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第1話 魔王軍幹部会(7)

 その後、同じようにルナとロゼも眷属契約を結び、晴れてフォーリアとロゼは魔人へと進化した。


 「改めて魔力を持つとなんか違和感あるな」


 とロゼは右手を握り締めて呟く。


 「一回魔神化はしてるとはいえ、魔力を持つと今までと感覚が色々と違ってくるからね♪まぁその内慣れますよ♪」


 そんなロゼの顔を下から覗き込むように笑いながらミサは言う。


 「フォーリアちゃんとロゼ君はこれから魔王軍幹部、魔法少女ルナちゃんの両翼として頑張るんだぞ♪」


 「両翼、ですか……」


 ミサのその言葉にフォーリアが反応し、


 「そうだよ♪肩書き的には副官かな?私やカルメアちゃんと同じ立ち位置になるからこれからも仲良くしようね♪」


 とミサは「ひっさしぶりの後輩ちゃん♪」と上機嫌に鼻歌を歌いながらスキップをし、そのままルナの方へ来て、


 「明日の予定だったけど折角だしこのままルナちゃんの魔力と七芒星結界の紐付けもやっちゃおうか?」


 とルナに提案する。


 「そんな簡単に準備出来るんですか?」


 七芒星結界はこの国全体を覆う防御魔法であると聞いていたので、そう直ぐに出来るものなのかとルナは疑問に思うと、


 「紐付け自体はさっきの儀式と似たような感じだからね〜、ルナちゃんの体力が余裕なら大丈夫だぞ♪」


 とミサは答えた。


 ルナは一度目を閉じ、自身の魔力を確認する。


 (…………うん。フォーリアとロゼの契約で結構魔力を使ったと思ったけど、意外と余裕あるね。これもリーシャの魔力のお陰でもあるのかな?)


 確認を終えるとルナは目を開けてミサの方を向き、


 「私なら大丈夫そうだよ」


 「流石ですね♪魔王軍幹部様はこうじゃなきゃ♪」


 そう言うやいなやミサは再度魔力を練り、先程のような悪魔じみた姿に変身する。そしてブツブツと呪文らしきものを唱えると、


 「おぉ!」


 ルナ達がいる屋敷全体が光出し、それに続いて先程と同じような魔法陣がルナの前に浮かび上がる。


 「窓の外を見てみて下さい♪」


 ミサの言葉に従って窓から外の景色を見ると、


 「す、凄い……」


 国全体を見ることはできないが、遠くの方で今いるルナ達の屋敷の様に光輝いている場所があり、そしてその光は国の中央、魔王城へと繋がっている。


 「七芒星結界を起動しました♪他の六箇所の拠点みたいにルナちゃんの魔力を結界の核である魔王城に結びつけます♪……では、この魔法陣に入ってください♪」


 ミサに促されてルナは再度魔法陣へ足を踏み入れる。


 「はい♪それじゃあ仕上げです♪」


 ミサはそう言うと今度は手の平を上に掲げ、頭上に魔法陣を作り出す。


 「じゃあ来て下さい♪」


 そう言ってミサは指パッチンをすると頭上の魔法陣は光だし、


 「うぉぉぉ!」


 その魔法陣から魔王ヒナギが落ちてきた。


 「え……、ええええ!?」


 落ちてきたヒナギはそのまま転がってルナの真下、ちょうどルナが履いているスカートを下から覗き込むような体勢になり、


 「いてて…………ん?」


 「………………………………」


 訳分からずスカートの中を覗き込んでるヒナギとそれを呆然として見ているルナ。二人の間に気まづい空気が流れ、「ぷっ♪ラッキースケベですね魔王様♪」それを面白そうにミサが眺めている。


 「ええと…………」


 何となく状況を察したヒナギはそれでもルナの下着を下から眺めつつ、


 「ごちそうさまです?」


 「い・い・か・ら、離れろ!」


 仮にも魔王をルナはそう叫んで蹴り上げる。中身は男でも下着を見られるのは恥ずかしいんだとルナはスカートの裾を押さえつつそう思った。


▽▽▽

 「ったく…………。いつも言うがいきなり俺を呼び出すな」


 ルナに蹴られ箇所を座りながらさすりつつ、ヒナギはミサに悪態をつく。


 「まあまあ、いいもの見れたからいいじゃないですか♪」


 ミサのその言葉にルナはヒナギを睨みつけ、「あれは不可抗力だろ……」とヒナギは溜息をつく。


 「………それで?七芒星結界の紐付け、今やんの?」


 周囲の状況を見て察したヒナギはミサにそう尋ねる。


 「はい♪先程ルナちゃんとフォーリアちゃん・ロゼ君の眷属契約を結んだので、ついでにやっちゃおうって♪」


 ミサの説明に「この国の防衛の要をついでって……」と再度溜息をつき、


 「まぁいいか、ルナ達の眷属契約も明日やろうって思ってたけど、それも済んでるなら今日で契約系は終わらせるか」


 そう言ってやれやれとぼやきつつ、ヒナギは立ち上がる。


 「えっ!?ヒナギはフォーリア達のこと気付いてたの!?」


 「当たり前だろ、形式的に俺はお前達のボスになるんだぞ」


 とヒナギがちゃんとフォーリア達の異変に気付いていたのを驚きつつ、


 (いや!じゃあもっと早く言えよ!)


 と心の中でルナはヒナギに文句を言う。


 「じゃあミサ、始めてくれ」


 「かしこまりました♪」


 そう言うとミサはヒナギの足元にも魔法陣を作り出し、


 「それじゃあ魔王様、ルナちゃん、魔力を込めてください♪」


 ルナとヒナギ、それぞれに左右の手の平をかざしてミサはまた呪文らしきものを唱え始める。


 「「…………………………」」


 ルナとヒナギは目を閉じ、体内の魔力を高めていく。するとその魔力は魔法陣へと吸収されていき、ルナ達の屋敷と魔王城もそれに呼応するように強く輝き、そして他の拠点同様、ルナ達の拠点の光も魔王城に結びつけられ、


 パンッ!


 大きな音と共に魔王国全体が一瞬輝いた。


 「お疲れ様です♪七芒星結界は無事に張られました♪」


 そう言ってミサは魔法陣を解除する。


 「はぁ……はぁ……、流石に疲れたぁ」


 ルナはそう言って部屋にあったベットに倒れ込む。


 「七芒星結界は国全体を覆う特大結界ですからね♪眷属契約よりも消費魔力は激しいですよ♪」


 とミサは倒れ込んでいるルナの横に座り込んでルナの頭を撫でる。


 (はぁぁ……、力が抜けていく……)


 ミサの撫で方は心地よくルナはうとうとしてくる。


 「じゃあ七芒星結界も済んだし、明日はルナと他の幹部達の顔合わせにするかな」


 とヒナギは呟き、


 「ルナは明日まで起きない(・・・・・・・・)だろうし後は頼んだぞ」


 とフォーリアとロゼに向かってそう言った。


 「…………えっ?」


 ヒナギの言い方に何か含みを感じたルナはヒナギを見つめる。


 その視線に気付いたヒナギは笑いながら、


 「ルナ、お前ミサに()()()()()()()()()()()()


 と言った。


 「……………………………………」


 「………………………………てへ♪ご馳走様です♪」


 ミサは小悪魔的笑みを浮かべてルナの頭を撫で続ける。よく見ればミサは変身を解いておらず、悪魔の姿のままであった。


 (………もっと人の容姿を気にかけるように気を付けよう…………)


 今回の事とフォーリア達の事を反省しながら、ルナの意識はゆっくりと落ちていった。 


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