時を駆ける物語8
舞踏会から数日後、町の広場に王子様と兵士がやって来ました。
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第8話:ガラスの靴
「舞踏会の日、靴を落とされた娘を探している。
その娘をアレン王子が気に入られた。
この靴に足を入れ、ピッタリ入った者をアレン王子の妃として、城へ迎え入れたいとの事だ。」
兵士の言葉に家のあちこちから、娘が出てくる。
「私にピッタリな筈よ。」
娘が靴に足を入れる。
しかし、靴に足が入らない。
「違うようだな。
次の娘。」
次々に娘が足を入れるが、ピッタリ合う娘は居ない。
そして、マリーがやって来た。
「きっと私よ。」
マリーが足を入れる。
だが、マリーには靴が大きかった。
「マリーじゃ靴が大き過ぎるわよ。」
次にダリアが足を入れる。
だが、ダリアの足では靴が小さかった。
「もう少し奥に入れれば入るわ。」
ダリアは力付く入れようとする。
「これ!往生際が悪いぞ!」
兵士が止めに入る。
「他に娘は居ないか?」
兵士は周りを見る。
「…。」
兵士はメイに気付く。
「そこの娘!」
母が間に入る。
「兵士さん、彼女は舞踏会へ行っておりません。
だから、やらなくても…。」
兵士は頷く。
しかし、アレン王子が出て来て。
「待て、全ての娘に入れさせるのだ。
彼女にもするのだ。」
兵士は頷き。
「娘、名前は?」
兵士はメイに問う。
「メイと申します。」
兵士は頷き。
「メイ、足を入れなさい。」
メイは靴に足を入れる。
「おおー!」
メイの足がピッタリ入る。
「まあ、な、何で!?」
母は驚く。
「それは入って当然よ。」
お婆さんが現れる
「あ、あなたは魔法使いメルシーどの。」
兵士はお婆さんに頭を下げる。
「彼女は舞踏会に行ったのだもの。」
メルシーはステッキをを振るい、メイにドレスを着せる。
「まあ!」
母は腰を抜かす。
「あの時の娘は君だったのか。」
アレン王子がメイに近付く。
「私と城へ来てくれるか?」
アレン王子がメイの手を取る。
メイはメルシーを見る。
メルシーは静かに頷く。
「私はメイの母親です。
私も城へ。」
兵士は首を横に振る。
「来ていただくのは娘さんだけです。
話が終われば馬車で帰しますので。」
アレン王子と兵士はメイを連れ、城へ帰りました。