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このこのこ!~男の娘のこんな日常~  作者:
第一章 「始まりの3人」
8/20

第七話 「過去話はシリアス系」

タイトルどうしようか悩みました。

結果ビミョーになりました。

2009年10月17日




視点「曇日くもりび陽射ひざし




「たくっ嫌な天気だなぁ。降んなきゃいいんだけど。」


雨雲のせいで、せっかくのショッピングも気分が乗らない・・・いやこれは自分への言い訳か


「なんで俺が女物の服なんて・・・いやしょうがないか。」




俺は昔から男まさりの勝気な性格で、小学校卒業するまでは男の子と遊んでいたぐらいだ


中学生になるときにはちゃんと親しい女友達もできて、昔の男友達と遊ばなくなった


しかし中学校では少しだけ周りの女友達と()()があった


ズレといってもいじめというわけじゃなく「とても仲のいい男友達」みたいな、そんなかんじに友達から扱われるのだ


それが俺は少しいやだった


しかし、それはみんなが無意識でやっているもので注意するのもなんか気が引ける。そこで俺は・・・




「う~~ん・・・どんな服がいいんだろう?」


実は、次の日曜日仲のいいクラスメイトと映画を見に行く予定なのだ


そこでいつもよりおしゃれで女の子っぽい格好していけば、みんなの態度も変わるはず!・・・しかし


「やっぱ事前に調べておくんだったな。」


いつもジャージだからどれがいいのかわかんねぇ


「どうしよう。」

「どうかなさいましたか?」


途方にくれていたところ店員さんに声をかけられた


「えっ?・・・!・・・あっあの・・・その・・・ええっと」


ヤバイいきなり声かけられたから、なに話していいかわかんねぇ


「そっそのかっ可愛い服を探してます!!」


わーーーなんだよ可愛い服って!!


「承知いたしました。では、こちらの服はどうでしょうか?」

「はっはい。いいと思います。」

「では試着室はこちらです。」

「はっはい!」


そのまま流れで試着することになってしまった。しかし・・・


「こっこれを俺が着るのか。」


手渡されたのは、フリフリのついたいかにも女の子っぽい服だった


「いっいやここで着なくちゃ女じゃねぇ!」


自分でもなに言ってんだと心の中でツッコミながらその服を着る


「すっすいません。」

「はい、なんでしょうか?」

「こっこの服似合ってますかね?」

「すごく似合ってらっしゃいます。」

「ほっ本当ですか!?」

「はい。とても可愛いですよ。」

「カッ可愛い(カァァァァァ)」


可愛いなんて両親意外に言われたことがない・・・・・


「他にも色々とお似合いそうな服があるんですけど、どうなさいますか?」

「試着します!!」




●   ○   ●   ○   ●   ○




「いや~~いい買い物したな~~!」


あの後、店員さんに褒めてもらった服を着てそのほかに買った3着とアクセサリーショップで買ったブレスレットを身に付けた俺は超上機嫌で公園のベンチで休んでいた


「つい昨日までなら、ショッピングになんであんなに時間かかるんだよって思ってたけど。今ならその理由が手に取るようにわかるよ。」


改めて俺も女の子なんだと再認識する


「やっぱこれからはもっと女の子らしくするべきだな。(うんうん)」


一人で頷く俺・・・


「今度から「俺」じゃなくて「私」って言おうかな。」


そうしたほうがいい、せっかくの機会だしこれからは女の子っぽくしよう


そっそしたらかっこいいかっかか彼氏とかも出来るかもしれないし!




そんなことを考えてたら後ろから声をかけられた




「ねぇ君~~一人~~可愛いね~~」

「かっ可愛い!」


じゃねえよ俺!・・じゃなくて私!こんなふうに声をかけてくるってことは・・・


「ねぇオレらとお茶しない?」

「ケッコー楽しいyo」


やっぱりナンパか。しかも3人


「結構です。」

「可愛い服着てるのに、結構ツンツンしてるね君。」


もう~~ウザイな


「用事があるんで。」(タッタッタ)


