エピローグ
「まぁ、こんなところか」
エーリスは水晶から目を離して大きく伸びをする。
途中悪戯心で干渉してしまったが、ルナはそれに打ち勝ち、より今後が面白くなりそうな展開にもっていったのでエーリス的には満足である。
「やっぱり僕の見る目は間違っていないようだ」
そう言って近くに置いてある箱からエーリスのお気に入りのピースの駒………………、その一つであるルナそっくりの人形を手に持つ。
エーリスは主である大神の命のもと、今ルナ達のいる世界の管理を任されている。
しかしその世界は魔力を持つ者と持たざる者で確執を生み、他の世界と比較してかなり乱れていた。
普通の天使なら世界のバランスを保つ為、自らその世界の宗教的シンボルになったり、過激な者なら天災という名の理不尽で世界をリセットしたりする。
しかしエーリスは違った。何よりも面白い物が好きな彼は、対立する二つの陣営に幾度となく転生者を送り込み、まるでゲームを見てるかのように、どちらの勢力が勝つかを楽しんでいた。
「さぁ、次は誰が面白いアクションを起こしてくれるのかな?」
そう呟き、エーリスはルナの駒を箱に戻す。
その中にはルナの駒を含め、五つの駒が入っていた。