第1話 プロローグ
初めまして。
白凪 黝と申します。
このような形で、小説を掲載するのは、初めてで、駄文かも知れませんが、生暖かい(?)目で見守って頂けたら幸いです。
尚、私は学生ですので、考査などで更新が遅れる場合がございますが、ご了承下さい。m(__)m
「ハァ、ハァーー」
夜の闇に沈む閑静な住宅街。
その街中を息が切らしながらも少女は必死に走っていた。
少女を動かしている原動力。
それは、『恐怖』と言う名の感情と死にたくない、と言う思いだった。
その二つが今にも立ち止まってしまいそうな少女を必死に支えている。
後ろを振り返ると追手はーーー刃物を持った男は、まだ少女を追い掛け続けていた。
「なん…で…」
別に何かをした訳でも無い。
普段通りの代わり映えしない日常だった。その筈なのに、何故。
自分が、『通り魔』の餌食として選ばれてしまったのか。
◇◆◇◆◇◆
走って、走って、走って。辿り着いたのは、行き止まりだった。
行く手を阻む壁は、防犯意識が強いのか、一際異常に高く、乗り越える事は、誰で有ろうと不可能だろう。必然的に、少女は止まった。
必死に逃げ続けた事を嘲笑う様な、結末を、運命を、少女は呪う。
絶望し、壁に背を預けて座り込んでしまった少女。男は、少女に逃げる余力は無いと分かっているのか、ゆっくりと歩いて迫って行く。
死に間際の走馬灯。
その言葉が本当で有ったと、少女は身を持って体験していた。
僅か十数年の人生。
その一コマ一コマが、ゆっくりと流れていく。
男が刃物を振り上げた。気の所為か、笑っている様に見える。
少女は目を固く閉じ、来るべき『死』に備えた。
ーーー数瞬の後。
辺りに紅の飛沫が飛び散った。
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