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『光が沈むまえに』  作者: daisuke0107sasaki


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『光が沈むまえに』

普段はソネット等を書いていますが、初めて断章形式の抒情短編詩に挑戦してみました。


Ⅰ 夢の残り香


あの朝、私は、いつもなら私より早く目覚める彼女の寝顔を見ていた。


その微かな吐息のなかに、言葉にはならないものが、たしかに息づいているような気がした。

それは、彼女の夢の残り香のように、部屋の空気に溶けていった。


──いつかの夕暮れ、彼女がふいに言った言葉を思い出す。


「ねぇ、夢って、なんだと思う?」


風の音にまじって、遠くへ流れていったその問いに、私は答えられずにいた。


夢──それは、ふれることすらできない、淡い望みのようなものなのかもしれない。


人は、夢みることさえできない光を追いながら、風の音に耳を澄ませ、まだ見ぬ朝を待ち続けているのかもしれない。



Ⅱ 雲のかたち


彼女は、空を眺めるのが好きだった。


何も言わずに、ただ、雲のかたちが変わってゆくのを見守っていた。


その横顔には、なにかを求めているような、それでいて、すでにその答えを知っているような、そんな静けさがあった。


「わたしね、夢のなかで、誰かに手をふられたの。 でも、それが誰だったのか、思い出せないの。 ただ、“わたしはこの人を知っている”って──その光のような存在に、それだけを感じたの。」


彼女はそう言って、少し笑った。


その笑みは、触れ得ぬものに包まれてきた人のような、やわらかな笑みだった。


Ⅲ 風のほとりで


人は、なにを求めながら生きているのだろう。

それは、淡い夢かもしれない。

遠くに霞むまぼろしかもしれない。

あるいは、存在すらしないものなのかもしれない。


それでも──誰かの声や、風の匂いや、沈んでは昇る陽の光のなかに、

ふと、なにか答えのようなものがあるのではないかと思うこともある。


彼女は まだ 眠っていた。


彼女の吐息は、あまりに静かで──

私は、そっと彼女のそばを離れ窓を少し開けた。


そこには、変わらない風が、かすかに立っていた。



Ⅳ 光の沈黙


窓辺に差し込む光が、彼女の頬に触れていた。

その光は、彼女の夢の続きを語ろうとしているようだった。


私は、ただ見ていた。

言葉もなく、祈りもなく、ただ、見ていた。


光は ゆっくりと 彼女の頬を離れ

部屋の奥へと沈んでいった。


私は その沈黙のなかに 立ち尽くしていた。


風は まだ そこにあった。


その風のなかに、彼女の声が、問いが、笑みが、

ほんの少しだけ、残っているような気がした。


私は、そっと目を閉じた。

なにも見いだせないままに──


ただ、そこには、なにかがあるような気がした。


Ⅴ 問いの余韻


そして 風が もう一度 静かに 彼女の問いを ふりかえった。


──ねぇ、夢って、なんだと思う?


その問いの余韻が 私を包んでいた。

余韻は 言葉にならないままに 

ただ 胸の奥に 静かに 溶けこんでいった。


Ⅵ 夢のかけら


窓の外では 雲が かたちを変えていた。

そのかたちは どこか 彼女の笑みを思わせた。

触れようとすれば すぐに崩れてしまうような──


私は もう一度 目を閉じた。

風は まだ そこにあった。


そして その風のなかに 

夢のかけらのような 静けさが 漂っていた。






読み返してみると、語彙や表現がやや乏しいかなと感じましたので、もっと幅と深みのある文章を書いていければな、と思いました。

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