第三話 「魅力は不明系」
2009年 6月16日
視点「澄空星夜」
「アカリの魅力?」
「うん、僕の魅力ってなにかなぁって。」
セイヤが晩ご飯の後にリビングで勉強していたとき(アタシはもちろんテレビ見ながらグータラしてますよ)そんなことを聞かれた
「はぁ。」
それをよりによってアタシに聞きますか
「どうしたの?」
「いや、なんでもない。」
まぁ今に始まったことじゃないしね
「アカリのみりょくか~~~。いきなり聞かれると困るもんだね。」
「パッと思いつくものでいいんだけど。」
う~~ん、そうだなぁ
「美人なところ。」
「僕、男だよ。」
「家事全般得意なところ。」
「それも普通女の子に使う褒め言葉だから。」
「攻撃力が高いところ。」
「基本的にセイヤのせいだよね、しかも魅力じゃないし。」
「防御力が高いところ。」
「僕ポ○モンじゃないんだけど。」
「回避力が高いところ。」
「うん、だから・・・」
「命中率が高い・・・」
「でりゃっ。」
アカリの攻撃【辞書アタックver英和】
「キャイン」
アタシの顔に35のダメージ
「う~~~ほら攻撃力あるじゃん。」
「魅力じゃないって言ってるでしょう。」
「うぅ~~~~~。」
とりあえず魅力うんぬんの前にその辞書アタック止めてほしいよな~~
「そういえば、なんでいきなり魅力の話なんかしたの?」
「ん~~~実はさぁ。」
● ○ ● ○ ● ○
「ふーん、それで魅力の話につながると。」
「そういうこと。」
・・・なにか引っかかるな
「アカリなんか隠してない?」
「いや別に。」
アカリは即答した
「嘘でしょ。」
「うっ。」
アタシはそれを速攻で否定する
「なっ何で。」
「何となくだけど、自信はあるよ。」
「・・・・・はぁ、やっぱ隠し通すのは無理か。相変わらずの野生の勘だね。」
まぁ、野性の勘と言っても100%当たるのはアカリだけなんだけどね
「でっ?一体何隠してるの。しかも二つ。」
「数までわかるんだ。」
「うーーん、隠してたより言わなくても良いかなって思って黙ってたような感じかな。」
「そこまで詳しくわかると怖いんだけど!」
「まぁ、気にしない気にしない。」
だってアタシはアカリのこと死ぬほど愛してるしね☆
「うん!?(ぞくぅ)」
「ん?どうしたの。」
「いや、なんか悪寒が。」
「で、何隠してるの?」
「いや、セイヤの言ったとうり言わなくても良いかなって思って。その・・・」
「その?」
「今日告白されたのは女の子なんだよ。」
「・・・・・・・・・・」
あれぇ・・・
「ちなみに異性から告白されたの初めてじゃないんだ。」
「・・・・・・・・・・」
なんだか・・・
「セイヤ?どうしたの?」
「・・・・・・・・・・」
体が・・・
「ちょっ!!大丈夫みるみる蒼白になってるんだけど!?」
「・・・・・・・・・・ダイジョウブ。」
「全然大丈夫には見えないんだけど!!」
ふわふわしてきた・・・
「・・・・・それで・・・セイヤは・・・誰と・・・・・付き合ってるの?」
「いや、誰とも付き合ってないけど。」
「うっしゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
完・全・復・活!!
「ひゃっ!!いっいきなり大声出さないでよ。」
「そうだよね!!アカリにはアタシがいるしね!!もぅ~~~~~ビックリさせないでよ!!」
バンバンとアカリの背中を叩く
「・・・(イラッ)」
ん?何か聞こえたような?
「でりゃっ!!」
アカリの攻撃【辞書アタックver漢字】
「キャウン!!」
アタシの頭に30のダメージ
「んで、話を続けるけどいい?」
「う~~~はい。」
将来アカリと結婚したらアタシのほうが尻に敷かれそうだよなぁ
「まぁ、もう一つ隠してたのは告白してきた女の子のことについてなんだけど・・・」
「やっぱり付き合っちゃうの!!?」
「ていっ。」
アカリの攻g(ry
「いいからきちんと話を聞け。」
「ごめ・・ん・・・なさい。」
ちなみにクリティカルヒットしました
「まぁ別に告白してくる相手が異性でも同性でも結局は断るからどうでもいいんだけど。」
「冷静に聞くと滅茶苦茶なこと言ってるよね。」
「うっ・・・まっまぁともかくどうでもいいの!!」
「ハイハイ。」
「・・・もう一発食らってみる?」
「すいませんでした。」
さすがにアタシでも広○苑には耐えられません
「ただ、最近告白してくる女の子がね・・・変なんだよ。」
「変?何が?」
「何がって訳じゃないんだけど・・・なんか・・・こう・・・」
「まるで【ナニカ】に引き寄せられてるみたいな」
「はぁ??引き寄せられる??」
「うん、告白されてるときにね何で僕を好きになったのかって聞くんだけど。皆口を揃えたように同じことを言うんだよ。」
「なんて?」
「《あなたにはとても【魅力】がある》って言われるんだよ。」
「はっ?魅力?いや、まぁ、アカリには魅力がないってわけじゃないけれど・・・確かに変だね?」
しかも女の子全員に言われる魅力となるとますます謎だ
なぜならアカリの魅力、言い換えればモテモテステータスは基本【男】に対して働くものだ
それに対して【女】は憧れはするが恋するまでにはいかないはずだ(アタシを含む一部マニア除く)
まぁ、アカリを女の子と勘違いしたまま告白するあっち系の女の子はたまにいるけど
そんなことを考えたとき後ろから声がした
「竜ちゃん・・・その話本当なの・・・」
声の主はいつも明るくて、楽しそうで、ニコニコしてる人とは思えないほど震えていた
● ○ ● ○ ● ○
その人は知っていた・・・
それでもそれを言わなかったのは少しの希望に賭けていたのだろう・・・
その人は知らなかった・・・
それでもそれ|は当たり前のように絶望に変わってしまった・・・
その人は理解していた・・・
それでもそれを受け入れるのは無理だった・・・
その人は理解してなかった・・・
それでもそれは簡単に現実を壊してしまった・・・
その人はアタシにとってもアカリにとっても大切な人だった・・・
いや、今でも大切な人だ・・・
今では綺麗な黒髪は白く脱色し・・・
友達が多く家に帰る事の方が少なかったのが自分の部屋から出ることも難しくなってしまい・・・
それでも昔と変わらず笑顔を向けてくれる人・・・
● ○ ● ○ ● ○
「ココさん、早かったですね。」
「ココ姉、おかえりなさい。」
● ○ ● ○ ● ○
現在時刻 2009年 6月16日 PM8時01分
ココさんがそれを見て後悔するまで 残り4日と51分
ココの扱いがひどいのは気のせいです。
気のせいったら気のせいです