第一話 「幼馴染は狼系」
2011年4月26日
「んーーーーっ・・・ふぅ。」
僕は自室で大きく背伸びをした
「さ・て・と」
ピピッと鳴った携帯のアラームを素早く止めて、時間を確認した。
AM4時30分
「よし、時間ぴったし。」
これは僕の癖で、アラームが鳴る1分前には起きて背伸びなんかしたりして本格的に準備をしようとするものだ
そして、なんでこんなに早く起きるかと言うと僕には色々仕事がある
「今日のお弁当はどうしようかなぁ。」
僕は、寝巻きの上からポンチョを着てつぶやいた
「セイヤはもう少しお肉食べたいって言ってたけど・・・栄養バランスかんがえるとなぁ。」
セイヤと言うのは僕の幼馴染でれっきとした女の子なんだけど・・・まぁ説明は後にして、やることやんなくちゃ!
「んーと、昨日はハンバーグだったから少し焼かなかったあまりがあるから。うん、ピーマンの肉詰めにでもするか。後他にも・・・」
そんなことを考えながら、洗濯機のあるお風呂場にいく
「その前に、洗濯物干さなくちゃ。」
すぐに頭を昨日の天気予報に切り替える。確か今日は、晴れだったはず。一応テレビをつけて、確認する
・・・うん合ってた
「ココ姉は好き嫌い激しいからなぁ、今日はどうしよう。」
● ○ ● ○ ● ○
「ふぅ。」
僕は、あさの仕事を一通りかたずけてココアを飲んでいた
「全く、セイヤはあれほど何回も注意してるのに下着を洗濯機に入れるんだから。」
ぶつくさと文句言いながらココアを一口飲む
うん美味しい
「僕だって思春期の男子なのになぁ。」
本当は狙ってやってるのかな?
いやないか、そんなことしてもあまり意味ないしね。
「多分もう無意識のうちにやってるんだろうな。」
まぁその理由もわからなくわない。
ふと、窓ガラスに写った姿を見る
そこには、寝巻き姿の上にポンチョを軽く羽織った髪の長い綺麗な美少女がいた
「・・・・・・てゆーか、僕なんだけどね。」
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、口に出すとなお落ち込む
そう、僕「月明狩竜人」は見た目は完全に女の子だ
この見た目のせいで、僕は大変な思いをしてきた
例えば、昨日の田代君のような例が一番困る
なぜなら、A君と言う男子がいたとする
A君と僕は普通に仲良くしているとする
同性なんだから当たり前だろう?
それなのにA君は完全に僕のことを女の子だと思う
僕の通っている【天翔学園高等学部】略して、【テンガク】はそ
れなりにマナーを守っていれば私服登校OKなのだ。
僕は数少ない制服組みで、この見た目との相乗効果でさらに目立ってしまう
しかし、この時代「ボーイッシュ」と言うような言葉もあるし、「ボクっ娘」と言うことばもある
簡単に言ってしまえば、僕を女の子と勘違いするのは当たり前というものだ
しかし、自分のほうから「僕は男だからね。」と言うのもなんかプライドみたいなものが許さない
そんなこんなで僕は、週2のペースで告白されてしまう・・・・・男子から
ちなみに、僕の幼馴染が僕のことを【アカリ】と呼ぶのでよく本名を【月 アカリ】と勘違いする人も多い
「まぁ、後数週間すれば僕が男だってことが分かってくるだろうな。経験からして。」
僕は、ココアを飲みきってかたずける
今の時間は5時38分まだ時間はある
「さてとお風呂にでも入ろっと。」
僕はお風呂場に向かった
僕は、お風呂が大好きだ
細かく説明すると髪を洗うのが好きだ
そのため、特性リンスを作ったりして髪の手入れは欠かしたことがない
こうゆう所も、セイヤに女の子っぽいていわれるけど好きなんだからしょうがないしょうがない
「ん~んん~~んんん~~~~ん~~」
僕は服を脱ぎ始めながら鼻歌を口ずさむ
そしてシャワーを浴び始めて、髪を洗おうとシャンプーに手をかけたとき・・・
「あっ」
しまった、着替えを忘れてしまった
けど今脱いだ下着着るのもなぁ
「仕方ないか。」
僕は、シャワーを止めて体と髪を軽く吹いてバスタオルを体に巻いて自分の部屋に戻った
● ○ ● ○ ● ○
ドアを開けたとき、ふと違和感があった
「・・・・・ベットが乱れてる。」
それだけじゃない、下着をしまっているタンスが少し開いている
さらにベランダの窓が開きっぱなしだ
洗濯物を干したとき鍵を締め忘れていることはじつは多い、しかし学校に行く前は必ず確認するので防犯に関しては大丈夫
だけど、窓を締め忘れるなんてありえない。そして決定的なのは・・・・
「・・は・・ぁ・・・はぁ・・・」
微かに聞こえる人の呼吸音しかもクローゼットから
「・・・・・(ゴクリ)」
僕は少し緊張しながらもクローゼットに手を掛け・・・開けた
そして・・・そこには・・・
「・・・・・」
「・・・・・何してんの・・・・・セイヤ」
幼馴染がいた
「・・・・・ワン」
「・・・・・」
状況整理中。シバラクオマチクダサイ・・・
目の前にいるのは【澄空星夜】
僕の幼馴染で通称セイヤ 一人称は「アタシ」
少し赤みがかったショートヘアで結構傷んでいる
イメージとしては「狼系少女」しかしそれは見た目だけで中身はほぼ「犬」 胸はとても残念
セイヤの家は隣で、ベランダとベランダの間は1メートルも無いジャンプして渡れる距離だ
しかもセイヤは成績と反比例するほどスポーツ万能で「テンガク」にギリギリ合格したのも奇跡だと思う
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うんだいたいこんなもんかな
よし!!
「セイヤ」
「・・・なっなにアカリ」
「いくつか質問していい」
「うっうん」
「質問その1ベットが乱れてるけどなんで」
僕は淡々と質問する
「さっさぁねぇなんでだろうね!アハハハハ」
セイヤはわざとらしく笑った プチッ
「そう・・・質問その2・・・僕の下着をしまってるタンスが少し開いてるんだ。それでさぁその手に持ってるの何?」
僕は続けて質問する
「あの・・・その・・・あーーーーーーいつのまに!」
セイヤは大げさに僕の下着を見てリアクションを取る。 ブチッ
「じゃあね最後の質問いい」
僕は冷たい声でセイヤに聞く
「なっなに」
セイヤは怯えた声で返事をする
そしてきっぱりと僕は言う
「死ぬ前に何か言いたいことある」
「・・・・・」
セイヤは凍りついた
「さぁ、早く」
自分でも信じられないほどの怒りを抑えるの難しいから早くして欲しい
「・・・・・分かった。アカリ聞いてくれ。」
「っ! なっなに。」
急に真面目になったな、もっもしかしてわざとじゃなくて何か理由があったとか
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・・アカリってやっぱり大事な所隠すと百パーセント女の子だよな。」
「へっ!?・・・・あっ」
今の自分はバスタオル姿と言うことを忘れていた
「いやーーー!!眼福 眼福」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ブッチン
「えっ、今の音n「死ねーーーーーーーーーーっっこの変態オオカミーーーーーーーーーーっっ」
僕は机の上の分厚い参考書を思いっきり叩きつけた
「ワオーーーーーーーーーン」