幕間(2)
「バカ!ルミナス様の大バカ!!」
「ごめん!本当にゴメンッッ!!」
町の衛兵に追われながらミリーはルミナスに文句をぶつける。部屋で飲み食いをしていた二人であったが、ルミナスが飲み足りないので飲み屋に行こうと誘い、嫌な予感を抱きつつもルミナスの強い誘いにミリーは断れずとあるバーに入った。そして案の定酒癖の悪いルミナスはナンパをしてきた男達にキレて魔法をぶっぱなし、こうして町の衛兵達に追われる騒ぎを起こしてしまったのだ。
「もう!ルミナス様はこの大陸では指名手配中なのですよ!?少しは自重という言葉を覚えて下さい!」
「うぅ……、分かってるんだけどお酒の魅力には勝てなくて…………」
「この酒カスが!!」
「ちょっとミリーちゃん!?言葉が辛辣過ぎない!?…………ていうか身体を揺らさないで!」
箒に二人乗りして逃亡するルミナスとミリーは箒の上でギャーギャー騒ぎながら町の外目掛けて飛ばしていく。
「ハァ……久しぶりにベットでゆっくり寝れると思ったのに……。…………イライラしてきましたし追手の衛兵共やっちゃいますか?」
「ミリーちゃん駄目だよ?私達は世直しをする旅人の魔女、無闇やたらに人間を攻撃するなんて論外だよ?」
「その言葉少し前の自分に言って下さいよ」
「それを言われると…………、ほら町の外までもう少し!一気に飛ばすからしっかりつかまって!!」
そう言ってルミナスは一気に高度とスピードを上げてあっという間に町の外へと逃げ出した。
「よし!このまま魔王国へ一気に向かうよ」
「あぁぁ……私の愛しいふかふかベットがぁぁ!!」
ミリーの叫び声が響き渡る中、ルミナスは魔王国へ向けって箒を飛ばしていく。魔女と魔法少女の運命の邂逅はすぐそこに迫っていた。