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このこのこ!~男の娘のこんな日常~  作者:
第二章 「昔の3人」
19/20

第五話 「脳内会議は桃色系」

2009年 6月18日




視点「澄空星夜」




「・・・・・行ってきます。」


昨日はよく眠れなかったため


いつもよりかなり早い時間に家を出る


まぁアタシの両親は共働きだからいってらっしゃいを言う人も居ないんだけどさ


アタシは何となくケータイの送信履歴を見る


昨日からかけまくっているアタシの幼馴染の《アカリ》でほぼ埋めつくされていた


しかし一回も出てはくれなかった


「・・・・・あぁ~~~~~どうしよ~~~~~。」


結論から述べるとアカリと喧嘩した


しかも完全にアタシが悪い


「あぁ~~~~~どうしよ~~~~~。」


だって、それしか言いようがないんだもん


確かに昨日はココさんのことあったからイライラしてたし


女の子にデレデレしてたのにむかついてさ


それに・・・その・・・嫉妬・・・してたのは事実だけど


「あんなこと言うつもりじゃなかったのに。」


別にアカリと喧嘩したことは初めてじゃない


小さい頃はしょっちゅうしてたし


中学生になっても晩ご飯のオカズに文句言ったり野菜残したりで喧嘩になることもあったけど


こんなに胸が苦しくなる喧嘩は初めてだ


「仲直り・・・しないと・・・でも・・・」


昨日のアカリの言葉が頭に浮かぶ




《僕も嫌いだ!!セイヤなんて僕にはもう必要ない!!》




「・・・・・どうしよう、このままだったら。」


ヤバイまた泣きそうになってきた


ちなみにまたなのは昨日家に帰った後猛烈に反省して三時間ほど泣いてたからです


「とっとりあえず仲直りの方法考えないと。」


こうして「第一回脳内謝罪作戦会議」が始まった




●   ○   ●   ○   ●   ○


作戦其の一:プレゼント


「あかりーーーーきのうはごめんねーーー。」

「ふん、せいやなんてしらないもん。」

「ほんとうにごめんなさい。」

「ふん。」

「これ、ぷれぜんとだよ。」

「えっ?ぷれぜんと?」

「そう、ぷれぜんと。」

「いったいなぁに?」

「それはねぇ・・・」






「ア・タ・シ」






●   ○   ●   ○   ●   ○




「アホかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」




自分でもびっくりなほどアホな考えに朝の住宅街で大声を出してしまう


そのときいつも挨拶をくれるおばちゃんに心配された気がするが今は気にしてる場合じゃない


「ちがうちがう!!アタシはもっと普通に仲直りしたいの!!今は自分の煩悩に付き合ってる暇なんてないの!!」


全力で電柱に右ストレートを打ち込み意識を集中させる


そのとき電柱がビキビキと鳴ったが気にしてる場合じゃない


「もっと・・・・・こう・・・・・シンプルに・・・・・」




●   ○   ●   ○   ●   ○




作戦其の二:嘘泣き


「ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇんごめんなさーーーーーい。」

「ふん、せいやなんてどうでもいいもん。」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁんゆるしてよーーーーーー。」

「ふーーん。」

「ううぇぇぇぇぇぇぇぇぇんあかりーーーーーーーー。」

「しらないったらしらないの。」

「ううぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇんえんえんえぇえええん。」




「もううるさいなぁ。えい。」チュッ

「むぅ!!?」チュッ




●   ○   ●   ○   ●   ○




「だからちがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!!!!」




今度は近くの商店街で大声を出す


顔見知りのお肉屋さんに心配されてるような気がするが今はどうでもいい


「なんで今日にかぎってこんな妄想絶好調なんだよ!!確かに夢のようなシチュエーションなんだけど!!なんだけどさ!!」


コンクリートの道路を思いっきり踏みつけて意識をまた集中させる


そのとき踏みつけた道路が軋んだ音を出したが今はどうでもいい


「もっと・・・こう・・・ええっと・・・アタシが望んでいる・・・根本的な解決を・・・・」




●   ○   ●   ○   ●   ○




作戦其の三:普通に謝る


「アカリ!!」

「・・・・・何だよ。」

「そのね・・・あの・・・その・・・」

「要件が無いなら呼び止めるなよ。」

「そっそんな言い方しなくても。」

「いいやするね!」

「うぅっ。」

「だってそうだろ!!僕にはもうセイヤなんていらないの!!必要だとも思ってないの!!」

「アタシは・・・・」

「もう話すことなんてない!!」

「アタシはあるもん!!」

「・・・えっ?」

「アタシにはアカリが必要なの!!」

「それって・・・どういう・・・」




「アタシはアカリが好きなんだコノヤローーーーーーーーーー!!だからゴメンナサーーイ!!」

「僕も大好きだコンチクショーーーーーーーーーー!!ゆるーーーーーす!!」




●   ○   ●   ○   ●   ○




「だーーーーーかーーーーらーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


学校の正門で大声を出す


担任の先生に心配されているがもはや眼中に無い


「確かに!!ある意味での!!最も!!効果的で!!根本的な!!解決だけど!!今はちがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!!!!」


しかも途中までかなりリアルだったことがさらに自分自身を追い詰める


学校の校長先生の銅像を握り潰しながらまた集中使用とする


そのとき携帯が鳴り光速の速さで電話に出る


「アカリ!?」

《ざーんねーん。お母さんでしたーー。》

「バイバイ。」


プッ


「ふぅ。」


そしてまたすぐ携帯が鳴る


「・・・・・はぁ。」


ピッ


「お母さん今アタシすんごく忙しいんだけど。」

《アンタさぁ今アカリちゃんと一緒?》


・・・・・本当なら一緒にいたいっつーの


「いや今はちょっと一緒じゃないかな。」

《マジで!!?あぁーーそうなると大変だなぁ。てっきりアンタのとこにいると。》

「はっ?何の話?」

《ん~~実はさぁ・・・・・》











《アカリちゃん昨日から帰ってないのよ。》











●   ○   ●   ○   ●   ○




現在時刻 2009年 6月18日 AM7時02分




あの事件が起こるまで 2日と13時間53分

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