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看板娘始めました  作者: 暗根
本編
17/177

一日

「…さて、仕事するか」


朝食過ぎてしばらく経った後。

自室のベッドに寝転びながら、特に目的もなくスマホをいじっていた咲希が起き上がる。

仕事の時間である。


「さーて掃除掃除」


2階の物置に相当する部屋から掃除用具を引っ張り出す。

出てきたのは箒と塵取り。

掃除機はコード付きの奴しかないことを確認したので今のところは使っていない。

廊下では広すぎてコードが足りない。


「しっかし、この家広すぎないかね。豪邸かよ」


実際広い。

少なくとも2人が住んでる家という意味で考えると相当に広い。

正直1階部分が無くても2人なら余裕で生活可能である。


「まー狭いと人来れないからいいけど」


だがそこは民宿。

客が来ることを考えればある程度広いのは仕方ないのかもしれない。

咲希の記憶には無いものの、かつてはそこそこ繁盛していたような形跡は既にいくつも発見しているのでなおさらである。


「だけど、掃除が大変なのは勘弁してほしいねっ!」


さて、咲希のやっている仕事であるが、受付業務やら金銭管理やらを除けば、基本家の中のお掃除と外のお手入れ、あと普段の風呂掃除くらいである。


「まー2階はあっさりでいいか。どうせそんなに汚れてないしな」


そう言うと1階に向かう咲希。

実際問題2階はそこまで汚れることは少ない。

そもそもプライベート空間なので現状咲希と渚しか使わないので。

せいぜい床に少しある埃とか取ればだいたい終わりである。


「さってと、1階掃除しますかね」


さて1階だが、どちらかというと咲希のメイン掃除場所はこっちである。

今のところお客も少ないため盛大に汚れ散らかされていることはないものの、一応人の通る場所ということで、2階よりは念入りにやりたいらしい。


「真面目に掃き掃除やるとちょっと邪魔なんだよねぇこれ…」


基本まずは掃き掃除やってる咲希であるが、箒なので、当然床を見ながら掃除するわけである。

とすると目に今の咲希自身の胸が映るわけである。

ぶっちゃけ真下見にくくて邪魔であると最近思っている。

それ以上に気になるというのもまだあるようだが。


「よっし、とりあえず掃き掃除終了」


廊下一通りと食堂及び洗濯場、脱衣所の掃き掃除を一通り終える咲希。

なんだかんだ毎日やっているが、時間は結構持っていかれる。


「次は…まあ窓とかはいいよね今日は」


で、拭き掃除に大体なるのだが、今日はやらないようである。

まあ汚れる原因が今のところあまり無いというのもあるが。

なお脱衣所だけは先ほど行ったタイミングで拭き掃除も済みである。

微妙に遠いので後回しはめんどくさいらしい。


「客室かな」


次は客室である。

なお今のところは泊まっている部屋に関しての掃除はどうしようか考え中である。

数日ならともかく1週間超えると何も掃除しないのはどうなんだという感じなので。

見切り発進なのでこんな感じである。


「…まあ、使ってないし、軽い埃だけだよね」


最初に来た客と次の客の部屋は同じ場所。

なので3部屋中2部屋は完全に使用していない。

現状掃除だけして放置である。


「畳だから若干埃がめんどいんだよね…」


客室は基本畳である。

畳なので埃が隙間に入ってたりする。

ちょっとめんどくさい。

出入り口付近だけ違うのでそこはいいが。


「エアコンはつけてないしまだいいか」


エアコンも使っている場所は定期的に掃除している。

ただし、やっぱり2階はあんまりやっていない。


「さてと」


客室2部屋ぶんの掃除を終わらせて2階へと上がる咲希。

物置に相当する部屋に掃除用具を叩き入れ、別の、バケツに放り込まれている掃除用具をそのまま引っ張り出す。


「トイレか」


お次はトイレである。

そもそもトイレは1階しかなく、綺麗じゃないと咲希自身が嫌なので、ちゃんと掃除する。

ただ、部屋とか掃除してる箒と一緒のを使うのはなんかやだということで別の掃除用具を用意してある。


「これ立てて…誰もいないな。よし」


清掃中の置き看板を立てて、鍵を確認してトイレ内に入る咲希。

トイレは男女それぞれ洋式1つ。

なので誰かが入っていると使用不可、清掃不可である。


「女子トイレも男子トイレもこうやって見るとほとんど一緒だよな…まあこれは男子の方には無いけど…」


中の構造は瓜二つ。

そもそも男子サイドにもスペース的に小便器とかないので、ほぼ一緒である。

女子トイレにサニタリーボックスがあるくらいか。


「よし、女子トイレ終わりっと」


そのまま男子トイレサイドに突っ込む咲希。


「まあこっちは綺麗なもんだな。使うの客しかいないし。変な感じ」


一応自覚上まだ男が抜けきらない咲希である。


「あとは…ゴミ捨てか」


トイレ用掃除用具の後片付けを終えて、最後にやるべきはこれである。

時刻的には既にゴミを出す時間は過ぎているのだが、ここで言うゴミ捨てはそう言うことではない。

要するにゴミをまとめる作業である。

ゴミ箱が至る所にあるので。


「やっぱここが一番あれだよねぇ…」


一番正直触りたくないのが、台所近くのごみ箱と自販機横のペットボトルとカンのごみ箱である。

まあ色々な理由はあるが、あんまり触りたい代物ではない。

もう慣れたが。


「よし、これでおしまいっ!…客室はまあいいや。システムは今度考えよ…」


自販機横から行ける裏口部分に、袋状態でごみを集めておく。

朝方にこれを指定場所まで運ぶ感じである。


「あー…大したことやってないはずなのに肩がごきごきしてる気がするわ…」


そのまま手洗い等を済ませて、自室に戻る咲希。

そしてそのままベッドに倒れこむ。

仕事終わりの至福のひと時である。


「んあー…あつっ」


そしてすぐ跳ね起きた。

クーラーつけっぱなしにしてなかったので部屋が暑い。

即座に部屋のクーラーをつけなおす。

まだまだクーラー無しでは厳しい季節である。


「…パソコンつけよ」


そしてそのままごついPCの前にある椅子に座りこむ咲希。

お仕事が終わればフリータイム。

自由時間である。

お客に呼ばれない限りは。


「…なんか新しいゲーム買おうかな。…そんな余裕ないか?」


そうしてパソコンを付けた後はイヤホンを片耳だけ付けて、ゲームを始めた。

趣味娯楽はPCゲーム。

外に遊びに行く発想の無い咲希であった。


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