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エピローグ
「良いよ!実に面白いよ!!」
水晶を眺めながらお気に入りのピンク色に輝くルナの駒を撫でつつ、この世界の管理者であるエーリスは満足そうに頬笑む。立て続けに起きた困難な壁を乗り越えたルーキーはエーリスの期待に応える働きであった。
「ルナは自身の特異性とこの世界での役割に気付いたみたいだし、これからの彼女は楽しみで仕方ないね」
ルンルンと鼻歌を歌いながら駒を箱に戻す。そこにはそれぞれ違う輝きを放つ五つの駒が置いてあった。
「さて、次はどんな楽しい事を私に見せてくれるのかな?………おや?」
エーリスはふと一つ、黄色に輝く駒を手に持ち水晶を眺めた。
「おっ!彼女が面白そうに動いているね。能力もルナと似たような彼女だ。近い内にルナと接触するのかな?」
そう言ってエーリスは楽しみにしていた映画でも見始まるかのようなワクワクした表情で再びルナの駒と黄色に光り輝く魔女の格好をした駒を手に取り、水晶の前に並べた。