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第1話 魔王軍幹部会(8)

 「……………………ん、…………ふわぁぁぁ」


 眠たい眼を擦りながらゆっくりとルナはベットから起き上がった。窓の外を見ると日は高く登っているので、どうやら丸一日寝てしまっていたようだ。


 「う〜ん、まだ少し身体が重いな…」


 身体を伸ばしつつルナは昨日の事を思い出す。今もルナの魔力は七芒星結界に紐付けられている筈だが、身体から魔力が抜けている感覚は感じられない。


 「不思議な仕組みの結界だなぁ。……ていうかそもそも今は人間モードだし魔力なんて感じられないんだけどね」


 ルナはそんな独り言を呟きつつ、自身の服を見る。あの儀式の後そのまま寝てしまったので、服はヨレヨレになってしまっていた。汗も少しかいていたので着替えようと服を脱ぎ始めると、


 ガチャ


 「………………!すいません!起きてたんですね」


 タイミングが良いのか悪いのか、フォーリアが部屋に入ってきた。


 「別に気にしなくて大丈夫だよ」


 ルナは笑いながらフォーリアにそう言って服を脱ぎ、替えの服を探す。


 「あっ、服なら一式こちらにしまってますよ」


 とフォーリアが部屋の隅にあるクローゼットを指差し教えてくれたので、ルナは下着姿でクローゼットの中を物色した。


 「ミサ殿がお詫びにと色々と用意してくださいました」


 「お詫びねぇ…………」


 お詫びというのは立て続けの契約儀式の後にルナの魔力を食べた事であろう。クローゼットの中には色々な服が揃えられており、その中から無難なワンピースを手に取った。


 「あれ?フォーリアの容姿前に戻ってない?」


 着替えながらふとフォーリアを見ると魔神化する前の普通の人間の姿に戻っている事に気付いた。


 「あぁ、あの後ミサ殿に人間世界に溶け込む際に便利だからと、魔力のオンオフを切り替える方法を教えてもらったんです」


 そう言うとフォーリアはサッと魔神化の姿に変身し、そしてすぐにもとの姿に戻して見せた。


 「へぇ〜、便利なものだね」


 「というよりルナ様も普段やっていることですけどね」


 とフォーリアは笑って答えた。


 言われてみればとルナは自身の魔法少女変身のアイテムである指輪を見る。


 「そういえば私も区分的には魔人って事になるのかな?」


 ルナはふと思った疑問を口にする。


 「そういえばルナ様はその指輪の魔道具?を使って変身するんですよね。使う前は魔力が使えないなら私達と同じ魔人って事になるのでしょうか?」


 フォーリアもルナの質問に考えていると、


 バタンッ

 

 「ルナちゃんは魔人とはちょっと違うよ♪」


 そう言いながら勢いよく部屋の扉を開けてミサが入ってきた。


 「………………どうしてミサがここに?」


 「あっ、先程いらっしゃったので中でルナ様が起きるのを待ってもらってたんです」


 とフォーリアが説明する。ミサは「そういう事です♪」とニコニコしているが、ルナは内心それでも人の部屋にイキナリ入るのはどうなのと思った。


 「それで?私が魔人とは違うっていうのはどういう事なの?」


 ジト目をミサに向けながらルナは尋ねる。


 「簡単に言うとね♪ルナちゃんは自身で気づけてないだけで常に魔力はある状態なんだよ♪」


 とルナのジト目など気にしない様に指をクルクル回しながらミサは説明を始めた。


 「ルナちゃん達はルナちゃんの指輪を媒介にして魔力を生み出していると思ってるみたいだけど、実際はその指輪を使って体内の魔力を引き出しているが正解だね♪そもそも普段は魔力を持たないルナちゃんと七芒星結界を結びつけるのは不可能なんだぞ♪」


 「え?じゃあ今の状態の私でも魔力を扱えるの?」


 ルナはミサの話を聞き自身の魔力を練ろうとする。しかし人間モードのルナにはやはり魔力を微塵も感じる事は出来なかった。


 「そこがちょっと普通の魔族とは違うんだよね♪私も上手く説明出来ないんだけど、ルナちゃんの特異性なのかな?そこにあるはずだけど見えない感じない。そんな魔力をルナちゃんは最初から持ってたみたいだね♪」


 「なるほど?」


 ミサの話を聞き終えてもルナはあまり理解ができなかった。そもそもこの姿は前世で自分が描いていた漫画の主人公からきている。その主人公も普段は普通の女子中学生なので、てっきり変身してない時もその漫画の設定同様、普通の人間なのだとルナは思っていた。


 (俺の漫画のルナとは微妙に違うのか?)


 そんな風にルナが考えている時だった、


 「おーい、準備終わったか…………」


 開けっ放しのドアからロゼが部屋に入り硬直する。


 「??ロゼどうかした?」


 ルナが不思議そうにロゼを見ていると、


 「ルナ様!服!服を着てください!」


 「あっ……」


 フォーリアに言われてルナは気付いた。自分は選んだワンピースを手に持ったまま下着姿であった事を。

  


  

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