~検体~
僕は加藤という人物の素行調査を遂行中だ、まぁ探偵っぽいことをしてると理解してももらえればいい感じ・・
今日はまだ加藤の調査を開始して日が浅い、だから加藤という人物については裁場の管理官から渡されてる資料のみ・・
その加藤は製薬メーカー勤務、そこで営業をしてる、だからだろう今日は早稲田近くにある国立感染症研究所に来ている。
ここで神田という男と会い、何かを見せられた。
神田から見せられた何かをみた加藤は尋常じゃない驚きをみせた。
「こッ! これってッ?!」
「はい、今回の検体ですよ」
「し、しかし、これは・・」
「さすが加藤さん、見てすぐその検体の意味の意味が判ったようですね」
「いや、そうじゃなくて、これって生身の人間じゃないんですか?」
(ん? 生身? 人間? どういうことだ?)
僕はふたりの会話の意味が理解できないので、ステルス状態のまま、神田の脇をすり抜けて加藤のそばへ行き、そこにある「物」を確認した。
「?!ッ」
(なッ 何だこれはッ?!)
僕は裁場でいろいろな物を見ている、しかし、これは初めて目にする物だ。
そこにあった「物」は、キレイな白い肌をし、まだ血色もいい若い女性、いや少女の身体だったのだ、しかもその口には酸素マスクのようなものが着けられ、腕や足にもいろいろな管が刺さっていて、少女の身体に何かを送りこんでいるようだ。
SF映画とかで見る、冬眠状態とかで数年の間仮死状態になってる人間そのものがそこにあった・・
顔のほっぺたの血色などはまるで寝てるよう、その状態からほぼ間違いなくこの少女は生きていると確信できた、もし死体なら酸素マスクもいろんな管も不要なはずだ。
そんな状況から僕はこの地下室で行われてることが、到底合法ではないということだけはハッキリと理解した。
(この少女は眠らされてるのか? それにしてもこいつらここで何をしてるんだ?)
「この娘はどこから連れてきたんですかッ?」
加藤ナイス! 僕が思ってたことをズバリ聞いてくれた!
「加藤さん、あなたはそこまで知る必要は無いですよ、知らないほうがラクでしょうし、あまり詮索しないで下さいな」
神田は加藤の質問に薄ら笑いを浮かべながら答えた・・
その不敵な薄ら笑いがこの案件の闇の深さを物語ってるように見えた・・
こんばんは、菊宮える です。
わたしのお話を読んで頂いて、ありがとうございます。
まだ7話目なので、お話の進めかたや、その他いろいろが手探り状態から
抜け出せてない感がハンパないんですけど、でも、何とか7話まで
きました、今の目標は「目指せ10話!」ってハードルめっちゃ低くって
こう言ってるわたし自身も笑っちゃってます(#^.^#)
では、また8話、9話と進めていきますので、皆様どうぞよろしくお願いします!!!