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このこのこ!~男の娘のこんな日常~  作者:
第二章 「昔の3人」
18/20

第四話 「運命の歯車は狂乱系」

2009年 6月17日 昼休み 屋上




視点「月明狩竜人」




「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」




・・・空気滅茶苦茶重い




別にセイヤと喧嘩したわけじゃぁない


そもそも喧嘩してたらお昼ご飯を一緒に食べるなんてしてない


理由は至極簡単だ


「・・・・・ココさんどうしたんだろうね。」


最初に口を開いたのはセイヤだった


その問いに対して僕は・・・


「・・・・・わかんない。」


それしか返答しようがない


ココ姉は、昨日帰ってきた後にいきなり部屋に閉じこもってしまった


どうやら泣いているらしい


まぁ、泣き声しか聞こえないからテレビの音であって欲しいんだけど


「「はぁ~~~~~~~~~~」」




本当にどうしちゃったんだよココ姉




●   ○   ●   ○   ●   ○




「月明狩虎子」は神様に愛されている人だと僕は思う


僕とは五つ年が離れていて、よく似ていると言われる


身体的な違いはココ姉の方が目が細い所と性別ぐらいだろう


でも、ココ姉と僕との決定的な違いはそんな所ではない


さっきも書いたとおりココ姉は神様に愛されているのだ


ココ姉は別に天才ではないし万能でもない


しかし、一緒に過ごしてみれば分かる




【努力】をすれば必ず【結果】となり


【失敗】すれば次のチャレンジは【成功】する


【負ける】と【勝つ】実力を身に付け


【挫折】をすると【経験】として前に進み


【裏切られる】と次の日には【仲直り】をして


【孤独】になるとすぐ【友達】が出来る




これらのことは簡単に出来そうで出来ないことばかりだ


でも、その()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


それが、「月明狩虎子」と言う人だ


だからこそ今回のようなことは初めてなのだ


あそこまでココ姉が悲しい顔をするのが




●   ○   ●   ○   ●   ○




「「はぁ~~~~~」」


僕もセイヤもため息ばかりで一日が終わりそうだ


「でっ?どうするの?」


今度は僕から口を開く


「どうするって・・・何が?・・・」

「いや、ココ姉があんな状態だから僕の家に来ても息苦しいだけだと思うから。」

「そうだね・・・でも家の親また遅くなりそうで・・・」

「そっか。」

「うん。」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」




「「はぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」」




もうなんかヤダ


「あの・・・月明狩さんですか?」

「うん?」


誰かに呼ばれて後ろを振り返ってみるとそこには女の子が2人がいた


「なにかようですか?」

「いや・・・私じゃなくて・・・」


彼女の後ろには(多分友達の)女の子が顔を赤らめてモジモジしていた


「ほら言いなよ。」

「でっ・・でもぅ・・・」

「ほら、早く!」

「うっうん。」


あぁ~~~~~これはあれだなぁ


「あっあの月明狩先輩!!きょっ今日の放課後体育館裏に来てください!!」


そう言い残し彼女らはさっさと自分の学年に帰ってしまった


「アカリ・・・あれって・・・」

「うん・・・十中八九告白だろうね。」


よりによってこんな時に


「でっ?どうするの?」


僕がさっき言った質問をセイヤにされる


「どうするって・・・何が?・・・」


今度は僕がセイヤと同じ答えを返す


「行くの?告白されに?」

「まだ決まった訳じゃないでしょ。」

「もう決まったようなもんじゃない。」

「そうかな?」

「・・・・・アカリは残酷だよね。」

「はっ?何言ってんの。」


セイヤが怒ったように呟く


「だってそうでしょう。アカリが女の子と付き合わない理由ってアタシが居るからでしょう?」

「そうだよ。それが何?」

「その時点で残酷だと言ってんの!!」


セイヤが声を荒らげる


「アカリ!!お願い、邪魔なら邪魔って言って!!」

「はぁ!?何でそんな解釈するんだよ!!?」


僕もつられて声を荒らげる


「だって、アタシが居るからって意味も特別だからって意味じゃないでしょう!!」

「だから何でそんな解釈すんだよ!!」

「じゃあアタシはアカリの何!!」

「なにって家族みたいなもんだろ!!」

「どんな意味での家族!?」

「そんなもん決まってんだろ・・・・兄妹みたいなもんだろ。」

「ッッ!・・・・・そうだよね・・・・・アタシとアカリは兄妹みたいなものだもんね。」


セイヤは肩を震わせて俯きながら言葉を続ける


「・・・・・いいよ別に・・・アカリが誰と付き合っても・・・」

「セイヤ?・・・・何言ってんの?」

「だってアカリ・・・女の子と付き合ってみたいんでしょ。」

「はぁ!?何で!?」

「だってそうでしょう!!ココさんが部屋から出てこないのに女の子に告白されに行くなんて!!」

「だから決まった訳じゃないって言ってるでしょ!!」

「だからそういう所が残酷なんだよ!!」

「そういう所ってなんだよ!!」

「もういい!!アカリなんて・・・・」




「大っ嫌いっっっ!!」




そんなことを言われたせいか僕も売り言葉買い言葉で言ってしまった




「僕も嫌いだ!!セイヤなんて僕にはもう必要ない!!」



そんな心にもないことを




●   ○   ●   ○   ●   ○




現在時刻 2009年 6月17日 PM1時30分




このときの言葉を後悔するまで 残り3日と7時間22分

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