があるからな。以来、魔女の手を借りたことはない」
ありま。エルフの皆さんもベロニカさんにお仕置きされたことあったのね。何されたかは知らないけど御愁傷様です。
「それを知らないで依頼すれば十中八九痛い目を見る。条件を提示されるのは誓いを立てた後だからね。でも先にやると言ってしまった以上、取り消すことは出来ない。つまり、その依頼のために何でもする覚悟がないと話にならないんだ」
それより、『誓約』って想像してたよりとんでもないな。聞くと本当にヤミ金みたいだ。悪徳商法だ。
「有名な話が戦時中、先代国王が依頼した話だ。以来内容は『戦争での勝利』で提示された条件は『敗戦国全国民への1年分の食糧の無償配給』。相手の軍事国は小国と言えど全国民1年分の食糧となるととんでもない量になる。国王は条件を果たす気が全くなくなったが、それを分かっていても魔女ベロニカはたった3日で国に勝利をもたらした。そして国王に与えられた罰は、穀倉地帯3分の1の更地化と有能な第一王女を敗戦国へ嫁がせるとこ。穀倉地帯を更地にされたのは国としても随分な痛手だったけど、国王はそれよりも王女を取り返すことに躍起になった。国民の不安も他所にしたその行動が原因で退位を迫られたってね」
「あー。それは王様が悪い気がする」
「こらこら。私は一応貴族だからね。先代と言えど国王を悪くいうのは見過ごせないよ。まぁ、私も同意見だけど」
なんだ、同じこと思ってるんじゃないですか。大体ベロニカさんに嘗めてかかるのが間違いだ。ベロニカさんに要求されたらちゃんとやらないと。じゃないと後にはお仕置きが待ってるんだからな!
「じゃあ、今回のをベロニカさんに頼んだら『誓約』しろって言われるかもなんですね。成る程成る程」
条件が俺のスライディング土下座ならいくらでもやるんだけどな。さすがにないよな。
それから皆であの手この手を考えたが、いい手段は思い付かず、今日のところは一度解散となった。ファーニルはフィリンちゃんと一緒にディックさんの屋敷にお泊まりするそうだ。
俺は宿り木亭に顔を出してから街を出た。
帰ったらベロニカさんに相談してみよう。
相談だけならいいっしょ。




