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鮭のハラスメント

作者: 歌川 詩季
掲載日:2026/06/08

 めんどいんすよ。

 あたしは魚とゆえば

 ツナ缶かサーモンのおさしみが好きで

 そんだったら焼き鮭も食べてみなよって

 ある日 ひと皿をちょうだいした


 まんなかに背骨の残った

 よく見かける切り身とはちがって

 細切りだし(あぶら)がトロみたい

 よく見かける切り身なら

 まず背骨を取り除いてから(はし)でバラすんだけど

 背骨のまわりじゃない 皮のついた細切りだから

 そのまま(かじ)らせてもらうとしよう


 うん♡

 身じたいと 皮とのあいだとに

 じゅわっとした(あぶら)がのってて

 とっても美味しい♡

 鮭のハラスってゆうんだと教えてもらいながら

 (あぶら)のじゅわじゅわ感を楽しんでいたあたしだったが

 その顔がそれまでの(よろこ)びとは

 べつのかたちで(ゆが)みなおすこととなる!


 骨ぇ!!

 背骨がないから油断してたのに

 骨 小骨がわりとわんさかあるぢゃん

 むしろ背骨がないからこそ

 どこに骨がひそんでいるか

 かえってわかりにくい始末


 あたしってば骨 小骨を取り除きながら

 食べなきゃなんないのがうっとおしいからこそ

 その必要のない

 ツナ缶かサーモンのおさしみを好んでいるのであって

 いくら美味しくたって

 骨 小骨がこうわんさかじゃあ

 またふたたび食べてみる気なんかしない


 それは今回の鮭のハラスに限らずに

 焼き魚 煮魚だってそう

 魚にとって生きていくうえで

 からだに骨をもつことはしかたないにしても

 食べものとしての自覚がやつらにあるのならば

 料理されるときにはちゃんと

 取り除きやすくしておくべきで

 それを(おこた)るのなんてもってのほか!

 おのれ 魚め

 こいつは立派なハラスメントと呼ばざるを得ない


 鮭のハラスによる骨ハラスメントの

 被害者となってしまった可哀想なあたし


 だけど泣き寝入りなんてしてやるもんか

 あたしはこれからも勇気をもって

 骨ハラと闘いつづけてゆこうと決心しちゃう

 ちなみに こちらも缶詰とかで

 骨までほろほろでまるごと食べられちゃう

 サンマの蒲焼きも最近お気に入り

 スチームを使うんだか知らないけど

 魚による骨ハラ撲滅のための新技術

 あたしはそこに大きな希望を見出すのだった



 骨つきチキンにおいて

 骨ハラが成立するかどうかの議論については

 べつの機会を待つとする

 私は、チキンも骨なし派!

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― 新着の感想 ―
アルハラぢゃ無くてサケハラな訳ねw
鮭ハラス好きなんですよね
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