こうゆう場合は逃げるが一番、それで近くの交番にでも駆け込もう


「お~~い君これ忘れてるyo」

「えっ?あっ!」


しまった




ナンパしてきた男の手にはさっき買った服やブレスレットが入った紙袋があった




「返してください!」


慌ててもどって返却を求める


「ん~~どうしようかなぁ~~お茶に付き合ってくれたら考えてあげるよ。」

「ふざけんな返せ!」


つい、いつもの男口調で文句を言ってしまった


「あっ・・てめぇ・・少し優しくすりゃあつけあがりやがって・・・」

「優しくしろなんて頼んでねぇだろ!!」

「そうかよ・・・オイてめーらそいつ抑えてろ!!」

「了解」

「わかったyo」

「テメッ・・・この・・・はなせ!」


腕を後ろでつかまれて動けなくなる


「大丈夫だよ、テメーみたいなガキ殴ったところで面白くねぇ・・・だから・・・」


男は紙袋の中身を地面に落とした


「なにすんだ!!」

「こうするに・・・決まってんだろ!(グシャァ)」


男が思いっきり中身を踏んずける


「ああっ!」

「こいつ「ああっ!」ていったyo」

「うわーーひっでーーでもウケる。」


男達がケラケラ笑う。


「止めろ!」


せっかく買ったのに・・・


「え~~聞こえないな~~(ダンダン)」

「止めろって言ってんだろ」


初めてオシャレしようと思ったのに・・・


「だから全然聞こえませ~~ん。(グリグリ)」

「止め・・て・・」


クラスのみんなに見せたかったのに・・・


「あーーあーーき~~こ~~え~~な~~い(グシャァ)」

「止め・・て・・よぅ・・お願いだから!止めてよぉ!!」


楽しい思い出になるかもしれなかったのに・・・


「止めるわけねぇだろ、バァァカ」

「うっ・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・止めてよ・・・お願いだから・・・お願いだから・・・」


変わろうと・・・思ったのに・・・




その瞬間




ヒュン ヒュン ヒュン




なにかの音がした気がした。




「うるせえな!元はテメェが悪いんだろうが!」


男が腕を振りかぶる


(殴られる!)


「ちょっお前!どうしたんだその傷!」


腕を抑えている不良のうち一人が殴りかかろうとする不良に言う。


「あっ?なっなんだこれ!痛てぇ!お前らこそ!どうしたんだその傷。」

「なっなんで血が!?」

「why!?痛てぇyo」


(なにが起こったの?)


男達はそれぞれ、殴りかかろうとした腕、後ろでつかんでた手が少し切れていて血を出していた






「どう?狩られた感想は?」






「はぁ!?」


公園の入口から声が聞こえる


「なっなにもんだ!?」




ヒュン ヒュン ヒュン




(まただ、なにこの音)


「別に君たちに名乗るために近づいたんじゃないから、どうでもいいけど早く止血したほうがいいよ。今度は右肩を狩ったから。」


「はっ?うっうわぁ!!」

「なんで!いつのまに!」

「痛てぇyoーーーーー!」


いつのまにか不良3人の右肩から血が出ていた


「要件は二つ。1、その子から離れて。2、視界から消えて。早くしてくれる?そうじゃないと・・・」






「次は命を狩るよ。」






「うわぁーーーーーーーー化け物ーーーーーーーー!!」

「まってくれ!おいていかないで!!」

「help me 助けてーーーーー!」




「・・・・・(ポカン)」

「これはひどいね。」




いつの間に不良を追っ払った人が近くに来ていた



夕方で、しかも曇のせいか顔はよく見えない


しかし、輝いているような白髪に獣のような鋭く大きくそして美しい一本の爪はよく見えた




「あ~~こんなに可愛い服なのにね。本当なら動けなくなるまで狩ろうと思ったんだけど、さすがにそんなグロテスクなところは女の子には見せられないしね。」

「・・・俺の・・・服が・・・うっ・・・・・うぅぅ・・・はじ・・めて・・オシャレ・・・しようと・・・思ったのに・・・」

「・・・・・」

「可愛く・・・変わろうと・・・・・思ったのに・・・」


 


こみ上げてくるのは


怒りよりも・・・・


悲しみよりも・・・・


悔しさよりも・・・・


なにより挫折感だった。




「変わらなくても、いいよ。」




頭に手が置かれる。その手はとても暖かかった




「変わらなくてもいい。だって君は・・・」






「今だって十分可愛いから」






「・・・・・!!・・・うっうっ・・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・」




その後のことはよく覚えてない。




気がつくと自分の部屋のベットで寝ていて


お母さんに話を聞くと昨日はふらふらと帰ってきて晩ご飯もお風呂も入らずに寝てしまったと言う


最初はあれは夢なのではと疑ったが


ボロボロの服とブレスレッドが紙袋に入っていたので夢ではなかったらしい


その日から、よくあの人の夢を見るようになった


夢から覚める度心地の良い胸のドキドキと切ないような胸の苦しさに襲われた


助けてくれた人がつき狩人かりゅうどと噂で分かったのは一ヶ月後






そして、夢から覚めたときの感情が恋心だときずいたのはもう少し先のことである






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