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第三話 秘密特訓



「あ、カル君。時間ぴったりだね」

「メルティアさん、じゃあ早速お願いします」

「リリィでいいよ。あれから色々考えたんだけど、模擬戦をしましょう」

「いきなりですね!?」

「一番上手くなる訓練はやっぱり実践だから。剣を交えながら、気付いたことがあれば教えるわ」



快活そうな笑みを浮かべた後、リリィは木剣を二本持ってきた。

お互い木剣を持ったまま構える。



「先ずは、カル君の剣を見せて」

「はい! いきますっ! やぁっ!」



気合の声を上げながら、木剣を上段に構えて頭上に振り下ろす。

木剣で簡単に弾き返された。

無防備となって動けずにいると、下段から斬り上げ攻撃がきた。ぱ、パーリーが間に合わない!



かろうじて急所の間に差し込んだ木剣が相手の力に押し負けて宙をくるくると舞って後方の訓練場の扉の前に落ちた。

俺の喉元に木剣が突きつけられていた。

強いっ!



「目を逸らしちゃダメ。相手の攻撃に対して、注意が散漫だわ」

「はい…すみません」



俺の攻撃を弾き飛ばすほどの剣撃。

一体何のスキルなんだろうか?

俺が目を瞑ってうーんと唸ると。



「ちなみに、私スキル使ってないから。今のは単純な実力」

「あ、はい」



スキル。

子供は十歳を迎えて神からスキルを与えられる。

様々なスキルがある。

例えば、クルカスのように二段突きといった技術系のスキル。

俺の兄ーーーライアン・トラウトのスキル風精霊の加護といった使役系のスキル。



俺にスキルは使えない。

十歳の時、俺にスキルは発現しなかった。

そんな俺を家族や周りは落ちこぼれと罵倒した。



ふと、肩を叩かれて振り向くと。

頬っぺたに微かな感触。



「わぁ、カル君、頬っぺた柔らかくて羨ましいなぁ! うふふ、赤ちゃんみたい」

「な、ななな」

「顔真っ赤だよ? あはは」



腹を抱えて目尻に涙を溜めて指先で拭っていた。

何故か俺の心はその笑顔を見たことで気持ちが上向きになった。



「カル君、私のスキル。特別に君にだけ見せてあげる」

「!」



戦乙女のスキルだって!?



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