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afternoon

作者: 蒼井ぴあの

サイアク。


昨日は終電ギリギリまで遊んで、

そしたら案の定起きれなくって、

午前中の講義すべてサボった。


仕方ない。自業自得。それは良し。


でも午後の1つだけ!

次休んだら絶対ゼーッタイ単位落とす講義があって、

だから頑張ってこの郊外(というか山)の電車とバスと乗り継いでやっと着くような大学まで来たっていうのに・・・



今日に限って休講。



サイアク。


(あぁ同じこと前にも言ったっけ?どーでもいいけど。)



ありえない。


そりゃあ家で休講情報を確かめてこなかった私が悪いんだけどさ。

でもさ、あの教授が、あの1度も休講なんて今までなかったあの教授が!

今日に限って休講にするなんて考えると思う??



このためだけに今日来たのに・・・



私はあまりにも情けなくなって、とぼとぼとバスに舞い戻ろうとしたが、

バスはさっき出たばっかり。


次は20分後?!!!



サイアク。



どんだけここまで来るのに時間がかかったと思ってるの?!




くやしい。くやしい。




絶対何かして満足してから帰ってやる。




駅までのバスがようやく着いたら、お腹がすいてきたのでちょっと高そうなカフェに奮発して入る。


牛丼とかマックとかじゃあまりにも安っぽいし、

それじゃあこの怒りは収まりきらないんだから!!!


私はカフェラテとホットサンドを頼み、手近な席に着いた。



「はぁ〜」


怒りと呆れのまじった溜息がでた。



ホットサンドを勢いよく食べ終わると、心に少し余裕がでた。

時計をチラっと見ると午後2時前だった。


ランチタイムも終わりかけ、ティータイムでもないこの時間。

まわりを見ると平日なので制服の学生やOLなどもいないし、お喋りのうるさい主婦もいない。



不思議な気分だ。



こんな時間にこういうカフェにいることなんてあまりないと思う。

休日ならまだしも。

1人で入ることもあまりないな・・・いつも誰かといた。



でも、こんな時間も楽しいかな。



そっとカフェラテに口をつけながら左右を見た。


隣の隣の席には文庫本を読む男の人がひとり。

反対側はパソコンに向かうサラリーマン風の男の人と、

その隣には雑誌をめくる女の人がいた。


みんな静かで、みんな独自の世界があって、

ちょっとだけ羨ましかった。



あぁ、読みかけのあの小説持ってくればよかった。



文庫本を読んでいる人を見ながら思った。






その時ふいに彼と目が合った。




私はなんて怪しい女なのかしら・・・



そっと目を逸らそうとすると、

彼はメガネを直しながら言った。



「今日は休講だったね。」




え。こんな人いたかしら・・・



私はぽかんとした。

漢字というものはすごいと思う。

私はまさに呆という字のように固まった。



「君は僕のことわかってないみたいだね。仕方ないよ。

 僕はいつもあの講義は前の方に座っているし、存在感ないから。」



彼は口の端を少し上げて笑った。

彼の笑顔はあどけない少年のような、子犬のような雰囲気で、

私はきゅんとした。


恋なんて簡単だ。ストンと落ちてしまう。



そして恋は素晴らしい。



今日あったサイアクなことをすべて帳消しにしてしまう。





休講にした教授に感謝。


私をおいて発車したバスに感謝。


このぼったくりのように高いカフェに感謝。


今日のafternoonに感謝。




この2人がこのあとどうなったか。



それはまた別のおはなし。



続く予定がなかったり。。。評価お願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] う〜ん・・・ 小説自体は悪くないんですが、改行しすぎな気もしますね・・・。 あと、もうちょっと時間たってから恋におちるって感じの方がいい気がします。 ほかにもいくつか気になりましたが、代表的…
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